立春に生まれた春が、あちらこちらに顔をのぞかせています。
花が咲き、新芽が出ます。
植物が陽の光を利用して創り出した炭水化物から、食物繊維を区別したものが糖質です。
糖質は、つながっている糖の数によって分類します。
糖ひとつが単糖類、ふたつが2糖類、オリゴ糖は学問的な定義はないようですが、一般に2~10個程度のものを指すようです。
そして、多糖類は糖が数十個から数百万個つながっています。
台所にある砂糖の主成分は“蔗糖”です。
ぶどう糖と果糖がひとつずつつながった2糖類の仲間で、化学名が“蔗糖”です。
砂糖のうち、蔗糖の含有量が95%を超えるものが、上白糖や三温糖。
高純度の糖液を結晶化させたグラニュー糖や氷砂糖は、99.9%が蔗糖です。
商品にもよりますが、てんさい糖は85%で黒砂糖は75~86%です。
蔗糖は、単糖類がふたつつながっただけですから、消化吸収が速く、血糖が急激に増えます。
砂糖の中でもっともミネラルの含有量が多い黒砂糖もやはり、その主成分の蔗糖が急激に血糖値を上げてしまいます。
血糖値とは、血液中のぶどう糖の量です。
果糖は、消化管もしくは肝臓でぶどう糖に変えられ血中に入りますから、やはり血糖の上昇につながります。
私たちが口に入れ消化吸収し身体に入ってくる糖質は、その量が同じであっても、ゆっくり入ってくるのと急に入ってくるのとでは、身体の対応の仕方がずいぶんと違います。
例えば、階段を2階まで昇るとします。
一段ずつゆっくり昇るのと、一気に駆けあがるのとでは、ぜんぜん違うでしょう。
血中の糖の量の増減も、その速さによって、身体の反応が違うのです。
急激な血糖の上昇は身体にひどく負担がかかるので、これを遅らせる工夫が必要となります。
摂取後に否応なく、駆け上がらなければならなくなるものが、“ぶどう糖果糖液糖”です。
トウモロコシのでんぷんを化学的に加工したコーンシロップから作られる、“異性化糖”のひとつです。
多くのペットボトル飲料、スポーツドリンク、スタミナドリンクなどに使用されている、液体状の単糖類です。
液体ですから咀嚼の必要がありませんし、単糖なので消化の時間もかかりません。
酸味料や香料などで、飲みやすくなっているので、ごくごくと一度にたくさん飲めてしまいます。
砂糖よりも安価で、加工に手間がかからず、消費期限も長いので、あらゆるソフトドリンクに使われています。
この“ぶどう糖果糖液糖”の素、輸入コーンシロップの原料となるトウモロコシは、遺伝子組み換えトウモロコシがほとんどであり、栽培時に大量の農薬が使用されます。
つまり、この液体状の単糖類は、私たちの身体だけではなく、土地の状態も大きく変えてしまうものなのです。
選んでほしい食べものは、
身体が喜ぶ食べもの
心が喜ぶ食べもの
地球が喜ぶ食べもの
