栄養と日常生活#034(仲井DC)

前回、ビタミンCをご紹介しました。

その後で今までに読んだ「ビタミンC」に関する本を全て読み直してみました。

私の生涯のテーマに「己の無知を知る」がありますが、今回も自分の無知に驚いてしまいました。

ビタミンCに関する本を読み直してみると、大切な情報が溢れており、それを見落としていたのです。

やはりこのような本は、1回だけサァッと読むのではなく、しっかり正しく情報を頭の中に叩き込まないといけないと反省したのでした。

特に、ビタミンCの大量摂取に関する情報は見逃していた部分が多く、医療に携わる身として、深く反省したのでした。

以前、知り合いの外科医の先生に「ガンになる理由は沢山ある。ビタミンCが不足している人は、ビタミンCを摂取すれば治るかも知れないし、ビタミンBが足りない人は、ビタミンBを補充すれば治るかもね」と言われたのが脳裏に残り、人間は一般的にビタミンC不足だから、それで、大量摂取で治る人がいるのだろうと勘違いしていました。

ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効くしかしそれは全くの誤解であったことが分かったのです。
全く何を読んでいたのだろう、と自分に呆れ返ったのでした。

ビタミンCは抗酸化剤として働くことは皆さんもご承知の通りですが、大量摂取(静脈注射などで)すると、過酸化水素という活性酸素になります。
しかし活性酸素となったビタミンCは正常な細胞を一切攻撃することなく、ガン細胞だけを攻撃するのです。
これはシャーレで培養したガン細胞と、正常細胞に短時間だけビタミンCをかけ、その後に洗浄して、どれだけガン細胞が死滅するかを調査した研究で、殆どのガン細胞だけが死滅したのです。

この研究は2005年にNIH (米国立衛生研究所)所属のマーク・レビン博士が中心となり、NCI(米国立がん研究所)やFDA(米穀食品医薬品局)のメンバーが参加した研究です。
言い方を変えれば、国がかりの研究発表と言えます。
つまり米国は、ビタミンCを抗癌剤の1つとして受け入れたのです。

ビタミンCはガンに効く ビタミンC大量点滴療法のすべてではどうしてビタミンCがガン細胞だけを殺すのでしょう。
それは前述したように大量摂取されたビタミンCは体内で過酸化水素という毒物を発生させます。
そして、この毒物がガン細胞だけを選択的に殺すのです。

血液内に存在している時点のビタミンCは、たとえ過酸化水素に変化しても、赤血球細胞内に含まれるカタラーゼという酵素によって還元(酸化の反対で安全な状態)されてしまうのです。
また正常な細胞にもカタラーゼが含まれていることが判明しています。
つまり正常な細胞は、ビタミンCが変化した過酸化水素という活性酸素を還元するので、攻撃されないのです。
そしてガン細胞にはカタラーゼが含まれないので、過酸化水素の攻撃を受けてしまうのです。

しかし注意事項が幾つかあります。日本人には希ですが、G6PD(Glucose-6-Phophase-Degydrogenase)異常症という先天的な異常を持つ人は対応できません。
この人達は大量のビタミンCを摂取すると、溶血性貧血になる恐れがあるそうです。
発病すると、尿の色が茶色になるのが目安になるようです。
もし大量のビタミンCを摂取すると、尿の色が茶色になるようでしたら、摂取するのを中断して下さい。

新ビタミンCと健康―21世紀のヘルスケアただ、40g以上の摂取でなければ分からないのと、日本では山口県の調査で、人口の0.1~0.5%なのだそうです。
血液検査で分かりますので、異常を感じた人は、直ちに検査を受けて下さい。

またガンに対して大量のビタミンC摂取の効果が現れるのは、開始してから25~30回後だそうです。
10回程度で変化を認める場合もあるそうですが、希のようです。
根気よく継続することが大切なようです。

また大量のビタミンCの投与を受けると、脱水状態になるそうです。
これは前回もご紹介したことですが、希に頭がフラフラしたり、ボ-ッとなることもあり、中には嘔吐してしまうこともあるようです。
ですから大量投与の前に十分な水分を摂取しておく必要があるようです。

点滴の第1回目は12.5gから始め、2回目が25g、3回目は50gと徐々に量を増やして行くようです。
そして血清ビタミンC濃度を計りながら行います。
血清濃度が350~400mg以上を維持するように、その人に合わせた量を調整しながら行うようです。
ですから必ず大量ビタミンC摂取療法に長けた先生を探すべきです。

 



 

ポーリングの生涯―化学結合・平和運動・ビタミンC今回は最後に、前回ご紹介したポーリング博士と共に、ビタミンCの共同研究を行ったキャメロン博士が1996年に出した著書から抜粋した文章をご紹介します;

 

細胞と細胞が離れないのは、ヒアルロン酸やコラーゲンといったセメント質によって両者が接着し、固定されているからである。

ガン細胞が増殖し領地を拡大するには、このセメント質を破壊しなければならない。

その役目を担うのがヒアルロニダーゼという、ヒアルロン酸を壊す酵素である。

ガン細胞は、この酵素を盛んにつくることによってセメント質を破壊し、組織に侵入し、増殖するのである。

したがって、セメント質を強固にする方法があれば生体の防御機構が高まり、ガン細胞は増殖できなくなるはずである。

それがビタミンCということです。

次回もビタミンCの話しが続きます。