『奄美世のごはん#016』

暑い夏がやっと過ぎて、朝夕の空気がひんやりしてきました。

陽が傾くのも早くなり、これから少しずつ夜が長くなっていきます。

暑さで低下していた消化器の調子ももどってきて、映画を観ながら、おしゃべりをしながら、ついつい食べ過ぎたり飲み過ぎたり。

気をつけて欲しいのはアルコール。
あまり認識されていないのが、膵臓への負担です。

へごの新芽とせみの抜け殻とコオロギ(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com膵臓は、インスリンを分泌して血糖値をコントロールしたり、また十二指腸に消化酵素を分泌して食べた物を分解します。
血糖値の上昇というと、甘い物と思われがちですが、アルコールは糖質の仲間ですから、砂糖を食べた時のように血糖値を上げてしまいます。
上がってしまった血糖値を下げるために、膵臓はインスリンを分泌しなければなりません。

血糖値の急激な上昇が頻繁に繰り返されると、の分泌と分解のバランスが崩れて、血糖値が下がり過ぎて低血糖を起こすこともあります。
疲れを感じたり、イライラしたり、不安になったり、甘いものやアルコールへの欲求が強くなったりと、さまざまな心身の症状が現れます。

慢性膵炎の原因は、なんと60%がアルコールの飲み過ぎ。
インスリン分泌に影響を及ぼして、糖尿病を併発する場合もあります。

ススキ1(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com膵炎の症状はみぞおちや背中の痛み、下痢や食欲不振。
消化酵素の産生が影響を受け、消化機能の低下が加わると栄養状態が悪化し、さまざまな症状や病気を引き起こします。

膵臓は血管や神経の分布が多い臓器なので、出血や痛みが起こりやすいのですが、痛みなどの症状がないまま膵炎が進行する場合もあるそうです。
毎日3合以上のアルコールを10年以上飲み続けている人は、発症の確率が高いという統計が出ています。

アルコールは、消化機能を低下させ栄養状態を悪化させるだけではなく、肝臓で分解されるときに身体に必須な栄養素を大量に消費します。
とくに不足が起こる栄養素が、ビタミンB群、ビタミンC、そして亜鉛です。

亜鉛は、身体のなかで多くの酵素を活性化させる働きを担っています。
DNAの分裂には欠くことのできないミネラルです。

ススキ2(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com影響はまず細胞の入れ代わりが早い組織に表れます。
味蕾は舌にある味覚を感じる感覚受容器で、亜鉛不足を早い時期に反映するので、味覚異常が亜鉛不足の指標にもなります。
亜鉛が不足すると細胞分裂が正常に進まないので、傷の治りが遅くなります。
またビタミンAの働きを助ける酵素の活性が低下するため、暗い所でものが見えにくくなることもあります。
前立腺の肥大も亜鉛不足が一因となります。

寒さでうまみを増す牡蠣は、亜鉛の摂取に最適です。
ただ、揚げ物にしてしまうと、膵臓に負担をかけてしまいますから、鍋ものや、炊き込みごはん、焼く、蒸すなど、調理方法を選びましょう。

他に亜鉛を多く含む食品は、精製度の低い穀物と豆類です。
このおなじみの伝統的な組み合わせは、アルコールの分解で大量に消費するビタミンB群も豊富に含みます。
みそ汁に入れる旬の野菜や芋類で、安定したビタミンCを補給することができます。
ごはんにかけるゴマには、亜鉛や他のミネラルも含まれています。

クロアゲハ(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.comベランダの鉢植えのみかんの木に、毎年アゲハが卵を生みつけにやってきます。
ところが、今年巣立ったアゲハは春先にたった1匹だけ。
放射能の影響だろうかとか、近所でネオニコチノイド系の殺虫剤でも撒かれたのだろうかとか、でも今、私には来年の春を待つことしかできない。
人間の力とはこんなものなのだろうかとか、考えるしかできない。

 

友人に、「切株にできた小さな森」の写真をもらいました。

切り株の森(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com

自然はすごい、確実に生命をつないでいる。


About 古田 朋子

1964年奄美生まれ。Holistic Nutrition(米国)学士・修士。創価大学(通信教育部)卒業。
PAAC(パシフィックアジアカイロプラクティック協会)付属ユニバーサルカイロプラクティックカレッジ卒業。
在学中よりセサミ・カイロプラクティックに勤務する。
PAAC認定・MCC(メディカルカイロプラクティックカレッジ)認定・米国SORS(Sacro Occipital Reserch Society International)認定のカイロプラクター。ハンズプラクティスカレッジ栄養学/婦人科学講師。
数多くのカイロプラクティック関連の訳本を手掛け、自らも業界専門誌「セサモイド・カイロプラクティック・ジャーナル」の編集に携わる。