栄養と日常生活#030(仲井DC)

ビタミンB6は、一般的にピリドキシンと呼ばれ、他のビタミンB群と同様に、水溶性の生理活性物質として働いています。
他の多くのビタミンB群と同様に、腸内細菌によって合成されることも判明していますが、他のビタミンB群と同じく、抗生物質の乱用や、腸内環境の乱れで不足することがあります。
体内での作用としては、他のB群と同じく、炭水化物のエネルギー変換に必要とな30-1ると共に、多くの酵素の補助因子としての働きや、円滑な筋機能や神経伝達に必要とされ、不足することで痙攣やてんかん発作が生じます。
また赤血球の産生にも不可欠な物質なので、貧血との関係もあります。

代表的な作用として、まず第一に挙げられるのは、“つわり”を緩和させることです。
吐き気や嘔吐(吐き気)を伴う“つわり”に対して、マグネシウムと組み合わせることで、妊娠中毒症を緩和します。
またビタミンB6はPMS(月経前症候群)や鬱、小児自閉症、喘息(マグネシウムとビタミンC、必須脂肪酸を兼用)などにも使われています。
その他にも“ギンナン食中毒”と“中華料理店症候群”と関与していることで知られています。

“ギンナン食中毒”

30-2秋の名物であるイチョウに成るギンナンには、4-0-チルピリドキシンと呼ばれるビタミンB6に拮抗する物質が含まれています。
これがビタミンB6欠乏症を引き起こし、脳内でグルタミン酸が酵素反応で作るGABA の生成を阻害して、強直性や痙攣を引き起こすことがあり、希に意識を失ったり、死亡例も報告されています。
GABAは抑制性の神経伝達物質として脳内で生成されている必要不可欠な物質です。
大人の場合は、かなりの数のギンナンを摂取しないと食中毒にはならないと報告されています(5~6個で発生した症例もあります)が、食中毒の7割が5歳未満に発生しているようです。
自分も大好物のギンナンですが、ほどほどにしなければいけません。

“中華料理店症候群”(別名:”グルタミン酸ナトリウム症候群”)

30-3中華料理店症候群は、頭痛、顔面紅潮、発汗、顔面や唇の圧迫感を主な症状とします。
自分の友人は脊柱の圧迫感を訴えますし、自分自身も大量の痰が発生するという経験があります。
基本的にはグルタミン酸ナトリウム(味の素)の大量摂取が原因だと考えられていますが、医学的には完全に証明されていないようです。
しかしグルタミン酸ナトリウムを大量に使用している料理店に行く前に、成人男子で1日に必要とされるビタミンB6(1.4~2g)を摂取すれば、症状を緩和させる有効性があると報告されています。

 

ビタミンB6の欠乏による症状としては、手根管症候群、貧血、脂漏性皮膚炎(脂肪酸欠乏)、舌や口内炎、末梢神経障害(手足の痺れ、痛み、炎症)知覚神経障害などがあります。
30-4手首の腱鞘炎で病院からビタミンB6を処方される人がいますが、併用してビタミンB群を摂ることをお勧めします。
他のビタミンBがビタミンB6の働きを助けてくれるからです。

ビタミンB6が多く含まれる食品は、ビール酵母(これは栄養素が高いのですが、痛風の人にはお勧めしません)、胚芽、レバー、モツ、メロン、キャベツ、卵、ピーナッツ、クルミがあります。

もう暫くの間、ビタミンB群におつき合い下さい。