『奄美世のごはん#011』

亜熱帯の奄美では、一年中色鮮やかな花々が咲いていますが、梅雨の頃には雨に洗われ鮮やかさを増します。
関東でもひどく暑くもならず、冷えこむこともないので、とても過ごしやすい季節なのですが、ご存じのとおり連休明けのこの時期には、どなたが名付けたのか5月病という“こころの病”が流行します。

そんな気分を一新するために、目覚めのために、気分をすっきりさせるために、私たちがよく利用するのがコーヒーです。

一日に10杯以上も飲んでいた方がいらっしゃいました。
デカンタにたっぷりコーヒーをおとし、マグカップを片手に飲みながら仕事をすることが習慣になっていたのです。

でも、子どもにコーヒーを無制限に飲ませる大人はいないようですが、なぜでしょう?
なんとなくコーヒーは身体に悪いものだと感じているのではないでしょうか?

なんと“カフェイン”は劇薬に指定されている物質なんです。

ブーゲンビリア | 奄美世のごはん(DoctorsSuggestion.com)劇薬というのは、つまり、毒薬の次に毒性が強いということになります。
この劇薬指定のカフェインが含まれている飲み物の代表格がコーヒーです。
でも劇薬が含まれているというのに、コーヒーを購入する時に身分証明はいりませんし、年齢制限もありません。
カフェインを含む飲み物や食べ物を購入して利用することも、子どもであっても違法ではありません。

カフェインは私たちの脳を興奮させるので、眠気が覚めたり、疲れを感じなくなります。
集中力もアップしますから、仕事もはかどるわけです。
この効果の適量はコーヒーの濃さにもよりますが、多くて数杯といったところでしょうか。
ですがカフェインに対する耐性には個人差がありますから、人によってはコーヒー1杯であっても、脳が興奮し続けて眠りが浅くなったり、寝つきが悪くなったりします。
尿の量も増えますから、一晩に何度もトイレに行かなければならないこともあります。
たった1杯しか飲んでいませんので、睡眠の問題や頻尿と、カフェインの作用が結び付いていないことがほとんどです。
カフェインの摂取で、みぞおちの少し右の肋骨にそって痛みや熱感が出たり、右の肩甲骨と背骨の間にコリや痛みを感じる方もいます。
このような場合は臓器に対する治療と、原因であるカフェインの制限が必要になります。
むやみに揉みつづけるだけでは、筋線維を傷めることにもなります。

諸鈍でいご並木 | 奄美世のごはん(DoctorsSuggestion.com)コーヒーを飲み続けると、カフェインに対する耐性ができてきます。
すると同じすっきり効果を得るためには、飲む量を増やさなければならなくなります。
カフェインの量が増え過ぎると、アドレナリンなどの興奮性の物質が分泌されて、脳だけではなく全身の興奮が起こります。
心拍が増え血圧が上がるので、心臓に負担がかかります。
筋肉が興奮しすぎると痙攣などが起こります。
疲労物質もたまります。
カフェインは胃酸の分泌を刺激するので、胸やけや炎症、不快感の原因にもなります。
イライラしたり、不安を感じることもあります。

夜の睡眠の質が悪くなると、朝の目覚めが悪くなったり、昼間に眠気や疲労を感じますから、またカフェインの作用が必要になります。

摂取したカフェインの分解解毒は肝臓で行われます。
たばこに含まれる化学物質も、アルコールのアセトアルデヒドも、肝臓が分解してくれます。
筋肉に発生する乳酸の代謝とリサイクルも肝臓の役目です。
肝臓の仕事が多いとカフェインの分解にも時間がかかります。
分解の時にビタミンCなどが必要ですから、栄養素の不足があると分解は進みません。
正常で4~6時間といわれますが、肝臓の健康状態と仕事の量と質によっては、12時間も24時間もかかるようです。

