奄美世のごはん#029:貧血その3

立冬が過ぎ、常夏の奄美の太陽も、こころなしか柔らかくなりました。

貧血について、まだしばらく続きます。

貧血は、血液量が急に増える妊娠期や成長期の子ども、月経で繰り返し出血する女性だけに起こるものではありません。

貧血は他の病気によって発症することがあります。

栄養素の摂取不足だけではなく、基礎にある病気を疑う必要もあります。

胃や十二指腸などの消化器の潰瘍や炎症部位からの出血は、目に見える出血ではないので気付きにくいものです。

また子宮からの出血や痔などの出血は、見ることはできるものですが、少量であるとそこから貧血を思い浮かべることはあまりないでしょう。

体のあちらこちらで酸素の供給が低下するので、疲れやすくなったり、筋力が低下したりします。

また、たくさんの血液を送り出すために心臓に負担がかかり、動悸や息苦しさが起こることもあります。

歳のせいにしてはいけません。

セサミ おむすびサービス(奄美世のごはん by古田朋子)| ドクターズ・サジェスチョン消化器に異常があると、必要な栄養素の吸収が妨げられます。

鉄分の吸収には胃酸の分泌が必要なのですが、胃の摘出手術などを受けていると胃酸の分泌量が低下するため、鉄分が不足しやすくなりますから、貧血が少しずつ進行する可能性もあります。

手術の後、何年も経ってから貧血の症状が出始めます。

消化吸収に問題がある場合は、鉄剤だけではなく、不足しがちな栄養素を、サプリメントなどで補わなければなりません。

しかし、基礎疾患のみが治療対象となって、貧血への対応がなされていない場合もあります。

症状を自覚していない方も基礎疾患がある場合は、血液検査の赤血球の数やヘモグロビン値、鉄の量などの数値に注意し、医師に相談してみてください。

一般的な血液検査では、血液中の鉄の量を計測します。

しかし、体の中の鉄の30%は、貯蔵鉄として肝臓などに蓄えられています。

鉄分の摂取が不足したり、出血などで鉄が失われたりして、血液中の鉄分が足りなくなると、貯蔵鉄から少しずつ補充されます。

体は貯蔵鉄を先に使いますから、鉄分の需要を食事で補いきれなくても、急に貧血になるわけではありません。

貯蔵されている鉄を使いきってしまうと、鉄欠乏性の貧血に至ります。

厚揚げ弁当(奄美世のごはん by古田朋子)| ドクターズ・サジェスチョン血液検査でこの貯蔵鉄を計測することは少なく、潜在的に鉄不足が進行していても、なかなか気づきにくいのです。

貯蔵鉄はフェリンチンという数値で表されます。

人間ドックや区民検診や市民検診のときに、オプションで依頼すると測ってくれます。

赤血球の完成には、鉄分の他にカロチン(ビタミンA)・ビタミンB群・ビタミンC・ビタミンEなどの栄養素も必須です。

やはり基本は食事です。

10月にお伝えした“頭の中のお弁当箱”に、食べたものを詰めてみましたか?

鶏の炒め煮弁当(奄美世のごはん by古田朋子)| ドクターズ・サジェスチョン主菜は肉、魚、卵、豆腐。

副菜が野菜や海草など。

お弁当箱の大きさは、どれくらいになりましたか?

いろんな考え方がありますが、自分の胃の大きさぐらいが適量だと教わったことがあります。

平均的な胃の大きさは、本人の握りこぶしよりひとまわり大きいぐらいだそうです。ですから、大人だと小さいグレープフルーツぐらいでしょうか。

グレープフルーツ大のお弁当箱を想像して、理想のバランスで食べものを詰めてみてもいいですね。

他には、次の食事の時間のころに、しっかりお腹が空く量がちょうどいいという考え方もあります。

朝ごはんを食べたとすると、お昼ごはんの頃、普通は12時でしょうか。

12時が近づく頃にはお腹がぐ~っと鳴るくらい減っていれば、朝ごはんの量は適量だったということです。

お昼ごはんも、夕ごはんの頃にぐ~っと鳴っていれば適量です。

バランス良く

食べ過ぎない

ごはん みそ汁 旬のもの

誰かが 欲張ると

他の誰かが 足りなくなる

夕陽いくみ13.11(奄美世のごはん by古田朋子)| ドクターズ・サジェスチョン

About 古田 朋子

1964年奄美生まれ。Holistic Nutrition(米国)学士・修士。創価大学(通信教育部)卒業。
PAAC(パシフィックアジアカイロプラクティック協会)付属ユニバーサルカイロプラクティックカレッジ卒業。
在学中よりセサミ・カイロプラクティックに勤務する。
PAAC認定・MCC(メディカルカイロプラクティックカレッジ)認定・米国SORS(Sacro Occipital Reserch Society International)認定のカイロプラクター。ハンズプラクティスカレッジ栄養学/婦人科学講師。
数多くのカイロプラクティック関連の訳本を手掛け、自らも業界専門誌「セサモイド・カイロプラクティック・ジャーナル」の編集に携わる。