栄養と日常生活#004 (仲井DC)

前回ご紹介した筋力検査の注意事項は非常に大切です。
筋力検査はやり方次第で強くすることも、弱くもすることもできます。
基本を忠実に守りながら、しっかりと正しい検査方法を習得して下さい(Oリング検査法も同じです)。

今回ご紹介する検査方法はセラピーローカリゼーション(以後TLに省略)と呼ばれています。
TLはAKの開発者であるDr.ジョージ グットハートが見付け出した素晴らしい検査方法で、この方法でAKは大きく躍進しました。
これは特定な反射点に患者自身に接触(TL)させることで、正常または弱化していた筋が、弱化または正常に反応するという発見です。
正常な筋力を示していた筋が弱化する場合だけでなく、弱化を示していた筋が正常に回復しても構いません。
変化を示すことが重要なポイントになります。

今回は、なるべく正常な筋力を示すインディケーター筋(指標筋)を使うことをお勧めします。
なぜなら、筋肉が最初から弱化を示す場合は、他の数多くの原因をクリアーにする必要があるからです。
例えば前回ご紹介した大腿直筋の弱化には、小腸との関連が考えられます。
他に筋そのものの問題など、様々な問題を考慮する必要があります。
もし最初から弱化を示す場合は、反対側の正常な大腿直筋を試して下さい。

Dr.グットハートは身体の特定の部位を指の指腹部(主に2~3本)で接触すると、正常を示していた筋力(インディケーター筋)が弱化することを見い出しました。
強く接触する必要はありません。
軽く接触するだけで反応します。
もちろんハンドクリームなどを手につけている人は、最初に洗浄してから検査を行います。

肌に直接に接触する方法が最も適していますが、特別な化学繊維でなければ、服の上から接触しても正確に反応します。
肝臓の1つのポイントは胸部に近いため、服の上からTLがよいでしょう。

チャップマン反射点では肝臓の検査ポイントをご紹介します。
基本的な検査部位は2カ所あります。
第一の肝臓のTLポイントは、右側の第5肋間の肋軟骨部(右図)に、患者さんの左右どちらかの手の指腹部でコンタクトさせた状態で、インディケーター筋(大腿直筋)を再検査します。
この部位はAKで用いる神経リンパ反射点の1つです。神経リンパ反射点は、1930年代にオステオパスであるフランク チャップマンDOが開発したチャップマン反射点と呼ばれる反射点で、それぞれの臓器や腺、その他の状態と反応するポイントの1つです。
この反射点を利用した方法を、Dr.グットハートがAKに取り入れたものです。

第5肋間の探し方は、肋骨前部の下端部が第10肋骨ですから、その上部の肋間が第9肋間です。
胸骨から外側に7~8cmを目安に数えながら探します。
患者さんが女性の場合は、患者さんの指を借りて、その指の上から接触して数えます。
決して胸に接触しないように注意して下さい。
また強く圧を加えてはいけません。
肋間は敏感な部位ですから、軽く接触するだけで、強い圧を加えないように注意します。

探し当てたら、その部位に患者さんの指2~3本の指腹部でコンタクトさせた状態で、正常な筋力を示した大腿直筋を再検査します。
もし正常な筋が弱化する場合は、肝機能が低下している可能性を疑います。

前回お伝えしたように、筋力検査した後は、必ず元の自然体に戻してから再検査を行います。
面倒ですが、些細なことが検査結果に影響します。

次に確認の為に、もう1つの反射点をTLして検査します。
左手の茎状突起の上に右手の示指または中指の指腹部でTLした状態で、筋力検査を行います。
左手の茎状突起の上に右手の示指または中指の指腹部でTLした状態で、筋力検査を行います。この部位は神経リンパ反射点ではなく、鍼灸で用いる脈診に使われる肝臓と胆嚢の反射点(右図)です。
鍼灸では検者が脈に触って検査を行いますが、AKでは患者さんに触らせて、筋力検査を行います。

胆嚢との鑑別検査も必要ですが、神経リンパ反射点で反応を示し、脈診でも反応を示せば、おそらく肝臓との繋がりが深いと考えられます。

最後の検査は、患者さんの左手にマリアアザミを持たせた状態で、同じ脈診部位を右手でTLしながら、弱化を示した筋力が回復するかを調べます。
この時に、患者さんに何を持たせたかを伝えてはいけません。
患者さんの脳が先に反応してしまうからです。

AKでは口の中に入れて検査を行いますが、手にも浸透性があることが1980年代に証明されているので、私は手に持たせて検査をする方法をとっています。
つまりAKの正確な検査方法とは少し異なり、自己流になりますが、同じ反応を示すので、この方法を用いています。
ただ口の中に入れる時よりも、脳が身体に必要なものかを判断するまでに時間が要りますので、手に持たせてから15~20秒待ってから再検査を行って下さい(反応が遅い人は30秒ほど待ちます)。

もし弱化していた筋力が回復するようであれば、マリアアザミが肝臓の解毒剤として有用であることを示しています。
先程の神経リンパ反射点にTLした状態で、反対の手に持たせて検査することも可能です。

多くの人が肝臓の反応を示し、またその殆どの人がマリアアザミの有用性を示すことに驚くと思います。
そうです、肝臓は「沈黙の臓器」なのです。
そして多くの人に、肝機能の低下があることを実感して下さい。

