栄養と日常生活#042:亜鉛

今回は亜鉛のお話しです。
意外に誤解されている部分(特に男性に)が多いので、他の必須ミネラルに優先してご紹介することにしました。

1食100円「病気にならない」食事 亜鉛は骨、爪、網膜、腎臓、前立腺、脾臓に多く含まれます。
体液としては精液に多く含まれるために、どうしても精力減退と亜鉛を結び付けてしまう傾向があるようです。

体内に含まれる16種類のミネラルの中で、亜鉛は鉄に次いで2番目に多い必須微量元素です。
必須微量元素であり、当然ながら体内で生産することは出来ませんので、全て食べ物から摂取する必要があります。

亜鉛は銅との拮抗作用があるので、銅の摂り過ぎは亜鉛の欠乏に繋がり、反対に亜鉛の大量摂取は、銅や鉄分の不足に繋がります。
亜鉛と銅のバランスは、亜鉛が10に対して、銅が1です。

 

まずは亜鉛の体に対する働きからご紹介します。

亜鉛は体内で製造されるスーパー・オキサイド・ジムスターゼ(SDO)と呼ばれる強力な抗酸化酵素の成分となります。
その他にも100種類以上の酵素の製造に関わっています。
これらの酵素の体内への生理的役割は、免疫機構の補助、創傷治癒、精子形成、味覚感知、幼児の成長など多岐にわたります。
病気にならない女性は「カタカナ食」を食べない 人生が好転し始める「1食100円」の美的メンテナンス48また鉛とカドミウムを取り除く際にも有効に働きます。

男性の体重70㎏の人には、約2~2.5gの亜鉛が含まれると言われています。
日本人の摂取基準量は、男性は1日に8~9mg、女性は6~77mg(上限30mg)です。

亜鉛の過剰な摂取は、前述したように銅や鉄分の欠乏を引き起こし、善玉コレステロールと呼ばれている血中HDL(高比重リポタンパク質)を低下させます。

反対に、欠乏すると、最初に胃腸機能や免疫機能の低下による下痢が見られ、活動力の低下、記憶力や注意力の低下、味覚の障害が見られると報告されています。

 

亜鉛欠乏による細胞分裂によって影響するとして発表されているのは;

  • 味覚障害
  • 口、目、肛門付近の湿疹
  • 水泡や膿を伴う皮膚炎
  • 脱毛
  • 傷の治りが遅い
  • 風邪を引きやすい
  • 食欲不振
  • 自閉症
  • 情緒不安定
  • 前立腺肥大
  • 動脈硬化
  • 性機能の低下
などがあります。
また、亜鉛はインスリンの構成要素でもあり、低血糖症の基本的要因であると言われています。
さらに、肉類を消化するアルカリフォスファターゼ(ALP)の働きも低下するとも言われています。

 

実践・50歳からの少食長寿法 男性にとって心配なのは、性欲減退や性機能低下、また前立腺肥大でしょう。
しかし前述の通り、大量摂取するのは危険です。
そこで簡単な検査方法がありますので、ご紹介しておきます。

まず、亜鉛のサプリメントを摂る時は、口の中で錠剤を噛み砕いてみて下さい。
もし味がしないようでしたら、亜鉛不足が疑われますので摂取して下さい。
しかし「オエッ」と不味い味がしたら、あなたの体内の亜鉛量は充分に満たされています。
吐き出して下さい。

このようにして口の中で噛み砕いて、味がするかどうかで亜鉛不足を検査することが出来ます。
特に50代から増え始め、80歳では男性の80%以上に認められる前立腺肥大症を予防するには、常に亜鉛不足に気を付けたいものです(自分を含めて)。

最後に亜鉛を多く含む食材をご紹介しておきます(カッコ内は100g中の含有量);
  • カキ(7mg)
  • レバー(6mg)
  • 牛肉(4mg)
  • チーズ(3,g)
  • エビ(2mg)
  • 卵(1mg)

奄美世のごはん#030:貧血その4

ミネラルのひとつ亜鉛は、細胞が分裂して増える際の、重要な働きを担っています。

成長や修復、新陳代謝のために、細胞が分裂して増える時、細胞の核の中の遺伝子も分裂して写し取られ、新しい細胞の数だけ増えます。
この時、十分な亜鉛がないと、遺伝子の分裂と再生が正常に行われません。
細胞分裂の速度が遅くなったり、細胞が正常ではない遺伝子を持つことになります。
遺伝子に異常があるとその細胞は自滅してしまいます。
異常な遺伝情報が他へ広がらないように、自己防衛する機能が備わっているからです。

クルミはよく噛んで(奄美世のごはん by 古田朋子)|DoctorsSuggestion.com生殖子(卵子や精子)の分裂の時にも、亜鉛が無くてはなりません。
特に細胞分裂が盛んな男性の生殖器には、高濃度の亜鉛が存在します。
生殖子の分裂の時に、遺伝子の転写が正確に行われなければ、受精の確率は激減し、受精してもその後の分裂に支障がでる可能性が高くなります。

細胞の再生が遅れたり、せっかく誕生した細胞が自滅してしまうと、その組織に必要な細胞が足りなくなります。
ですので、細胞の入れ代わりが速い部分は、亜鉛不足の影響がすぐに表れます。

するめとリース(奄美世のごはん by 古田朋子)|DoctorsSuggestion.comよく知られているのが味を感じる味覚細胞です。
インスタント食品やファストフードに偏った食生活をしていると、亜鉛を含むミネラルの不足から味覚障害が起こって、さらに濃い味付けをしている加工食品の嗜好へと、悪循環に入り込んでしまいます。