夜間の睡眠の状態や、トイレに行く回数などで、コーヒーの量を加減してみて下さい。
分解に要する時間を考慮して、コーヒーを飲む時間帯は午前中から遅くても午後3時ぐらいをおすすめしています。
睡眠障害と夜間の頻尿を訴えて治療にいらっしゃった患者さんで、カイロプラクティックの施術と、コーヒーの量と時間のコントロールで、日中の尿漏れが治まった方もいらっしゃいます。
分解産物は尿として身体の外に排泄しなければならないので、水を飲むのを止めるのはおすすめできません。

カフェインの許容量は、トータルの摂取量を把握しなければならないのですが、やっかいなことに気付かずカフェインを摂取していることも多いのです。
お茶やコーラ類、ココア、チョコレートなどはご存じのことと思いますが、風邪薬、鎮痛剤、解熱剤、睡眠抑制剤などにもたくさん含まれます。
もちろん子ども用にもカフェインは使われています。
ドリンク剤にも強いカフェインが入っています。
一時的に元気になりますから、疲れた時や眠気覚ましに常飲している方も多いようです。
このようなドリンク剤は、スポーツドリンクとともに子どものクラブ活動や試合に、差し入れとして届くことがあります。
カフェインも運動による疲労物質も肝臓で分解しなければなりません。
筋組織を修復する成長ホルモンは肝臓で活性化されて始めて働きます。
パフォーマンスの安定には、目の前の一時的なパワーアップより、基本的な健康管理のほうが確実です。

三色ふだん草 | 奄美世のごはん(DoctorsSuggestion.com)さて、奄美で鮮やかなのは花々だけではありません。
写真(→)は3色のふだん草。

色合いから想像するにビタミンやミネラルに加えフィトケミカルもたっぷり含まれているでしょう。

 

 

にんにく | 奄美世のごはん(DoctorsSuggestion.com)つやつやの紫色をしたものはフルンガブ(にんにく)です。

この紫色で小ぶりのにんにくは奄美の在来種で、とても良い香がします。
島では塩漬けやしょう油漬け、黒糖漬けにしてよく食べます。

 

 

 

 

梅雨の晴れ間の海も、またひと味ちがった味わいです。
朋子26 | 奄美世のごはん(DoctorsSuggestion.com)

『奄美世のごはん#009』

梅はのんびりと開花しましたが、桜は順調に咲いてくれるでしょうか?

奄美の桜は2月に咲きます。
花びらが大きく開かない桜なので、ソメイヨシノのような豪華さはありませんが、緋色の花が山間にぽつぽつと咲いて、早い春を知らせてくれます。
亜熱帯の土地に合った桜なのでしょう。

奄美の土壌はカルシウムを始めミネラルを多く含むそうです。
サンゴ礁が隆起してできた島であることと、毎年やってくるできたての台風が、海の水を空から撒いてくれることも手伝っているそうです。
おかげで、島の在来種の野菜、野草には、カルシウムやミネラルの含有率がとびぬけて高いものがあります。
土地が奄美世の人々の長寿と健康を支えてくれていたのですね。

さて、カルシウムの摂取には、まず乳製品が頭に浮かぶことが多いでしょう。
牛乳、乳製品の摂取には賛否両論ありますが、さまざまな理由から私はお勧めしておりません。

古くから伝わる日本の伝統食には、カルシウムを豊富に含む食材がたくさん使われます。
DoctorsSuggestion.com 奄美世のごはん#009-1 切干し大根なかでも、値段も手ごろで一年中どこでも手に入るのが切干し大根。
栄養価が高い食材とは思えない見た目ですが、栄養素がぎゅぎゅっと濃縮されているんです。

