お正月、ハレの日のごちそうをたっぷりと頂いて、身体と心を満たしたら、また新しい生命の始まりです。
10月の『奄美世のごはん』でお伝えした、頭の中のお弁当箱ですが、
「”主菜と副菜(の割合)を1:2にする”は、なかなか出来ない」という感想をたくさんいただいています。
外食が主になる方には、主菜に対して2倍量の野菜の摂取が難しいのです。
特に一人暮らしの若い方。
性別は関係ないようですね。
貧血を考えるとき、野菜不足で気になるのはカロチンと葉酸です。
どちらも、赤血球の幹の細胞が分化して、成長を始めるころに必須の栄養素です。
特に葉酸は、前回お伝えした亜鉛と同様、DNAの合成に欠かせません。
不足すると赤血球は十分に成長できないのです。
葉酸はビタミンB群の仲間で、水溶性のビタミンですから、身体に蓄えておくことができません。
すでに貧血の数値が出ている方や、症状が顕著に表れている方は、サプリメントで複合タイプのビタミンB群を摂取することをお勧めします。
添加物の少ないものを利用してください。
もちろん、それだけで野菜不足を解消できるわけではありません。
貧血対策には他の栄養素も必要です。
週に一回、まとめて野菜の下ごしらえをしましょう。
すぐに使える状態にしておくだけで、野菜の使用頻度が増えます。
まずはハードルを上げずに、野菜を洗って保存するだけです。
葉酸を豊富に含む野菜を選びます。
菜の花、わさび菜、ほうれん草、春菊、小松菜、ブロッコリー。
これに続くのが、大根葉、かぶの葉 水菜です。
- 野菜を洗います。
菜の花、わさび菜、春菊、ブロッコリーは、根元に土がついていないので、小分けにして、水をはったボールの中でざぶざぶ洗いをします。
ほうれん草と小松菜は、根元に十字の切込みをいれて、流水でしごきながら土をていねいに流します。
余力があれば、最後に野菜を熱めのお湯にさっと通しましょう。
日がたっても野菜がパリッとしています。
ほうれん草はあくが強いので、1分ほどゆでて冷水にとって冷やします。
- 野菜の水気を切ってざるやかごに広げて、しばらく乾かしましょう。
水気が無くなったら、ジッパー付のビニール袋に入れて、冷蔵庫で保存します。
ゆでたほうれん草も冷凍しません。
冷凍してしまうと解凍する手間ががかるので、利用率が下がります。
この野菜を一週間、毎日毎日食べましょう。
目安は主菜の2倍。
たっぷりと料理に使って、一週間で食べきりましょう。
みそ汁や、カップスープ、インスタントめんを食べるときは、はさみを使って直接うつわやお鍋に切り入れると、まな板や包丁を洗う手間がはぶけます。
うどんやパスタをゆでるときは、めんのゆで上がりに野菜を入れて一緒にゆで上げます。
野菜は切らずにそのままでも大丈夫です。
炊きあがったごはんに、細かく刻んで混ぜ込んでも美味しいですよ。
お好みで軽くお塩とゴマをふりましょう。
蒸したブロッコリーを、お昼ごはんの付け合せに持って行くのもいいですね。
無理をすると続きません。
無理なく続けられることを始めましょう。
年が明け、奄美のさとうきび畑も、次の収穫に向けて、生命をつないでいます。