栄養と日常生活#016(仲井DC)

今回は、まだ誤解している人も多いと聞き、コレステロールについてご紹介したいと思います。

まず私たちの体にとってコレステロールは害であり、必要のない悪者だと誤解していませんか?
今でも低脂肪だとか、コレステロールが含まれない食事などと勧めている話しをよく耳にします。
高脂血症にならないように食事制限している人も多いと思います。
最近は何故か健康診断の血液検査で総コレステロール値を出さずに、悪玉コレステロールと呼ばれるLDL値(低比重リポタンパク)だけを表示している検査機関も見受けられるようになりました。

不思議ですね。

総コレステロールの7割以上を占めるLDL値を換算すると、やはり総コレステロール値は220mg/dLになりますので、これもまた不思議です。
何かを隠そうとしているのでしょうか?

日本では総コレステロール値は一般的に220mg/dL以下(日本動脈硬化学会)を正常値に設定しています。
しかし、このような低い値は他に例を見ません。
日本は1999年に240mg/dLに変更しましたが、翌年には元の数値に戻しています。
何故でしょう?

数年前まではアメリカでも似たような値が設定されていましたが、さすがに諦めた(?)ようで、今では成人は240mg/dL以下、また加齢に合わせて、正常値を上げたそうです
他国では280mg/dL以上で更に血圧が160mgHg以上で、始めて高脂血症と診断されることが多いのです。

 

コレステロールは本当に必要ないのでしょうか。

実は細胞を包んでいる細胞膜の20%がコレステロールで出来ています。
60兆あるといわれている細胞の20%ですから侮れません。
また脳や神経細胞、性ホルモン、ステロイドにもコレステロールが不可欠です。
特に閉経後の女性は、卵巣で作られていた性ホルモンの生成が著しく低下しますので、閉経後はその分を副腎が性ホルモンを生成するのですが、その原料となるのもコレステロールです。

通常コレステロールの20%は食事から摂取され、残りの80%は肝臓で作ります。
しかも通常の食事からの20%が減っても、その分を肝臓が生成します。
反対に食事からのコレステロールが増えたら、その分だけ肝臓から生成される量が減るだけです。
ですから食事制限する意味は余りないことになります。

もちろん全く気にしないのは問題です。
今まで数回に渡ってご紹介してきた脂肪についてのバックナンバーを読んで、どのように脂肪が体に必要なのか参考にして下さい。

念のために高脂血症による症状をご紹介しておきます。
一般的なのはアキレス腱の肥厚(ひこう)、眼瞼黄色腫(がんけんおうしょくしゅ)、角膜輪(かくまくりん)で、特にアキレス腱の肥厚がよく認められます。

高脂血症で恐いのは動脈硬化です。
つまり狭心症や心筋梗塞、または脳硬塞になる可能性が高まることです。
しかし血液にプラーク(塊)が出来るのは、前にご紹介したように塊になる脂肪です。
魚に含まれる油や、植物や穀類に含まれる脂肪は塊になりません。

「私は薬に殺される」高コレステロール血症に対して処方される薬は総称して“スタチン類”と呼ばれます。
~スタチンと書いてあれば、おそらくコレステロール低下剤です。
恐いのは副作用です。
色々な副作用があるそうですが、一番恐いのは横紋筋融解症という病気です。
随意に働く筋肉を横紋筋と呼びますが、その筋肉を溶かしてしまう病気です。
詳しくは「私は薬に殺される」福田実(冬幻舎)をお読み下さい。
横紋筋融解症による死亡例も報告されています。

もう一つ不思議な話し。

今までにコレステロールに対する研究は世界中で行われていますが、自分達が一番長生きする総コレステロール値は230~250mg/dLであると多くの研究で発表されています。
日本でもそのことを報告している本は山程あります。
皆さんは高齢者は少々太り気味の方が長生きすると聞いたことがありませんか?
太り気味、つまり痩せている人よりも総コレステロール値が高いと想像できますよね。
しかも反対に低コレステロール血症になると、ガンを始め、多くの疾患になる可能性が高まる研究も山程に発表されています。
200mg/dL以下の人が、自分の総コレステロール値を自慢しているのを見聞きしたことがありますが、ゾッとしました。

更にもう一つ。
何故LDLは悪玉コレステロールと呼ばれるのでしょう?
LDLはコレステロールを細胞に運搬する大切な役割を果たしています。
決して悪玉でも何でもありません。
しかしLDLには一つだけ欠点があるのです。
LDLはリン脂質とアポタンパクの結合が緩くて壊れやすく、結果として酸化しやすいのです。
しかし今ではオリーブ油に含まれるオレイン酸(必須脂肪酸)を摂取すれば、リン脂質とアポタンパクがしっかりと結合して、壊れ難くなることが証明されています。
オリーブ油がなぜ優れているのか証明されたのです。

もちろんだからと言って、コレステロール値なんか気にしなくても大丈夫だと提唱しているのではありません。
自分達の体に必要な不飽和脂肪酸を正しく摂取しましょうと提言しているのです。

メタボリック症候群には、高血圧、高脂血症、糖尿病が代表されます。
ご存知でしたか?
これらは一生薬を服用し続けなければならない疾患とされています。
これ以上は何を言わんとするかお分かりですね。
誰かさんに騙せれませんように、皆様方もくれぐれもご注意を・・・

正しい情報を提供してくれている本も沢山出版されています。
その中から幾つかの本をご紹介します。

コレステロールは高いほうがいい―日本のコレステロール治療がおかしい! コレステロールは高いほうが長生きする 日本人はコレステロールで長生きする 生活習慣病の危うい常識 コレステロールに薬はいらない!

ご参考になりますように。