“おやつ”に“おべんとう”と来たら、次は“おつまみ”ですよね。
面倒くさがりの私はもちろん、おつまみも手抜きです。
アルコールを飲むということは、肝臓に超過業務をお願いすることになりますから、添加物が入らないように、加工したものは避けて、なるべく肝臓に負担をかけないように、素材から手作りです。
手作りといっても、「洗って切るだけ」をメインに、「焼くだけ」とか「茹でるだけ」とか「蒸すだけ」とか。
「袋から出すだけ」っていうのもありますが、これは「素材をそのまま味わう」と言うとかっこいいかな。
複雑なことはできませんし、続きませんから。
なんにせよ、本当のお酒飲みというものは、お酒を美味しく飲むために、日々コンディションを整えるものなんです。
お酒で体調を崩すなんて、お酒に失礼千万。
アルコールを分解する時、需要が増える栄養素はたくさんありますが、特に不足しやすいのがビタミンB群。
なかでもB1は重要です。
アルコールは、ビタミンB1の吸収の邪魔をして、さらにアルコール代謝のためにB1の必要性を増やします。
ビタミンB1は、糖質の代謝に重要な働きをするビタミンです。
これが不足するとエネルギー代謝が低下します。
症状は、足がだるい、肩凝りや頭重、疲れやすい、階段で息切れする、食欲がない、食後の胃もたれ・・・。
重症になると急性心不全に至ることもあります。
神経機能を正常に維持する働きもありますから、不足すると神経炎や、記憶力・集中力の低下も起こります。
スナック菓子や菓子パン、インスタントラーメン、インスタント食品、冷凍食品などは、ビタミンB1の不足が加速します。
このような加工品を食べたうえにさらにアルコールでは、必要なビタミンBを食品から摂取することは無理です。
玄米を食べているから大丈夫という方も、B群を多量に消費するものを食べていては、確実に不足します。
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気温が高くなると、ビールの量が増えますね。
アイスもジュース類も増えますね。
食事はさっぱりしたものに偏りがちで、めん類だけで済ませることも増えますね。
野菜といったら、きゅうりとトマトとレタスだけ。
不足するのはビタミンB群だけではなく、ビタミンAも、ビタミンCも、ビタミンEも、ミネラルも不足します。
良質のたんぱく質も不足します。
この時期は「疲れがとれない」「身体が重い」という症状を訴える患者さんが増えます。
歳のせいにしていませんか?
暑さのせいにしていませんか?
ビタミンB1は、お米や小麦の胚芽や糠、豆類、豆腐や納豆、芋類、ごま、緑黄色野菜に多いので、毎食ごとに食べるよう気をつけてください。
基本は、精製度の低いお米を炊いて、旬の野菜たっぷりのおみそ汁。
ビタミンB群は水に溶ける性質を持ちますから、一度にたくさん摂取しても吸収率が低下したり、吸収したものが排泄されてしまいます。
“にんにく”に含まれるアリシンは、B1の吸収率を促し、体内で利用しやすくするので、オリーブ油に“にんにく”入れた“にんにく油”を調理や調味料に使ったり、しょう油さしに“にんにく”を放りこんでおくといいですよ。
もう、だいぶ前の話ですが、私が「雨のにおいがしてきたね」と言ったら、ベネズエラで育った友人が「そろそろ来るね」と応えました。
間もなく夕立がやって来たら、居合わせた東京育ちの友人たちがびっくりして「おまえら動物!?」と。
驚いたのは私のほうです。
どうして、あんなに強い雨のにおいを感じないのかと。
陽が沈むと暗くなる。
そんな、極々、自然なことも忘れてしまっている。
誰でも、食の偏りを感じる力をちゃんと持って生まれてきた。