栄養と日常生活#015(仲井DC)

今回は少々ややこしい話しになりますので、ゆっくり読んで下さい。

前々回、油には“飽和脂肪酸”と“不飽和脂肪酸”があるとご紹介しました。
そう、腐り難い油が“飽和脂肪酸”で腐りやすい油が“不飽和脂肪酸”でした。
そして腐りやすい“不飽和脂肪酸”を沢山摂りましょうとお話しました。

では何故敢えて腐りやすい“不飽和脂肪酸”を摂らなければならないの?と疑問が湧くとか思います。
その理由をご紹介します。

 

まず第一に“不飽和脂肪酸”は別名“必須脂肪酸”と呼ばれています。
「必須」つまり体に必要な油で、体の中では作れない“油”であるという意味です。
後々タンパク質の時にご紹介しますが、この「必須」と名前が付く栄養素には、もう一つ「必須アミノ酸」があります。
こちらも体の中では作れない、必ず食べ物から摂取する必要がある「必須」なアミノ酸という意味です。

つまり“不飽和脂肪酸”は体に必要な油で、しかも体内では作ることが出来ない“油”ということです。
では“飽和脂肪酸”はどうなのかと言いますと、実はある程度は体内で合成することが出来る“油”です。
体内で必要とされる“飽和脂肪酸”は、自分達の体内で産生できることになります。
もちろん100%とは言えませんが、敢えて意識して摂取する必要はない“油”ということです。

カン・ジン・カナメの健康教室シリーズ『オイルショック』そこで今回は今、最も問題になっている“飽和脂肪酸”の一つに含まれる“トランス脂肪酸”についてご紹介します。

“トランス脂肪酸”は“不飽和脂肪酸”に人工的に水素を加え、強力な腐り難い“飽和脂肪酸”に加工した“油”です。
“トランス型脂肪酸”は体内に吸収されても、結合が強すぎて、エネルギーに転換できない“油”と言われています。
エネルギーに転換できませんので、脂肪として体内に蓄積されるだけでなく、幾つかの研究では、ガンになるリスクが数倍に高まるとも報告されています。

憶えている人もいらっしゃると思います。
数年前にある映画監督が自らを犠牲にして毎食ファーストフード(Mc○ナルド)を食べ続け、自分の体が太り続けるだけでなく、体調がどんどん悪化して行く状態を撮影したドキュメント映画で、日本でも各地の映画館で上映されました。
自分は観に行けなかったのですが、アメリカでは大々的にメディアが取り上げ、最終的にファーストフード店は訴えられ、裁判で負けて多額(数億ドル)の賠償金を払うよう判決が下されました。
今では“トランス脂肪酸”は除去されつつあるそうです(因に日本は関係ないとして、いまだに“トランス脂肪酸”が使われ続けています)。

日本では巨大スポンサーであるMc○ナルドに気を回して、大きくメディアでは取り上げられませんでしたが、どうも不思議でなりません。
体調を崩すことが証明されている“油”が堂々と使われているのですから、これは不思議と表現せずにいられません。
もちろんケーキなどに使われているショートニングやマーガリンも、“トランス脂肪酸”の仲間です。

何故アメリカではきちんと問題視され、日本では知らんぷりなのだろうかと不思議でした。
メディアが取り上げたくない理由は分かりますが、どうして日本では問題にならないのでしょうか。

それが最近になって判明しました。

アメリカでは問題が起こると、何でも直ぐに告訴することが知られています。
先日、アメリカの小学校に通っていたお子さんのお母さんから教えて頂いたのですが、アメリカの学校の学食では、マーガリンも牛乳も出さず、アイスクリームさえ出していないそうです。
理由は簡単、変なものを出すと、親から直ぐに学校が訴えられてしまうからだそうです。
白か黒しかないアメリカらしい発想だと思いました。
白と黒の間のグレーな部分で占められる日本では、なかなかこうは行かないのでしょうね。

しかし日本でも普段の生活で気を付けることは可能です。
外食する時は、なるべく“油”が使われていない食事に心掛け、ファーストフードにもなるべく行かないようにし、昔ながらの日本食を選ぶこと。
ちょっとした心配りを身に付けたいものです。

ここで当オフィスに訪れた30代後半の女性の症例をご紹介します。
主訴は生理痛でした。
そこでまず精製された穀類(白米、小麦粉)と白砂糖を、精製されていない炭水化物に変更してもらい、加熱する料理にはオーリブ油のバージンオイル、加熱しない料理にはアマニ油を使うように伝えました。

翌月の生理痛は80~90%軽減し、次の月は殆ど生理痛から解放されました。
しかも10年以上子宝に恵まれなかった彼女は妊娠し、可愛い女の子を出産しました。

 

ここで景気払いに恐いお話しを一つ。
皆さんは放射線に汚染された食べ物は、されていない食べ物よりも数段美味しいことを知っていましたか?
もちろん冗談です。
でももし本当だったら、皆さんは放射線だらけの食べ物が格段に美味しいと知ったら、自ら進んで食べますか?
まず誰も食べないと思います(と信じています)。
それと今回の“トランス脂肪酸”の話しは同じだと思うのです。
体内に入るとエネルギーにも返還されず、ただ蓄積され、ガンになる率が数倍も上がる食べ物を、単に安くて、直ぐに腐らずに長持ちするだけの理由で食べますか?
自分にはそんな勇気はありません。

 

自然の食べ物は腐ります。
腐るということは“酸化”することでもあります。
どんな食べ物も生命を断たれたら、腐るのが自然です。
人間だって命を失えば、“酸化”して腐ります。
そう、“酸化”などして腐るのが生命の自然な過程でり、自然な摂理です。
腐らないように加工された食べ物は、自然な食品と言えるでしょうか?
コンビニで、いつまでも腐らないサラダ(特にレタス)やお弁当を横目で見ると、背筋がゾッと冷たくなります。

 

こわーい、こわーいお話しでした。