『奄美世のごはん#002』

奄美世の海には負けてしまうのかもしれませんが、今夏も奄美の海は最高です。
もちろん暑いです。
暑さが続くと、身体は熱を作らないように食欲をおとします。
身体の表面から熱を発散するために、血液が皮膚に集まりますから、お腹の血流が低下することもそれを手伝います。
食べ過ぎて身体に負担をかけないように。
食物繊維を一緒に摂取できる精製度の低い穀物を主食にすることは、食べ過ぎを防ぎ、消化器の働きを助けてくれます。

 

奄美世のご飯#002挿絵1玄米、胚芽米、炊いて食べてみました?
主食を変えただけで、がんこな便秘がすっかり治ったという方がいました。
腹部のスッキリ感が最高だそうです。
肌荒れも徐々に良くなることでしょう。
繰り返しひどい口内炎に悩まされていた方も、一日に2食、玄米をよ〜く噛んで食べるようにしたら、まったく出なくなったということ。
加えて、慢性疲労なども解消したそうです。

 

分搗き米はどうなのかという質問がありました。
もちろん、白米の代わりに取り入れてください。
7分搗きは玄米を3分だけ残して7分精米したもの。
5分搗きは半分だけ精製したものです。
白米から、7分搗き、5分搗き、3分搗きと進めていくのも一つの方法です。
3分搗きはかなり玄米に近い栄養価です。
7分搗きはほぼ抵抗なく食べることができます。
分搗き米は、スーパーのお米売り場に並ぶことはほとんどないので、お米屋さんか精米機のあるスーパーで、好みに合わせて搗いてもらいます。

理想は家庭用の精米機です。
メニューや体調に合わせて玄米を精米します。
お米も生鮮食品ですから、食べる前に精米すると鮮度が落ちるのを防ぐことができます。

 

主食を変えた方を診ている治療家の方は、ご本人はもちろんですが、家族の様子も確認してください。
変更を急ぎ過ぎていないか、ちゃんと噛んでいるか、お腹の具合はどうか、吹き出ものや肌荒れをおこしていないか・・・。
小さいお子さんやお年寄りがいる家庭は、特に気をつけてあげてください。
がんやアトピーの改善のために食事療法を行う場合は、急ぎ過ぎる傾向にあります。
消化能が落ちていると、ひどく疲れたり症状が悪くなる場合もあります。
他の因子も考慮しながら、主食の変更の内容を確認してください。
割り合いを変えたり、浸水を長めにしたり、水を多めに炊くなど、体調に合う良い塩梅を探してください。

 



 

「良く噛んでいるか」は、とても重要です。
習慣になっていないだけの場合もありますが、噛めない原因には、顎関節、頭蓋の動き、脊柱の生理的彎曲などの問題が考えられます。
全身をしっかり診て、スムーズに「噛む」ことができる状態をとり戻してあげましょう。

 

食事の内容だけではなく、食べる姿勢や時間、環境など生活全般も聞き取ります。
大人の場合、食事の時間をとっているか、仕事をしながら食べていないか、食べる時間帯はどうか・・・

子どもは、TVなどを観ながら食べると噛むことを忘れます。
また、何をどれだけ食べているかわからない、感知できない状態になります。
食べ物の消化吸収には、視覚、嗅覚としてのにおいや色合い、そして音、口腔内での味覚受容器の刺激などが、唾液や消化液の分泌、胃や腸の蠕動運動を促します。

奄美世のご飯#002挿絵2「食べる時には食べる」ことに集中するということは、生化学的にも実証できるわけです。
食べ物を口に入れたら、はしを置いて良く噛む。
おじいちゃんおばあちゃんに聞いたことを思い出してください。

※右の写真は我家で愛用している箸置きです。

 

食間に清涼飲料水や牛乳などでカロリーを満たしてしまうことも、大切な食事がおろそかになる原因です。
暑い時期は急増します。

スポーツドリンクを筆頭に、飲むヨーグルト、ビタミンを添加したジュースなどは健康に良いものと誤解されていることが多く、飲み過ぎている方が多いようです。

これらの清涼飲料水に含まれている糖質をスティックシュガーに換算すると、

・スポーツドリンク(500ml)には約7〜9本
・ビタミンC飲料(500ml)には約13本
・飲むヨーグルト(240ml)には約8本
・カルピスウォーター(500ml)には約15本

この糖質は腸管から一気に吸収されて、急激な血糖値の上昇を起こします。
特に子どもの身体は血糖値のバランスをとる能力が成熟していません。
ひどい低血糖や急性の糖尿病、膵炎を起こすこともあります。
夏バテ、暑さまけ、ではなく甘いものの取り過ぎです。
飲み物だけで慢性の糖尿病、高脂血症、脂肪肝、肥満になる可能性ありの数値なのに、さらにアイスクリームやお菓子を食べているとしたら、生活習慣病に突進していくようなものです。

