栄養と日常生活#002 (仲井DC)

巷には数え切れないほどのサプリメントや健康食品が溢れています。
お昼のテレビを観ていると、次から次へと健康食品が紹介され、「これさえ摂れば、若さを取り戻せます!」「これさえ飲めば、長年の痛みから解き放されます!」などと放送過剰気ではないかと思ってしまうほどです。

自分も栄養学の勉強をしていなかったら、真っ先に購入していた一人だったと確信できるので、今考えると背筋がゾッとします。
実際、当オフィスでは以前、タンパク質のことを詳しく知らずに、コラーゲン複合体を販売していた頃がありました。

恥ずかしい限りです。

今年から改題した自分のテーマは「己の無知を知る」ですが、まさしく知らないことは恥ずかしいことですし、自分の無知を棚に上げ、患者さんまで巻き込んでいたのですから、今になっては、穴を掘って隠れたい気持になります。

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では健康を取り戻すために、治療家の自分達は何から始めるべきなのでしょうか?
これには自分も悩みました。
もちろん特定なビタミンやミネラルが不足している人もいますし、食事の偏りで、タンパク質、炭水化物、脂質のバランスが崩れている人も数多く見られます。
しかし、それ以前に何か基本となるもの、または何か土台作りが必要なのではと考えながら、多くの栄養に関する本を読み漁りました。

また多くの食事を基本にした健康法に関する本も読んでみました。
マクロビオティック、ゲルソン療法、ナチュラルハイジーン、エドガ-ケーシー、シュタイナ-、そして“粗食のすすめ”まで読んでみました。
どれもそれぞれに理にかなったものです。
どれも長年続けていれば、素晴らしい結果が得られる方法だと、充分に納得の行く内容でしたし、多くのことを学ぶこともできました。

しかし臨床家としての自分としては、「何かもっと基本となる土台があるのでは」と考え続けました。
そこで浮かび上がったのが今回からご紹介する“解毒(デトックス)”です。
まずは体内に蓄積されている毒素を、体外に排泄してしまうことが重要であろうと気付いたのです。

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DSCF25192勉強を続けて行く内に、体内に侵入した毒素を解毒する働きの3/4は肝臓で、残りの1/4は腸で行われていることが分かりました。
つまり、まずは肝機能と大腸の機能を改善することが、健康への第一歩であることが判明したのです。

では肝臓で解毒のために必要となる栄養素は何か、または腸に必要なものは、と常に意識しながら勉強を続けました。
AK(アプライド キネシオロジー)では、肝臓に対してはビタミンAとFを提唱しています(腸に関しては次回以降にご紹介します)。
しかしビタミンAは脂溶性で、大量の摂取は反対に肝臓にダメージを与えると報告されていますし、大量のビタミンAはガンになる率を高める研究も報告されています。
もちろんビタミンAの前駆体であるβカロチンやαカロチンを摂取する方法もありますが、10年以上の疫学調査では、摂取しない人とのガンの発生率を比べると、反対に高いという報告も出されています。
またビタミンFは必須脂肪酸のことですが、これも大量に摂取するのは危険です。

では何が良いのだろう?と悩みました。

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資料を集めて行くうちに肝臓内の抗酸化物質としてグルタチオンが非常に大きな役割を果たしていることが分かりました。
しかしグルタチオンはグルタミン酸、システイン、グリシンの3つのアミノ酸が繋がったペプチドで、コラーゲンと同様に小腸からはグルタチオンとしてではなく、アミノ酸にまで分解されてから吸収されるので、体内でグルタチオンとして再形成するかは期待薄なのです(コラーゲンも同じ)。

血液が体内を循環する前に、細菌や毒素の99%をクッパ-細胞(マクロファージ由来)が肝臓で解毒します(なんと0.01秒の速さです)。
この過程で大量の炎症性の活性酸素が発生するのですが、そこでグルタチオンが強力な抗酸化物質として働き、活性酸素を除去するのです。

そこで更に情報を集めてみると、そのグルタチオンの濃度を50%も高め、肝臓ではビタミンEよりも活発に、抗酸化作用を発揮するキク科の草花があることが分かりました。

日本ではオオアザミ、アメリカではミルクシスルと呼ばれ、英国ではマリアアザミと呼ばれています。(当院では、聞こえが優しいマリアアザミを用いています。)

マリアアザミマリアアザミは肝臓を保護するだけでなく、機能も再生する貴重なハーブで、B型肝炎、C型肝炎にも高い効果が認められており、肝硬変、肝ガンに対する効果を認めた報告も発表されています。
これはマリアアザミに含まれるシリマリンという成分が、致死的毒素から肝臓を守り、毒素の攻撃を受けやすい肝臓のレセプターに結びつき、肝臓を守るといわれています。

また、マリアアザミは炎症を押さえる効果にも優れ、ヘルペス(帯状胞疹)にも効果を示すと報告されています。
しかも副作用は一切ありません。

「これだ!」と直感しました。
直ちにサンプルを取り寄せ、自分で体験することにしました。

 

もともと肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれています。
ですから症状が現われた時は手後れの場合が多いと言われています。
事実、強力な免疫力を持つクッパ-細胞やグルタチオンが存在するのにもかかわらず、肝ガンが発生するのですから、かなり我慢強い(鈍感?)臓器と言えます。
しかし肝腎要(かんじんかなめ)の“肝臓”ですから、知らない振りをして見捨てることはできません。

今までに幾つもの朗報が届いています。
B型肝炎やC型肝炎による発熱、疲労感、黄疸に対する効果は目をみはるものがあります。

肝臓に対する“解毒”は、間違いなく大当たりでした。

次回は肝臓やマリアアザミに対する検査方法などをご紹介します。