奄美世のごはん#020:チョコレートの栄養

2月14日はバレンタインデー。
みなさんの手元には、心のこもったたくさんのチョコレートが届いたことでしょう。

カカオの種子(カカオ豆)を焙煎して、細かくすりつぶしたものが、カカオマス。
このカカオマスを主原料に、砂糖、カカオバター、粉乳などを練り混ぜて、固めた物がチョコレートです。

フェアトレードチョコ1私が冗談半分で、患者指導の時に使う言葉があります。
“カフェ中”“シュガ中”“チョコ中”です。

“カフェ中”はカフェイン中毒の略で、主にコーヒーやコーヒー飲料、コーラ類が対象。
“シュガ中”はシュガ―、砂糖中毒。白砂糖や糖分をたくさん使ったお菓子やパン、それに清涼飲料水と料理も含めます。
“チョコ中”はそのまんまですね、チョコレート中毒。

もちろん、私が勝手に作った言葉で、カフェインも、白砂糖も、チョコレートも、医学的に厳密に言うと、中毒という定義を満たさないそうですが、どれも依存性が高いのはご存知ですよね。
しかも、チョコレートには、“カフェ中”のカフェインも、“シュガ中”のシュガ―も使われているんです。

 

「アルコールの次はチョコレートか~」と思った方、ご安心ください。
 

フェアトレードチョコレート2チョコレートの主原料のカカオ豆には、私たちに不足しがちな栄養素が含まれています。
カカオ豆に含まれるビタミンはEとK、そして少量ですがβカロチンとルチン。
そしてなんとビタミンB群はB1・B2・B3・B5・B6・B12。
相互作用を持ちますから、これだけそろっていたら相乗効果アップです。

ミネラルは、鉄分、マグネシウムがとても豊富です。
鉄分は、月々の月経で貧血になりやすい女性には嬉しいミネラルです。
マグネシウムは筋肉の緊張を抑制してくれます。
脚がつりやすかったり、痙攣性の生理痛がある場合は、マグネシウムが不足している可能性が考えられます。
マグネシウムはまた、300種を超える生体内の化学反応の触媒の役目を担いますから、不足すると生体反応が行われず、いろんな不具合が生じます。

細胞分裂に必要な亜鉛も含んでいます。
亜鉛は肌や髪の細胞の再生、生殖子の細胞分裂にも不可欠です。

他には、強い抗酸化作用を持つセレン、そしてカルシウム、マンガン、リン、カリウムなど。

以上のように、カカオ豆はなかなかの栄養価なのです。

 

でも、だからといって、チョコレートを食べ放題というわけにはいきません。
ざっくり分けると、チョコレート(カカオ60~70%のダークチョコレート)は脂肪分が40%、糖分が40%です。
チョコレートは質量に対するカロリーが高いのです。
ですから登山や災害時に重宝されます。
我が家の非常用リュックの中にも、チョコレートが入っています。
子どものランドセルにチョコレートを一箱、非常用に放り込んであるという方もいらっしゃいます。

チョコの表示ですが、使いきれない脂肪分も糖分も、皮下や、内臓や、血管の中に体脂肪として蓄えられてしまいます。
また、大量生産の製品には、コスト削減のためや、加工しやすく保存性を高めるために、植物油脂や香料、甘味料、保存料など、主原料以外の添加物が多く使われているものもあります。
原材料表示を確認しましょう。

カカオ豆の含有量がとても少ないチョコレートもあります。
最低7%のカカオ成分でも、条件を満たせば準チョコレートと表示できますから、前述のカカオ豆の栄養効果を期待するのなら、カカオ成分の多いチョコレートを選ぶといいですね。

 

フェアトレードマークそしてぜひ、フェアトレード製品を探してみて下さい。

フェアトレードとは、適正な価格(報酬)で取引をすることで、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善、権利や技術の向上、そして貧困による環境の乱開発を防ぐという活動です。

 

フェアトレードコーヒー途上国では、幼い子ども達も労働力とされます。
日本では、13才未満の子どもの就労を禁止、13~15才は労働基準監督署の許可が必要となります。
国際的には15~18才以下を対象としているようです。
2006年のILO(国際労働機関)発表によると、世界の児童労働数は2億1800万人、これは世界の子どもの7人に1人に当たるのだそうです。

チョコレートの原料となるカカオ畑やコーヒー農園は、児童労働でよく知られています。
その多くが、毒性が強いDDTなどの農薬を使用するなど、劣悪な労働環境にあります。
フェアトレード製品は有機栽培のものが多く、私たちの身体にも、環境にも、生産者にも、優しい製品です。

でも、私のお財布には少々厳しい。
なので、小さいものを一つだけ買って、家族で分けて、感謝して食べる。
これなら食べ過ぎることもありません。

カカオ成分の多いチョコレートは栄養価も高いのですが、カフェインや、カフェインに似たチラミンという成分も多く含まれます。
チラミンは血管を収縮する作用を持ちます。
血管はチラミンによって収縮した後、その作用が切れると、急激に拡張してしまいます。
この時に頭痛が起こったり、鼻の粘膜が腫れて鼻血が出るそうです。

また、テオブロミンという成分は、人間に害が出るほどは含まれていませんが、テオブロミン代謝の遅い犬や猫は、チョコレートを食べると、消化不良、脱水症状、過度の興奮、心拍数の低下などを起こして、死にいたることもあるそうです。

 

食べ過ぎない
飲み過ぎない
自分の身体を想って、海や山を想って、子どもたちを想って

ひかげへご 太陽