奄美世のごはん#038:気付きにくい成長期の貧血

シマのヤマは、次々と到来する台風を迎え、天からの恵みをいただき、創り変え、抱きかかえ、少しずつ、少しずつ、私たちに分け与えてくれます。

さて、貧血のデータを抱えてセサミにいらっしゃったのは中学2年生の女の子。
これまで診てきた中でも、トップクラス(!?)の貧血です。

 

お母さん曰く、「いつも飛び跳ねている活発な子で、小学校の5年生から今まで病欠はありません。健康そのものだと思っていました。」

金作原’14.8-4(奄美世のごはん by 古田朋子)| Doctors' Suggestion一見すると、肌は陽に焼けて、にこにこしていて、受け答えもハキハキしています。
学校も部活動も、楽しくてたまらないそうです。
元気を絵に描いたような女の子です。

診させていただくと、下の瞼の裏は真っ白で、手のひらの筋の赤みがほとんど観られません。
本人は「部活がハードな日は疲れるし、夜更かしすると眠くなったりするけど、普通かな。」と、現状を特別おかしな状態とは認識していなかったようです。

お母さんにお聞きすると、前兆はいろいろありました。

小学6年のころから、身長の伸びが急になり、食事の量がどんどん増えたそうです。
家にいるときは数時間おきに、なにかしら食べたがったそうです。

中学に入学すると、運動部に入りました。
部活動は放課後にあります。
部活動の練習では、学年の差も個人差もなく、みんな同じメニューをこなすのだそうです。
ときどき朝錬があって、体力づくりと称して、授業の前に走り込みをするそうですが、どちらも風邪をひいたとき以外は休まず参加しています。

金作原’14.8-1(奄美世のごはん by 古田朋子)| Doctors' Suggestion中1の夏を過ぎたころから、朝の目覚めが悪くなり、しばらくは起き出してこない。
支度に時間がかかる。
「お腹すいてない」と、しっかりと朝ごはんを食べることが減り、口当たりのよい果物ですませることも増えました。

お母さんは、部活動の疲れ、帰りが遅くなったための睡眠不足、そして身長が伸びているので、成長のためのエネルギーの温存だろうと、お休みの日にのんびりすれば癒えるものと思っていたそうです。

桂の木(奄美世のごはん by 古田朋子)| Doctors' Suggestionこの頃には、食べる量の増減は安定していたものの、「魚が食べたい」「ほうれん草が食べたい」と、食品を指定して食べたがるということも多かったそうです。

そのうちに、家にいるときは常にごろごろと横になったままテレビを観て、漫画を読んで、お使いを頼んでもいい返事は返ってこない。
いらいらしている。
大好きだったお手伝いも、やっとこさ腰を上げてくれるけど、ぶつぶつ不平を言う。

ああこれが世間でよく耳にする、「中2病だ」「反抗期だ」とお母さんは思ったのだそうです。

中1のときと比べると、中2の1学期の中間テストの結果は格段に悪かったのだそうです。

どうしてもわからない問題があるからと先生に質問に行き、その時は理解できたはずなのに、帰ってくるとやっぱり分からない。
問題を読み解くという以前に、読むということにすら集中できていなかった、とお母さん。

 

血液検査貧血データ14.7(奄美世のごはん by 古田朋子)| Doctors' Suggestionたまたまプール前の健康診断があり、校医さんに貧血の疑いがあるので検査を受けるように言われ、血液検査を受け、ひどい貧血であることが分かりました。

 

成長期には、身体の成長に伴って、血液量がどんどん増加します。

この時期は、絶対に、必要なものを必要なだけ食べなければなりません。
高カロリーで栄養が少ない食べ物を食べてしまうと、必要な栄養素を満たすことができなくなります。

また小学校の頃、体育やレクリエーション以外にスポーツを経験したことがない場合は、中学に入学して運動部に入部したとたん、いっきに運動量が増えます。

運動量が増えると、酸素を大量の使いますから、酸素を運ぶ赤血球のヘモグロビンはどんどん消耗して、鉄分が足りなくなります。

 

脳は大きさに対し最も大量に酸素を必要とする組織です。
血液中の赤血球が充分に酸素を運んでこないと、考えることも身体をコントロールすることもスムーズにできなくなります。
栄養素の欠損で不安定になった心には、カウンセリングより欠損した栄養素の供給が必要です。

 

ごはん みそ汁 旬のもの
山の幸 海の幸

木々の葉は、陽の光で酸素を創り、私たちの生命を支える
木々の根は、抱えた土で水を浄化し、私たちを潤してくれる

 

宙玉・金作原・快晴(奄美世のごはん by 古田朋子)| Doctors' Suggestion