奄美世のごはん#053:基本の11(油その3)

師走です。
松迎えの日もすっかり忘れて走り回っているうちに、あちらこちらから鈴の音が聞こえ始めました。

前回までの脂質のはなしを少しだけおさらいしましょう。

*必ず食べものから摂り入れなければならない必須脂肪酸は、α-リノレン酸とリノール酸。

*炭素の二重結合が無い脂肪酸が飽和脂肪酸、有るのが不飽和脂肪酸。

*飽和脂肪酸の摂取量とインスリン抵抗性(インスリンの働きを抑える状態)は正の関連をもつ。

 

天使1今回は、不飽和脂肪酸をさらに細かく分類していきます。

不飽和脂肪酸は分子構造に炭素の二重結合を持ちます。
この二重結合が1ヶ所だけの脂肪酸を一価不飽和脂肪酸といいます。
二重結合が2つ以上ある脂肪酸を多価不飽和脂肪酸といいます。

炭素の二重結合は、柔軟性に富む代わりに不安定になっているので、とても酸化しやすい部位です。
ですから、複数の炭素の二重結合を持つ脂肪酸を多く含む油は、酸化しやすい油というわけです。

必須脂肪酸のα-リノレン酸とリノール酸は、この不飽和脂肪酸の仲間で、多価不飽和脂肪酸に分類されます。
多価不飽和脂肪酸は複数の炭素の二重結合を持ちますから、どちらも酸化しやすい脂肪酸です。

多価不飽和脂肪酸をさらに二重結合の位置で分類したものが、オメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸です。
必須脂肪酸はそれぞれ、α-リノレン酸がオメガ3系脂肪酸に、リノール酸がオメガ6系脂肪酸に含まれます。

天使2オメガ6系の脂肪酸は、一般に過剰に摂取されている傾向があります(奄美世のごはん#051:基本の9(油))。

反対にオメガ3系脂肪酸のα-リノレン酸やDHA・EPAは、摂取量は多くありません。
この脂肪酸は欠乏すると皮膚炎などを発症するので、含有量の多い食品を気をつけて摂取することが大事です。

オメガ3系脂肪酸を多く含む油には、亜麻仁油、えごま油、しそ油などがあります。これらの抽出した油はとても酸化しやすいので、カロチン(ビタミンA)やビタミンEなど、抗酸化作用をもつ油溶性のビタミンを含む食べものや、サプリメントを一緒に摂るようにしましょう。また、加熱調理による酸化はなるべく避けたいものです。

植物性の食品では、小松菜、ほうれん草、大根の葉、春菊などの葉野菜や、チアの種などにオメガ3系の脂肪酸が豊天使3富に含まれています。

動物性の脂肪にも微量ですが含まれています。
動物の身体に含まれるα-リノレン酸は、植物の葉に由来します。
牧草で育てられた牛や羊の肉は、穀物飼料で育てられた家畜の肉に比べると、リノール酸に対するα-リノレン酸の含有量が多い傾向にあるのです。

また、オメガ3系脂肪酸の仲間で、広義に必須脂肪酸とされるDHAやEPAは、魚介類に多く含まれます。
鯵や鰯、秋刀魚、鯖、鰤は豊富なDHA・EPAに加えてα-リノレン酸も含みます。

DHAは、お腹の中の赤ちゃんや乳幼児の脳・神経の成長と成熟にとても重要な栄養素です。
とくに妊娠中や授乳中は、気をつけて摂取して欲しいのですが、魚介類が主な摂取源となりますから、海中の汚染物質の蓄積が心配です。
種類の偏りがないよう、旬の魚介を選び、DHA・EPAを摂るようにこころがけてください。

 

ご馳走の季節がやってきます。

はれの日に食べるもの
からだが喜ぶ食べもの
こころが喜ぶ食べもの
みんなが喜ぶ食べもの

クリスマス飾り

奄美世のごはん#051:基本の9(油)

秋晴れの空 星月夜

脂肪酸のうち、必ず体外から摂り入れなければならない必須脂肪酸は、リノール酸とα-リノレン酸の2種類。
体内で生合成できないけれど、生きるために絶対に必要な脂肪酸です。

植物油台所の油脂類の表示を確認してみましたか?
必須脂肪酸の名はありましたか?

含有量はどうでしたか?
α-リノレン酸は?
リノール酸は?

表示が無かった、他の脂肪酸の名前を見つけた、という方も多いのではないでしょうか。



シュリンプチップス一般的に料理に使用する植物油の多くは、リノール酸を豊富に含みます。
コーン油、大豆油、ごま油、ひまわり油、綿実油などがそうで、どこの家庭でも常備している油ですよね。
フライパンを使用する料理、揚げものや炒めものには欠かすことができません。
ポテトチップやポップコーンなどのスナック菓子、洋菓子、菓子パン、などにもリノール酸を含む植物油が使われています。

つまりリノール酸は、よほど偏った食事をしない限り、不足する心配はないと考えられます。
どちらかというと、過剰摂取のほうが心配です。



チョコケーキリノール酸は体内で、炎症を引き起こすプロスタグランジンやロイコトリエンという物質を生成します。
プロスタグランジンもロイコトリエンも、どちらも身体に必要な物質です。
しかし、過剰に生成されると、炎症性の疾患やその症状悪化を促すと考えられています。

プロスタグランジンはいくつか種類があって、痛みに対する感受性を高めたり、子宮の筋の収縮を促す作用をもつものがあって、痙攣性の生理痛を引き起こすとも考えられています。

また、体内でリノール酸からγ-リノレン酸を合成するときに働く酵素は、α-リノレン酸からEPAやDHAを合成するときにも働くので、リノール酸を多量に摂取していると、EPAやDHAの体内での合成が抑制される可能性があります。
EPAやDHAを充分に摂取していたら影響は少ないのですが、そうでない場合は、EPAやDHAの不足を来してしまいます。



チョコメロンパン厚生労働省は、リノール酸と、リノール酸から体内で生合成されるγ-リノレン酸やアラキドン酸を含めて、一日の摂取量の上限を定めています。
上限は一日の総摂取エネルギーの10%、約22~30gです。

液体の油は、大さじ1杯がだいたい14グラムですから、チャーハン一皿で一日分のリノール酸をぺろりと平らげてしまいそうですね。

今日はどのくらいの量のリノール酸を摂りましたか?
昨日はどうでしたか?

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食欲の秋?

読書の秋?

必要なものを 必要なだけ

 

うろこ雲満月

月明かり