栄養と日常生活#003 (仲井DC)

解毒の検査を始める前に、まず最初に筋力検査をご紹介したいと思います。
簡単にできそうな筋力検査ですが、実は色々な注意事項があります。

アプライド キネシオロジー(以後AKに省略)は、基本的に筋力検査を元に数多くの検査を進めて行きます。
全部で70種類近くの筋力検査がありますが、栄養療法では、それを全て覚える必要はありません。
上肢と下肢で、それぞれ2種類程度を覚えておけば、栄養療法で行う多くの検査が可能になります。ケンデル&ケンデル「筋力テスト」(社会福祉法人 日本肢体不自由児協会)

AKが用いる筋力検査は、ケンデル&ケンデルの「筋力テスト」(社会福祉法人 日本肢体不自由児協会)が基本になっています。

今回は大腿直筋(大腿四頭筋の一つ)をご紹介します。その他に必要な筋力検査は別の機会にご紹介しようと思います。

 

 

大腿直筋まずは大腿直筋の解剖学的な部分から説明します。

 

起始:前下腸骨棘(AI I S)
停止:膝蓋骨の上端に停止して、腱は続いて膝蓋骨を介
して脛骨粗面に付着
神経:大腿神経(L2~4)
作用:骨盤上で大腿骨を屈曲 大腿骨上で下腿を伸展

 

 

 

筋力検査で大切になるのは、まずその筋がどこから起始して、どこを走行して停止し、どのような動きを司るかを正しく理解することです。それを常に覚えていれば、検査を間違えることはありません。

大腿直筋の検査大腿直筋の検査は、患者さんに仰向けに寝てもらい、股関節を90度近く屈曲して、下腿が床と水平になるように膝を曲げてもらいます。
股関節を90度以上に屈曲すると、大腰筋が関与し易いので、7~80度程度にします。
術者は片手を大腿前部に、反対手を足首近くの前部にコンタクトして、下肢が自然体(最初に仰向けで寝た体勢)に戻る方向に両手で圧を加えます。

 

それでは筋力検査での注意点を説明します;

  1. 患者さんは仰向けで、なるべく楽な自然体で寝てもらいます。
    両手は身体の脇に置き、手が身体に接しないようにします。
    枕を高くすると、脊柱が屈曲した体勢になりますから、なるべく自然体に近い位置になるように調整して下さい。
    仰向けやうつ伏せで行う検査は、重力や体重による負荷を最小限に抑えるためです。
  2. 患者さんは目を開いて正面を向き、普通に呼吸を続けてもらいます。
    眩しい場合は、照明を調整してください。
    目を閉じると、異なる情報を検出する可能性がありますので、必ず目を開いた状態で検査をします。
    また検査中に息を止めないように指示して下さい。
  3. 患者さんに、この検査は力比べではなく、反射検査であることを事前に説明して下さい。
    これは脊髄神経の反射検査ですので、力を入れる前に掛け声をかけたり、一、ニ、の三などと声をかけないように注意します。
    声をかけると、耳からの情報が脳に情報が伝わるので、正しい検査結果が得られなくなります。
  4. 術者が加える力は、車のアクセルを踏むように徐々に力を増やします。
    1~2秒程度を目安に加速して下さい。最初から急に強い圧を加えないように注意します。
  5. 術者は関節に直接コンタクトしないようにします。
    またコンタクト手で強く握ってもいけません。
    強いコンタクトや、関節へのコンタクトは、検査に不必要な刺激が脳に伝わり、正しい情報が得られません。
  6. 術者が用いる力(圧)は主に自分の体重を使い、手や腕の力をなるべく使わないようにします。
    体重を利用することで、コンタクトしている手は感じ取ることに集中できます。
  7. 検査中は患者さんの全体の動きや表情を見て、何か変化していないか観察します。
    無理に抵抗しようと身体を捻ったり、上半身や他の筋で補正しようとする場合があります。
    また顔を歪めたり、真っ赤にして抵抗しようとする人もいます。
    その場合はすでに弱化していることを意味しますから、無理に抵抗する必要がないように指示して下さい。
    下肢の多くの筋は体重を支える筋なので、正常であれば患者さんの全体重の力(圧)を加えても、十分に抵抗できるはずです。
  8. 再確認や、身体の反射点に触れた状態で再検査する場合は、必ず一度検査側の下肢を自然体に戻した状態にして、再び股関節と膝関節を曲げて検査を繰り返します。
    一度検査を行うと、その刺激が脳に伝わりますので、自然体に戻さずに再検査を続けると、正しい情報が得られなくなる場合があります。
    面倒ですが、必ず一回毎に自然体に戻してから再検査をして下さい。
    AKでは大腿直筋(大腿四頭筋)は小腸と関連があると考えています。つまり食べ物の消化と大きな関連を持つ筋ですので、解毒作用とも深く関係します。
    また大腿直筋は股関節を屈曲させ、膝関節を伸展させますから、身体の屈曲/伸展の動きとの関係も同時に検査することが可能になります。
筋力検査は色々な情報を得ることができる非常に便利な検査方法です。
ですが、ちょっとしたミスや思い込みが入ると、正確な情報を得ることができなくなります。
何人もの人と練習をして、確実に違いが把握できるまで、何回も繰り返し練習して下さい。