Archives for 6月 2016

奄美世のごはん#058:基本の16(酵素の働き)

雨の月が過ぎると半夏生。
一年のちょうど半分のころです。

西の方では、たこを食べる習慣があるのだそうです。
良質なたんぱく源ですね。

 

さて、たんぱく質は酵素について続きます。

私たちはひごろから、知らず知らずのうちに食べ物に含まれる酵素の働きを利用しています。

最も身近で頻繁に使われているのが大根でしょう。
大根には100種類を超える酵素が含まれているのだそうです。

食べ物と混ざることでその成分を分解して、腸管から吸収できるように細かくしてくれるのが消化酵素です。
そのうちアミラーゼは、炭水化物のでんぷんやグリコーゲンを単糖類のぶどう糖や二糖類に分解する酵素です。

私たちの身体が作るアミラーゼは、膵臓や唾液腺から分泌され、口の中や消化管の中で炭水化物と混ぜ合されてその分解を進めます。

食べ物と混ざりやすくするために、大根をすりおろして炭水化物と混ぜておけば、私たちの自前の消化酵素の代りに、大根のアミラーゼが炭水化物の分解を進めてくれるのです。

お餅のおろし和えや、おろしそばは、大根のアミラーゼを利用して、お餅やそばの糖質分解を進めています。

プロテアーゼはたんぱく質を分解する酵素です。
私たちが生合成するたんぱく分解酵素は、他にも幾つかありますが、大根のプロテアーゼは、酵素が働く環境や分解できるたんぱく質の構造の種類が広範囲なため、働き者の酵素と言えます。

刺身のつまの定番は千切り大根。
刺身のたんぱく質分解をすすめ、消化を助けてくれるので、ぜひ残さず一緒に食べましょう。

鯵の塩焼き | 奄美世のごはん(ドクターズサジェスチョン)焼き魚には大根おろし。
この時期は、あじ、いわし。
大根おろしと一緒にいただくと、魚のたんぱく質を消化吸収しやすくしてくれます。

そしてリパーゼは脂肪の分解に働きます。

焼き魚にそえた大根おろしは、たんぱく質と一緒に焼き魚の脂質の分解もすすめてくれます。

 

 

てんぷらまた大根おろしは、天ぷらにもつきものですよね。
とんかつやフライもさっぱりといただくことができます。

大根のリパーゼが脂肪を分解して、消化を助け胸やけを防いでくれるのです。

 

 

 

 

たこおろし和え | 奄美世のごはん(ドクターズサジェスチョン)たこはタウリンを多く含みます。
タウリンは身体の中で作ることができる成分ですが、不安やストレスの軽減に働くので、需要が高いときは食べ物から摂って補充してあげたいですね。

また、たこに含まれるタウリンは、マリアアザミと同じ肝細胞の再生を促進する作用も持ちます。

大根おろしで消化吸収しやすく、半夏生にたこのおろし和えはいかがでしょうか。

栄養と日常生活#059:少し怖い話し(1)

最近は何故か再び「栄養学」に関わる本に出会うことが増えてきました。
栄養学の勉強は、もうそろそろ控えても良いんじゃないの?と思っていたのですが・・・。
もう10年以上、栄養学に携わり、読んできた本も軽く200冊は超えたと思います。
ですから、もう良いだろうと内心思っていたのです。

もちろん栄養学の勉強を放棄するのではなく、これからはマイペースでゆっくりとジワジワと継続して行けば良いだろうと考えていたのです。

牧田善二しかし最近出会った本『老けたくないなら「AGE」を減らしなさい』(牧田善二著 ソフトバンク新書)や、『50歳からは炭水化物をやめなさい』(藤田紘一郎 著 だいわ文庫)『「やわらかい血管」で病気にならない』(高沢謙二 著 ソフトバンク新書)『「砂糖」をやめれば10歳若返る』白澤卓二著 ベスト新書)に出会い、読んでいたら、またまた炭水化物(主にですが)の問題に行き着いてしまいました。

