栄養と日常生活#024(仲井DC)

今回で24回目になりますので、丸2年のおつき合いになります。

2年もの長い間、おつき合いして頂いて本当に感謝の気持で一杯です。

ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。

そしてやっと今回からビタミンのお話しになります。

 

 

ビタミンとは一体何なのでしょう。

24-1ビタミンは体に必要となる有機化合物で、体内では合成することが出来ない物質です。
ミネラルは体に必要な体内で合成できない無機化合物と説明されます。

もちろん幾つかのビタミンは体内で作られますが、それは腸に含まれるバクテリアが作っているのが殆どですから、正確には体が作っているとは言えません。
「ビフィズス菌などの善玉筋を沢山摂ろうね」というのは、彼ら(善玉菌)が体の中でビタミンKや幾つかのビタミンB群を作ってくれるからです。
またビタミンDも体内で作られますが、これも皮膚が紫外線を浴びないと作れないので、正確には全てを体の中で独自に作っているとは言えません。
乱暴な言い方をすると、紫外線さえ浴びていれば、ビタミンDを摂取する必要はないとも言えますが、皮膚に含まれるコレステロールとの複雑な関係もありますので、一言で紫外線さえ浴びていれば、ビタミンDを摂取する必要はないとは言い切れないのです。

別の表現をしてみましょう。
体の中では、酵素と呼ばれる大切な物質が作られています。
酵素は消化を含めて、体内の物質を化学的に合成したり、合成を助けてスピードを速める物質です。
体内に摂取された3大栄養素(炭水化物、脂肪、タンパク質)は酵素がないと消化/吸収できません。
酵素は重要な部分(酵素の前駆体となるアポ酵素)までは、肝臓などで作ることは出来るのですが、体外から摂取したビタミンがないと完成した酵素には成りません。
ビタミンは体内に入ると加工され、補酵素となります。
そしてアポ酵素と結合して、初めて“酵素”活性が起こり、3大栄養素を消化/吸収することが可能になります。

 

24-2分かりやすい例がありますのでご紹介します。

皆さんご存知の糖尿病を思い浮かべて下さい。
糖尿病は膵臓でインスリンが作れなくなり、摂取した糖分が吸収できなくなって、血糖値が異常に高くなってしまい、白内障や末端壊死、腎不全などを引き起こす恐ろしい疾患です。
しかし、そのインスリンを製造している膵臓は、もう一つ大きな仕事をしています。
実は3大栄養素を消化する時に必要な“消化酵素”を作っているのです。
ですから膵臓が衰弱してしまうと、3大栄養素を消化するときに必要となる酵素が作ることができなくなってしまうのです。
つまりどれだけ栄養を摂っても消化できなくなります。

多くの人は「アーそれでかあ」と頷くと思います。
多くの糖尿病(特にII型)の人を観察してみると、最初は太っていたのに、糖尿病になったら段々痩せてしまう人を見た経験があると思います。
そうなのです。
多くの糖尿病の人は膵臓が衰弱して、栄養素を消化する酵素が作れないため、どれだけ食べても消化/吸収できない状態に陥ってしまうのです。

時々「俺はどれだけ食べても太らない」と豪語する人や、「少しでも食べると太ってしまうの」と嘆く人に会いますが、自分にしたら、後者の方が健康だと思います。
食べた栄養分が、きちんと消化/吸収されているのですから、膵臓がしっかりと消化酵素を分泌していることになります。
反体にどれだけ食べても太ることができない人は、膵臓の機能が落ちている可能性がありますから、一概には言えませんが、どちらかといったら不健康だと言えるかも知れません(もちろん消化/吸収された栄養素をどんどんエネルギーに変換してエネルギッシュに動き回っている人は例外です)。

 

ビタミンの話しに戻ります。

ビタミンは大きくA、B群、C、D、Eに分類されます(Fもありますが、少々複雑なので後で説明します)。
よく尿の色が黄色になると、ビタミンCの摂り過ぎだと思う人がいますが、ビタミンCは黄色ではありません。
色のついたビタミンは黄色のビタミンB2と、僅かに赤色になるB12だけで、他は殆ど無色です。

24-3尿の色の話しを少しだけ加えておきます。
健康な尿は僅かに黄色がかった色だと言われています。

ほとんど無色の場合は、糖尿病や多尿、尿崩症が疑われ、赤色だと血尿(鮮明な血に近い赤は尿路に近い部分で、濃い土色に近い場合は、腎臓などもっと深い部分)や溶血性貧血や薬物の影響が疑われます。
中には細菌感染による緑色や、投薬(エパンスブルーやメチレンブルーなど)による青色などもありますからご注意下さい。

 

 

またよくビタミン剤には「所要量」という説明があります。
所要量とは、”最少必要量”プラス”安全量”のことで、欠乏症にならないための最低限の目安です。
また「薬用量」と提示されていることもありますが、薬用量とは病気や予防や治療のための量です。
「保険量」と提示されることもありますが、これは「所要量」と「薬用量」の間の量で、良い健康状態を保つ為の量のことです。
私たちは「所要量」の2~3倍を目安にしたら良いと思います。

またビタミンを体内で貯蔵できる量や有効に利用できる量を「飽和量」と呼びますが、これは個人で異なるので、余り目安にはなりません。
ちなみに飽和量を超えて水溶性のビタミンが体外に排泄される現象は洪水現象と呼んでいます。

ビタミンが発見されてから、まだ100年余りしか歴史がありません。
つまり分かっていない部分が多々あるのが現状です。

次回からは現時点までで分かっている部分を一つ一つ説明して行きます。
次回はビタミンAから始めます。