切干し大根には、ふだん不足しがちなカルシウムだけではなく、過剰なナトリウムを排出してくれるカリウムや、貧血を防ぐ鉄分などのミネラル、そして細胞内で脂肪や糖質を燃やしエネルギー産生を促すビタミンB1、B2、B3、パントテン酸など主なビタミンB群も豊富です。
特に食の西洋化にともなって、摂取量が減少しているといわれる不溶性の食物繊維が多く含まれます。
水溶性の食物繊維とともに有害物質を排泄してくれたり、腸内の細菌のバランスを整えて、腸内の環境を良好に保ちます。

不溶性の食物繊維が豊富だと、必然的に噛む回数が増えますから、消化器の働きを活発にしたり、胃酸の分泌を促してくれます。
噛む回数の減少や老化にともなって胃酸の分泌が減少すると、消化不良や胸やけの原因にもなります。
また、胃酸は鉄分などのミネラルの吸収にも必要ですから、切干し大根を常備して、噛む習慣を繰り返すことは、全身の栄養状態の向上につながります。
ゆっくり噛んで食べることで副交感神経が刺激され、緊張しっぱなしの状態がリラックスモードに切り替わります。

関東では、千切りにして干したものをよく見かけますが、奄美(徳之島)でよく食べる切干し大根は、短冊に切って真中に切り目を入れたものです。
ズボンのような形です。
そのズボンの股のところをひもに引っかけて干します。
子どものころ、物置の壁にひもがたくさん張ってあって、大根がずらっと干してありました。
ええ、もちろん、端っこには洗濯物もです。

切し大根は水でもどします。
昆布でだしをとりますが、その昆布もそのまましょう油味で切干しと炊き合わせます。
DoctorsSuggestion.com 奄美世のごはん#009-2 1cmに切った昆布すぐ使えるように1cmほどにハサミで切って、容器に入れておくと便利です。
昆布はカルシウムとのバランスが重要なマグネシウムを豊富に含みます。
フコダインなどの水溶性の食物繊維も摂ることができます。
おすすめの組み合わせです。
そこに人参のカロチンを足して、油揚げの大豆たんぱくを加えたら、なかなかの栄養バランス。

3月半ばから4月にかけては、進級、進学、就職、引っ越しなどなど、落ち着かない日が続きます。
イライラしたり、不安で眠れなかったり、くたびれたり、そんな時にはたっぷりのだし汁で、のんびり、ゆっくり、切干しを炊いてみてください。
カルシウムや食物繊維、ビタミンB群がイライラを鎮め、疲れをいやしてくれますよ。

 DoctorsSuggestion.com 奄美世のごはん#009-3

『奄美世のごはん#006』

今月の22日は冬至です。一年のうち昼が最も短く、夜が最も長い日です。
この日は太陽が最も低く昇ります。

日本では、かぼちゃを食べて、ゆず湯に入ります。
かぼちゃと小豆を一緒に炊いた“いとこ煮”も、この時期の定番ですね。
かぼちゃのカロチンと、小豆の加熱に強いビタミンCは、風邪予防にはもってこいです。
小豆の良質なたんぱく質は、ウイルスを押さえ込む抗体の産生につながります。

奄美世のごはん#006-1かぼちゃにはビタミンEもたっぷり。
ビタミンEは血液と血管のビタミン、老化防止のビタミンです。
冷えて縮こまって流れが悪くなった血管を整備して、血流を促してくれます。
不足しがちな亜鉛も、かぼちゃと小豆に入っています。
亜鉛はDNAの分裂と再生に欠くことのできないミネラルです。
成長や修復に大事な栄養素です。

いとこ煮の組み合わせの素晴らしいところは、ビタミンEとビタミンCを一緒に摂ることができること。
ビタミンCは酸化したビタミンEを還元してくれますから、ビタミンEは再び働くことができます。

“昔の人は知っていた”長く受け継がれてきた伝統食は、本当に素晴らしいものなのです。

 