のどの渇きには、水や麦茶、甘くしていない飲み物を。
汗をたくさんかいた時には、粗塩をひとつまみ加えて飲みます。

『奄美世のごはん#001』

奄美世のごはん21はこちら)」や「セサモイド」を読んでくださった方から、「玄米食を始めました」「発芽玄米を足しています」などなど、お話をいただいて、にんまりしています。
食と健康を結びつけるには、実践しかありません。
正しい知識を伝えることは大切なことです。
でも、理解してもらっても、実行してもらわなければ、患者さんはなかなか健康には近づいては行きません。
アミノ酸の分子構造を知っていても、ジャンクフードばかり食べていたのでは、ね。

 

奄美世のごはん(2)でおすすめした米食ですが、理想は「無農薬の玄米を上手に炊いて、毎食の主食にする」です。
ですが、臨床で栄養指導をする時は、ひとりひとりの症状や疾患、生活の状況などに合わせて、無理なく続けられるような食を考えていきます。

ハードルが高いのは、料理が苦手だったり、忙し過ぎて時間がないという方々。

料理は好きだけど時間が無いという方には、週末だけ自炊をおすすめします。
とにかく週に一回だけでいいから自分で炊いたご飯を食べる。
多めに炊いて保存しておけば、平日にも胚芽米や玄米を食べることができます。
慣れてきたら、時間がとれる平日にもう一回、自分で胚芽米や玄米を炊いて食べます。

忙しいうえに、料理が苦手だったり経験がない方は、無理せずまずはメニューの選択を変えていきます。
選んでほしいものは主食がお米のもの。
でも、チャーハンやピラフ、カレーライスではなく、ご飯を主食とした和食を選んでください。
できれば丼ものではなく、ご飯、みそ汁、おかずを組み合わせた定食タイプ。
もちろん選べるのなら白米ではなく、精製度の低いお米や雑穀のご飯にします。

朋子先生バストアップ料理が大好きでお弁当も毎日手作り、という方にはハードルは無いも同然。
台所の白米に胚芽米を混ぜて食べていただきます。
残っていた白米を全て食べ終わって、胚芽米だけになったら、胚芽米に玄米を少し混ぜていきます。
少しづつ割り合いを増やして、ゆっくりと玄米100%にもっていきます。
玄米の割合を増やした時は、しばらくその割り合いで身体の調子を診てください。
なにか不調を感じるようなら、ひとつ前の割合に戻ります。

ご飯を白米から胚芽米や玄米に変えていくとき、家族にお年寄りや小さな子どもがいる場合は、食べる量が極端に減ったりしないか、便通に変化がないかなど気をつけて、玄米の割り合いを加減したり、吸水の時間を長くしたり、水を多めに軟らかく炊くなどして対応します。

ちょうど良い加減がみつかります。
それは季節によっても、体調によっても、変わります。
もちろん年齢によっても。
ですから去年はこうだった、あの時はこうだったと、あれこれ楽しんでみてください。

玄米を炊くのが始めてなら、ゆっくり吸水させてください。
12〜24時間吸水させると食べやすくなります。
長い時間水につけておくと、暑い時期には独特の香がしますが、気になるようなら途中で水を変えてください。
胚芽米は長い吸水は必要ありませんから、炊く時に足します。
最近は玄米を美味しく炊くことができる炊飯器が販売されていますが、それはど高価な調理器具はいりません。
少し厚めのお鍋で、美味しく炊くことができます。
土鍋やホーローの鍋、ステンレス、昔ながらのお釜など。

奄美世のごはん#001挿絵我が家では土鍋で玄米を炊いています。吸水は12〜24時間。
冬場は長め、暑くなってきたら短かめ。
秋の新米はうんと短く、古米は長く。
朝、洗って水につけたら次の朝、夕方のものは次の夕ご飯に炊きます。
火にかける時に胚芽米を足しますが、割り合いは、子どもたちの食べ具合や、活動量、前日の夕飯の時刻、気温や体調に合わせて加減します。

炊き方はいろいろありますが、簡単な方法は、吹きこぼれない程度の中〜強火にかけて、沸騰してぐつぐついい始めたら弱火で13〜15分、火を消して15〜20分むらします。
火傷に気をつけて蒸気の臭いを嗅いでみてください。
水っぽさが消えて、ご飯のほんわかした香に変わった時が火を消すタイミング。

最近、主人が腕を上げていて、私が炊いたご飯よりおいいしい気がすることも・・・。
まけてるかも・・・。

奄美