秋晴れの空 星月夜
脂肪酸のうち、必ず体外から摂り入れなければならない必須脂肪酸は、リノール酸とα-リノレン酸の2種類。
体内で生合成できないけれど、生きるために絶対に必要な脂肪酸です。
台所の油脂類の表示を確認してみましたか?
必須脂肪酸の名はありましたか?
含有量はどうでしたか?
α-リノレン酸は?
リノール酸は?
表示が無かった、他の脂肪酸の名前を見つけた、という方も多いのではないでしょうか。
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一般的に料理に使用する植物油の多くは、リノール酸を豊富に含みます。
コーン油、大豆油、ごま油、ひまわり油、綿実油などがそうで、どこの家庭でも常備している油ですよね。
フライパンを使用する料理、揚げものや炒めものには欠かすことができません。
ポテトチップやポップコーンなどのスナック菓子、洋菓子、菓子パン、などにもリノール酸を含む植物油が使われています。
つまりリノール酸は、よほど偏った食事をしない限り、不足する心配はないと考えられます。
どちらかというと、過剰摂取のほうが心配です。
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リノール酸は体内で、炎症を引き起こすプロスタグランジンやロイコトリエンという物質を生成します。
プロスタグランジンもロイコトリエンも、どちらも身体に必要な物質です。
しかし、過剰に生成されると、炎症性の疾患やその症状悪化を促すと考えられています。
プロスタグランジンはいくつか種類があって、痛みに対する感受性を高めたり、子宮の筋の収縮を促す作用をもつものがあって、痙攣性の生理痛を引き起こすとも考えられています。
また、体内でリノール酸からγ-リノレン酸を合成するときに働く酵素は、α-リノレン酸からEPAやDHAを合成するときにも働くので、リノール酸を多量に摂取していると、EPAやDHAの体内での合成が抑制される可能性があります。
EPAやDHAを充分に摂取していたら影響は少ないのですが、そうでない場合は、EPAやDHAの不足を来してしまいます。
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厚生労働省は、リノール酸と、リノール酸から体内で生合成されるγ-リノレン酸やアラキドン酸を含めて、一日の摂取量の上限を定めています。
上限は一日の総摂取エネルギーの10%、約22~30gです。
液体の油は、大さじ1杯がだいたい14グラムですから、チャーハン一皿で一日分のリノール酸をぺろりと平らげてしまいそうですね。
今日はどのくらいの量のリノール酸を摂りましたか?
昨日はどうでしたか?
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食欲の秋?読書の秋?
必要なものを 必要なだけ