でも、かぼちゃの旬って夏なんですよ。
かぼちゃは夏の太陽をたっぷり浴びて育っているので、冷えきった身体をお腹の中から温めてくれるんです。

奄美世のごはん#006-2夏の太陽をたっぷり浴びた奄美の海も、夏の太陽のぬくもりを蓄えていますから、意外に水温は高いんです。

常夏の冬の海(?)はひと味ちがった優しい色になります。
わざわざ冬場をねらって、ダイビングやサーフィンに訪れる方もいるそうです。

 

 

 

 

 

血中にブドウ糖がたくさんあると、せっかくのビタミンCが細胞内に入りにくくなりますから、かぼちゃを炊くときは糖分を入れないでください。
もの足りないなら、塩かしょう油を少し足します。
我が家では蒸し煮にします。
厚手の鍋に1センチぐらいの水をはり、一口大に切ったかぼちゃを皮を下にして入れ、蒸します。
水が蒸発して無くなるころに、かぼちゃが蒸し上がります。
ときどき焦がしてしまいますが、ちょっと焦げたところがまた美味しい。
かたい場合は、お湯を足してもう少し蒸しましょう。

中が見えるようにガラスの容器に入れておくと、子どもが発見しておやつに食べてくれます。
子ども達はかぼちゃの甘味で充分に満足します。
小豆ご飯のおむすびやみかんで、ビタミンCも追加しましょう。
お菓子のいらないおやつです。

奄美世のごはん#006-3台所で、ビタミンCたっぷりの大根葉を水栽培しています。
葉付き大根の育った葉っぱを取りはずして、芯の若い葉を水に差します。
育ってきたら刻んで、汁の浮き実や、雑炊の青みに

大根の浅漬けに混ぜ込んでもきれいです。
昆布と塩味で炊きあげたご飯に混ぜたら、青菜ご飯のできあがり。

 

 

 

 

暮れに向けて、食べ過ぎ、飲み過ぎ、寝不足で、疲れがたまっている時は、小豆のお粥や大根葉の雑炊を、ゆっくり、よく噛んで、食べてください。
お腹を少し休めましょう。
お米は精製度の低いものを使うこと。
消化剤を飲んで、一時的に消化を助けてスッキリしても、くたびれた胃腸の調子が回復するわけではありません。

 

ではまた来年
みなさま、良いお年をお迎えください。

『奄美世のごはん#005』

立冬を迎え、奄美の海も優しい色に変わりました。
夏の暑さが過ぎ、ホッとひと息つきたいところですが、気を抜き過ぎると風邪やインフルエンザがやってきます。

ビタミンCは、風邪やインフルエンザのウイルスを不活性化して、さらにインターフェロンの産生を促し、間接的にもウイルスを抑える働きをします。

国民栄養調査では、日本人のビタミンC摂取は果物から約30%、野菜や芋類から約70%。
ですが、私たち日本人は昔ほど野菜や果物を食べていません。
奄美世のご飯#005-1ですから食物繊維と同様にビタミンCの総摂取量はとても低く、多くの方が慢性的な不足状態です。

「リンゴをかじると歯茎から血がでませんか?」というセリフ。
健生の荒井さんは、お若いから知らないかな?
もちろん口腔内の出血にはいろんな原因疾患がありますが、リンゴをかじって歯茎から血が出る時は、ビタミンCが不足している目安にもなります。
壊血病の一歩手前とでも言ったらいいのでしょうか、細胞と細胞をつなぐコラーゲンの生成に不可欠なビタミンCが足りないと、組織がもろくなってしまい、血管から血液がにじみ出てきてしまうのです。
ぶつけた記憶はないのに、あちらこちらに青タンができるという方も、リンゴをかじってみてください。
ウイルスに対する抵抗性も低下しますから、一年中、風邪を引いているような方も、ぜひリンゴをかじってみてください。
またビタミンCは筋肉のカルニチンという成分の生成に関与しますから、カルニチン生成が低下したときにみられる疲労感なども、ビタミンC不足の目安の一つです。

 

