奄美世のごはん#027:貧血

今回からしばらく、貧血について考えてみたいと思います。

身近にありすぎるからでしょうか、多くの方が貧血の傾向にあることを、とても軽視しているように思うのです。

特に心配なのは、成長期の子どもたちや、思春期の女の子、そして激しい運動をする方も。
大抵の女性は、妊娠すると急に意識し始めるのですが、できることならそのずっと前に貧血を改善しておいて欲しいと思います。

慢性化している場合は、症状に慣れてしまいます。
ご本人が症状を感じていない場合は、食事や生活の指導をしても、あまり熱心には聞いていただけません。

血液検査(古田 朋子『奄美世のごはん』)|DoctorsSuggestion.com血液検査で貧血の診断が出ても、「様子をみましょう」と言われ、「症状がないから」と放っておいたり、また貧血の数値にまったく触れない医師もいます。

血液検査の数値が基準値の範囲内であっても、低い場合や、以前の検査値より悪くなっているようなら、要注意です。

血液中の固形成分には、赤血球と白血球と血小板などがあって、白血球は、細菌やウイルスから身体を守る働きをします。
血小板は、ケガなどの傷口をふさぐ働きをします。



さて、赤血球です。
赤血球は身体のすみずみまで酸素を運んでくれます。
赤血球の数が減ったり、機能が低下すると、酸素が運ばれにくくなります。

この状態が貧血です。

身体のあちこちで酸素が足りなくなって、いろいろな不具合が生じます。

身体の中で最も大量に酸素を必要とするのは脳です。
自律神経がうまく働かなくなるため、めまいや立ちくらみ、頭痛、頭重、眠気などが起こります。

どの臓器であっても、組織であっても、酸欠が起こります。
疲れや、だるさ、筋力の低下。
消化器の働きが低下すると、食欲不振、下痢、便秘、嘔吐。
女性の場合は月経が止まることもあります。
生きることが優先されますから、生殖は二の次になってしまうのです。

貧血にはいくつかの種類がありますが、最も多いのが『鉄欠乏性貧血』です。

間引き菜(古田 朋子『奄美世のごはん』)|DoctorsSuggestion.com赤血球の中のヘモグロビンという色素に鉄が含まれていて、この鉄分が酸素と結びつくことで、全身に酸素を運びます。

寿命を全うした赤血球が壊される時、その中の鉄は再利用もされますし、バランスの良い食事を摂っていれば、鉄分の不足は起こりにくいのです。
しかし、ダイエットで食事の絶対量が少なかったり、編食で食品のバランスが偏っていたりすると、鉄の供給が不足します。

また、成長期には血液量が急激に増えるので、鉄の需要が高くなります。
妊娠期や授乳期にも、赤ちゃんの成長のために大量に必要になります。
この需要を満たすことができないと、鉄欠乏性の貧血になってしまいます。

てんし野菜(古田 朋子『奄美世のごはん』)|DoctorsSuggestion.com子宮からの不正出血、消化器の潰瘍やがんの出血、痔なども、たとえ少量であっても慢性的に出血していると、鉄欠乏の危険性があります。

鉄分の吸収には胃酸が必要なので、栄養価の高い食事をしていても、胃潰瘍や胃炎で胃酸の分泌に異常があると、鉄分をしっかりと吸収できずに、欠乏している場合もあります。

鉄剤で鉄を補給するだけで良いかというと、そうではありません。
赤血球の幹の細胞が成熟して、完成された赤血球になり機能するには、カロチン(ビタミンA)・ビタミンB群(特にビタミンB12・葉酸)・ビタミンE・コレステロール・たんぱく質が充分に必要です。

はんだま(古田 朋子『奄美世のごはん』)|DoctorsSuggestion.com不必要に食事を抜いたり、偏った○○抜きダイエットなどで、食事の量や回数が減ると、さまざまな食品から、バランス良く栄養素を摂ることが難しくなります。

鉄分とビタミンを豊富に含む食品を、しっかり食べましょう。

小松菜・ほうれん草・春菊・おかひじき・大豆・枝豆・とうふ・納豆・海藻・かき・あさり・・・

レバーによる補給は、急な対処としてはよいのですが、デメリットがとても多いので、常食にはお勧めしません。

 

暑さで低下していた食欲が、秋の深まりとともに戻ってきます。
身体を作り変えるチャンスです。
必要なものを 必要なだけ 食べる。

基本は、ご飯・みそ汁・旬のもの

夕陽アダン影文広(古田 朋子『奄美世のごはん』)|DoctorsSuggestion.com