毎日伸びる爪や髪の毛の状態も、亜鉛の不足を反映します。
亜鉛はコラーゲンの生成にも必要なので、肌の調子にも影響します。
抜け毛や爪の曲がり、また傷や肌荒れの治りが遅れたりします。

口の中や胃腸の粘膜の上皮細胞も、1週間ほどで入れ代わります。
ブロッコリーのツリー(奄美世のごはん by 古田朋子)|DoctorsSuggestion.com鉛の不足があると、消化器の表面の再生がスムーズに行われず、消化吸収に問題が起こります。
食べたものをしっかり消化吸収できなくなります。
せっかく鉄分の豊富な食事を摂っていても無駄になってしまいます。

また、消化器の潰瘍や炎症がいつまでも修復されないと、長期間にわたって出血が続くかもしれません。
どちらも貧血を悪化させる原因となります。

ミネラルは、とても複雑な関係を持って、私たちの身体を維持しています。
お刺身(奄美世のごはん by 古田朋子)|DoctorsSuggestion.com鉄と亜鉛と銅も、相乗作用と相殺作用を持っています。
亜鉛だけをサプリメントで補充し続けると、銅の吸収が抑えられてしまいます。
銅は鉄とともに赤血球の形成に働くので、鉄の代謝を邪魔して貧血の原因になる可能性があります。
バランスよく摂取することが大切なのです。

細胞の入れ代わりが速い組織は、バランスを整えておくと、治癒のスピードも速いのです。
いつものお弁当箱のバランスです。

 

お酒の席が増えるこの時期、おつまみには、
良質のたんぱく質と、ビタミン・ミネラルと、必須脂肪酸

するめ 赤身の魚 野菜もしっかり
くるみ ごま チアの種

楽しく送り
楽しく迎える

どうぞよい一年を

チアの花|DoctorsSuggestion.com

『奄美世のごはん#016』

暑い夏がやっと過ぎて、朝夕の空気がひんやりしてきました。

陽が傾くのも早くなり、これから少しずつ夜が長くなっていきます。

暑さで低下していた消化器の調子ももどってきて、映画を観ながら、おしゃべりをしながら、ついつい食べ過ぎたり飲み過ぎたり。

気をつけて欲しいのはアルコール。
あまり認識されていないのが、膵臓への負担です。

へごの新芽とせみの抜け殻とコオロギ(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com膵臓は、インスリンを分泌して血糖値をコントロールしたり、また十二指腸に消化酵素を分泌して食べた物を分解します。
血糖値の上昇というと、甘い物と思われがちですが、アルコールは糖質の仲間ですから、砂糖を食べた時のように血糖値を上げてしまいます。
上がってしまった血糖値を下げるために、膵臓はインスリンを分泌しなければなりません。

血糖値の急激な上昇が頻繁に繰り返されると、の分泌と分解のバランスが崩れて、血糖値が下がり過ぎて低血糖を起こすこともあります。
疲れを感じたり、イライラしたり、不安になったり、甘いものやアルコールへの欲求が強くなったりと、さまざまな心身の症状が現れます。

慢性膵炎の原因は、なんと60%がアルコールの飲み過ぎ。
インスリン分泌に影響を及ぼして、糖尿病を併発する場合もあります。

ススキ1(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com膵炎の症状はみぞおちや背中の痛み、下痢や食欲不振。
消化酵素の産生が影響を受け、消化機能の低下が加わると栄養状態が悪化し、さまざまな症状や病気を引き起こします。

膵臓は血管や神経の分布が多い臓器なので、出血や痛みが起こりやすいのですが、痛みなどの症状がないまま膵炎が進行する場合もあるそうです。
毎日3合以上のアルコールを10年以上飲み続けている人は、発症の確率が高いという統計が出ています。

アルコールは、消化機能を低下させ栄養状態を悪化させるだけではなく、肝臓で分解されるときに身体に必須な栄養素を大量に消費します。
とくに不足が起こる栄養素が、ビタミンB群、ビタミンC、そして亜鉛です。

亜鉛は、身体のなかで多くの酵素を活性化させる働きを担っています。
DNAの分裂には欠くことのできないミネラルです。

ススキ2(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com影響はまず細胞の入れ代わりが早い組織に表れます。
味蕾は舌にある味覚を感じる感覚受容器で、亜鉛不足を早い時期に反映するので、味覚異常が亜鉛不足の指標にもなります。
亜鉛が不足すると細胞分裂が正常に進まないので、傷の治りが遅くなります。
またビタミンAの働きを助ける酵素の活性が低下するため、暗い所でものが見えにくくなることもあります。
前立腺の肥大も亜鉛不足が一因となります。

寒さでうまみを増す牡蠣は、亜鉛の摂取に最適です。
ただ、揚げ物にしてしまうと、膵臓に負担をかけてしまいますから、鍋ものや、炊き込みごはん、焼く、蒸すなど、調理方法を選びましょう。

他に亜鉛を多く含む食品は、精製度の低い穀物と豆類です。
このおなじみの伝統的な組み合わせは、アルコールの分解で大量に消費するビタミンB群も豊富に含みます。
みそ汁に入れる旬の野菜や芋類で、安定したビタミンCを補給することができます。
ごはんにかけるゴマには、亜鉛や他のミネラルも含まれています。

クロアゲハ(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.comベランダの鉢植えのみかんの木に、毎年アゲハが卵を生みつけにやってきます。
ところが、今年巣立ったアゲハは春先にたった1匹だけ。
放射能の影響だろうかとか、近所でネオニコチノイド系の殺虫剤でも撒かれたのだろうかとか、でも今、私には来年の春を待つことしかできない。
人間の力とはこんなものなのだろうかとか、考えるしかできない。

 

友人に、「切株にできた小さな森」の写真をもらいました。

切り株の森(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com

自然はすごい、確実に生命をつないでいる。