女性ならお化粧ののり具合、でしょ?
肌のハリを保つコラーゲンは毎日減少するので、毎日補充しなければなりません。
その時にビタミンCが必要なんです。
ビタミンCが不足していると充分な量のコラーゲンの生成ができません。
コラーゲンを摂取すればいいと思うかもしれませんが、コラーゲンはアミノ酸がつながったたんぱく質の仲間ですから、残念ながら腸から吸収されるときに分解されてしまいます。
生成を促すビタミンCを摂るほうが得策です。

その他にもビタミンCは、私たちの身体のなかでいろんな働きをしてくれていますから、その不足はいろんなところに影響します。

奄美世のごはん#005-2 「大根の葉」素晴らしい自然は、この時期にぴったりの、ビタミンCを含んだ冷えにくい食材を用意してくれています。
たとえば野菜やお芋だと、かぶの葉、大根の葉、ほうれん草、れんこん、あさつき、わけぎ、キャベツ、かぼちゃ、さつまいも、里いも、などなど。
果物は、ゆず、かき、きんかん、うんしゅうみかん。

基本は食品からの摂取です。
ビタミンCは熱に弱いので、調理による損失はあるのですが、サラダより煮物にしたほうが野菜をたっぷり食べることができます。
食物繊維や他の栄養素も豊富に摂ることができます。
お芋のビタミンCは加熱に強いので、ふかし芋、煮物、芋ごはん、素揚げなどなどに。
奄美世は主食にお芋類をたくさん食べていました。
根菜の葉はビタミンCがたっぷり。
半日干して細かくきざみ、みそ和えにしたり、おじゃこと一緒に炒めます。
おむすびの具に重宝します。

奄美世のごはん#005-3 おにぎり

 

 

1日のビタミンCの所要量は100mgとされていますが、これは最低限、必要な量で、健康を維持するのに充分な量とは考えにくく、個人差は考慮されていませんし、科学的根拠もあやふやです。
同じ人でも、寝不足、運動した時、疲れている時、病気の時、便秘の時、女性は排卵の時にも必要量が増加しますから、体調に合わせて増やす必要があります。

食べ物からの摂取で足りない場合は、サプリメントで補います。
1日の量を3回に分けて食後に摂りましょう。
腸からの吸収能力を越えると、便がゆるくなりますから、摂取量の目安にしてください。またビタミンCは、血中にブドウ糖がたくさんあると細胞の中に入りにくくなりますから、糖類が入っているものや、甘くしたドリンクタイプなどはおすすめできかねます。

 

2学期は学校の行事が多く楽しいのですが、ちょっとくたびれモードなので、いつもより玄米の割り合いを減らして炊いています。
黒米を入れて、食べる量を調節しやすいようにこぶりにむすびました。

下の娘はランドセルを放り出して、おむすび3つとチョコクッキー1枚と麦茶を堪能したら、しばしお昼寝。

『奄美世のごはん#004』

新米の季節です。
玄米や胚芽米、分搗き米を始めるのに、ちょうど良い季節です。
採れたてのお米はやわらかく食べやすく、長く吸水させなくても大丈夫です。
精製度の低い穀類を主食にすると、ビタミンやミネラルだけでなく、食物繊維もしっかりと摂ることができます。

日本では、動物性の食品であるお肉や肉の加工品の摂取が増えた反面、野菜や植物性の食品の摂取が減ったため、食全体にしめる食物繊維の割り合いがとても少なくなっています。
食物繊維は、人が身体の中で消化できない成分ですので、ひと昔前は栄養素を含まない、食べ物の残りカスと考えられていました。
5大栄養素のうちの炭水化物の一部として分類されていましたが、食物繊維の様々な働きがわかってきて、たんぱく質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルに続く、6つめの栄養素となりました。

奄美の海(奄美世のごはん#004-1)奄美世の奄美の島々では、主食に芋類を多く食べていたそうです。
海で採れるあおさやもずくなどの海藻、日本海を下ってくるこんぶなどもよく食卓に上ります。
海草類や芋類からたくさんの食物繊維を摂っていたことが、島の人々の健康と長寿に一役かっていたのかもしれません。

食物繊維が腸管の蠕動運動を活発にして、排泄を促すことはご存じのとおり。
これはとても大切なことです。
腸管からの排泄ができない状態は、たとえば住まいの下水管が詰まっている状態と同じです。
下水管に詰まった廃棄物からひどい悪臭や、汚水の逆流などが起こります。雑菌も繁殖するでしょう。
身体の中でも同じように、停滞した廃棄物が腐敗したり、腸内細菌のバランスが崩壊します。
身体は老廃物を廃棄しようと、休むことなく働き続け、疲れ果ててしまいます。
腸壁は接触している廃棄物を吸収することもあり、それは血流にのって全身に循環してしまいますから、身体は呼吸や皮膚など他の組織を通して排泄しようと試みます。
疲弊や故障は全身に広がってしまいます。

お米の消費が減ったこと、お米を精製して食べるようになったことも、食物繊維が不足する原因のひとつです。
急速な増加傾向にある大腸のがんと食物繊維の不足は、相関関係が確認されています。
主食の精製度を少し抑えるだけで、食物繊維の摂取を増やすことができるのです。
食物繊維が腸からの排泄をスムーズにしてくれると、トイレで力む必要もなくなりますから、大腸の憩室や静脈瘤、痔の改善と予防にもつながります。

また、大腸のがんは、動物性の脂肪の摂取と関連があるとするデータもたくさん発表されています。
伝統的な食事では、動物性の食品は食物繊維が豊富な食材と一緒に料理します。
お肉の入った煮物には、だいこん、にんじん、ごぼう、こんにゃく、さといも、しいたけ、こんぶなどが入ります。
鍋料理には、季節の新鮮な野菜がたくさん使われます。
豊富な食物繊維が動物性の食品のデメリットを抑えてくれます。

伝統食の組み合わせに外せない一品、みそ汁やお吸い物の具にも、根菜類、きのこ類、海藻類と、やはり食物繊維が豊富な食材が使われます。
みそは発酵によってビタミンが増えたり、その他の栄養素が消化しやすくなっていたりと、とてもありがたい調味料です。
このみそと、こんぶやかつお節、煮干しのだしでみそ汁を作ります。
アミノ酸のバランスも整います。
食べ盛りの子どもたちには、汁の実にお豆腐や厚揚げを。お漬け物も食物繊維がたくさんです。
シンプル、でも満たされるごはんです。

ある日の夕ご飯(奄美世のごはん#004-2)この写真はある日の夕ごはん。
玄米と胚芽米のご飯、青菜とじゃこのみそ和え、豆腐とにんじんとあおさのみそ汁、なすのぬか漬け。

 

 

 

 

でも、あまり禁欲的にならないように。
本来、食べるということは楽しいものです。
食べものがあるということは、幸せなことです。

心の状態は、食べものの消化・吸収に影響します。
吸収した後の作用にも影響します。
食べものの生命に感謝して、楽しく食べるのが一番。

心の栄養も大切に。

『奄美世のごはん#003』

精製度の低いご飯に慣れてくると、食べた後の満足感に気づくはずです。
身体が満足しているんですね。玄米や分搗き米などは、カロリーだけではなく、栄養素が一緒になって入ってくるので、身体はそれ以上の食べ物の摂取を望みません。

ちなみに玄米100g(約3/4合)には、ビタミンB1:0.4mg ビタミンB2:0.1mg ビタミンB3:5mg ビタミンB6:1,03mg 鉄:1.0mg カルシウム:9mg 食物繊維:1,0g たんぱく質:7.5gなどなどが含まれています。

ですから、精製して栄養価を削ぎ落とした穀類でカロリーだけを満たしても、栄養素の不足があると、たくさん食べたはずなのになんだか食べたりない。食べたばかりなのにまた、すぐ、食べたくなる。なんて事になってしまうわけです。

 

どうしても主食を変えられない場合は、サプリメントを上手に使うという方法もあります。
ただ、単に「身体にいいらしい」という理由だけで飲むのではなく、「何のために、何を摂るのか」がとても大切になります。

精製して栄養価を取り除いてしまった穀類や糖分を摂取して、その燃焼を促すための補酵素を補うのなら、ビタミンB群のサプリメントを選びます。
食べ物と同じように、サプリメントも必ず、原材料を確認して、不必要な添加物や着色料、香料などが入っていないか確認します。
必要な栄養素を摂取するためとはいえ、不必要な添加物を摂ることは避けるべきです。
また、ビタミンBは個別にではなく、B群が一緒に働くことで相乗効果をもたらしますから、コンプレックスタイプがおすすめです。

注意してほしいのは、ビタミンB群を飲めば燃料を燃やしてやせるのではないか、という勘違い。
身体は必要なエネルギーを作ります。
必要がなければ、ビタミンBが在っても燃料は燃やさず、蓄えておきます。
つまり、やっぱり、必要以上に食べたり飲んだりしたものは大事に保管されてしまうのです。

また、ビタミンB群のうちB2は色素を持つビタミンですので、尿の色が少し濃いめの黄色になる事があります。
ここでも勘違いが起こりやすいのですが、決してオシッコとして捨ててしまっているわけではありません。
ビタミンBは水溶性ですから、身体の中で働いた後、尿中に排泄されるのです。
無駄になっているわけではありません。
B群をおすすめする時には、一言お伝えください。

 

 

さて、玄米だからといって、身体に必要な栄養素が全て含まれているわけではありません。
ですが、伝統的な和食の組み合わせは、その栄養素を補うのに理想的な組み合わせになっています。

例えば、豆類や豆製品との組み合わせは、お互いに不足しがちな必須アミノ酸を補い合います。
リジン、メチオニン、トリプトファンなどです。
未精製の穀類と豆類を2:1の割り合いで組み合わせると、必須アミノ酸をバランス良く摂取することができるので、玄米菜食でも充分にたんぱく質が摂取できますから、飽和脂肪酸や脂溶性の環境ホルモン、抗生物質などのデメリットが伴う、動物性のたんぱく質の摂取を控えることができます。

豆料理は、手間がかかる、難しい、と敬遠されることが多いのですが、簡単な料理方法から試してみてください。難しい料理は後回しで、まずは続けることです。

我が家では、夏場でも小豆を煮てぜんざいを作ります。我が家では、夏場でも小豆を煮てぜんざいを作ります。
テレビでも観ながら、洗った小豆を土鍋に入れてコトコト煮ます。
やわらかくなったら黒砂糖と塩で味付けをして、冷蔵庫に入れておきます。
冷やしぜんざいです。
もちろん、寒い時期には温めてたべます。
土鍋でコトコト煮ている途中、小豆がまだ少し固いうちに、お玉に1杯ほど小豆を小分けして冷凍しておきます。
この少し固めの小豆を入れて豆ご飯を炊きます。
小豆の量にもよりますが、ちょっと水を多めに、あとはいつも通りに炊くだけです。
そら豆がたくさん手に入った時も、固いうちにとり分けて、同じようにお米に混ぜて炊きます。
そら豆のときは、昆布と塩、しょう油で、味付きご飯にするのがうけています。
ビールのつまみの枝豆が残った時は、翌朝、炊きあがったご飯にざっと混ぜ込みます。

写真の枝豆ご飯は、昆布と塩で薄味にしてあります。写真の枝豆ご飯は、昆布と塩で薄味にしてあります。

 

 

 

 

豆ご飯はおにぎりにして、子どもたちのおやつやお弁当に重宝しています。豆ご飯はおにぎりにして、子どもたちのおやつやお弁当に重宝しています。