また近年は、尊敬している新潟大学大学院医学部の教授を務め、免疫学の大家でおられる安保徹先生も、最近はミトコンドリアに注目し、解糖系ではなく、ミトコンドリア系にしなさい、糖分依存から脱却しなさいと勧めておられます。

まだ全てを把握したのではなく、少しだけ新たに理解してきてことがあります。

つまり、炭水化物(グリコーゲン)から得られたブドウ糖を土台にして、ミトコンドリア内のクエン酸サイクルでエネルギー産生する方法に依存するのではなく、脂質(脂肪酸)から得られたケトン体を用いたクエン酸サイクルを利用して、エネルギー(ATP)を得なさいということらしいのです。

藤田紘一郎もちろんタンパク質(アミノ酸)をブドウ糖に変換させ、エネルギーを産生する方法もあります。

取り敢えず炭水化物、特に精製された炭水化物は止めなさいと、全ての著者が口を揃えて声高く唱えているのです。

詳しくは著書に譲りますが、自分も以前から、まずは“精製”された白砂糖を黒砂糖やハチミツ(乳児以外)に、白米を胚芽米や玄米に、小麦粉を全粒粉にと提唱してきました。

またピーター・ダダモ博士を筆頭とする血液型ダイエットの立場から、血液型がO型の人は、小麦粉に含まれるグルテンというレクチン(タンパク質)が合わないから、止めた方が良いとも提案して来ました。

 

 

白澤卓二2どうも最近の本を読んでいると、特に“砂糖”に対するバッシングが増えてきている傾向がみられます。

何故でしょう?

歴史的観点から見直してみると、日本では1870年代は1日に摂取していた砂糖の量は、たった4グラム程度でしたが、100年後の1970年代には、何と約20倍の80グラムにまで増えたそうです。
2016年の今では100グラムを超えていると容易に想像できます。
つまり150年足らずで、25倍以上の摂取量に増えたという計算になります。

多くの科学者は、人間の体は1万年前から、殆ど進化していないと提唱しています。
実際に私たちの体内の機能を探ってみると、低血糖になると血糖値を上げるシステムは幾つも備え持っているのですが、高血糖に合せて血糖値を下げるシステムは1つしかなく、膵臓から分泌されるインスリンが血糖値を下げるのが唯一の方法であり、備え持つ機能です。
つまり本来は血糖値を上げる必要が殆どで、血糖値を下げる必要は皆無に近かったことになります。

日本に砂糖が伝わったのは8世紀のことだと伝えられています。
当時は高価なものとして扱われ、“薬”として用いられていたようです。
調味料としては使われず、当時の甘味料は米を発酵させた甘酒や、麦芽を発酵させて作ったアメが用いられていました。

日本で砂糖が甘味料として使われるようになったのは16世紀のことで、国内での砂糖キビの栽培もこの頃から始まりました。
それでも1900年代までは、それほど量は増えなかったのですが、高度経済成長期から一気に日本の食生活が変わり、豊かになり、欧米化が急速に広がったのです。

 

高沢謙二1どうして、そんなに砂糖に依存するようになったのでしょう。

それは砂糖は依存性というマイルド・ドラッグの要素があったのです。
砂糖を始めとするジャンク・フードは高い依存性があることが判明しています。
これは幾つもの研究で証明されています。

例えばマウスを3つのグループに分類し、1つのグループには通常のエサを与え、2つ目のグループにはジャンク・フードを与えますが、一定量しか与えません。
そして最後のグループには食べられるだけの砂糖やトランス脂肪たっぷりのジャンク・フードを与えます。
すると普通のエサや、一定量のジャンク・フードを与えられたグループは、体重の変化や体質の変化は少ししか認められませんでしたが、食べたいだけジャンク・フードを与えたグループは、摂取を止めようとせず、体重もドンドン増え、体質も変わり、色々な疾患が生じやすくなったのです。
まさしくマイルド・ドラッグの依存性だと言えます。
また恐ろしいのは、体重過多になったマウスのグループの食事を、普通のエサに変えても、食べられなくなることです。

また2004年代に映画監督自身が実験材料となり、毎食ジャンク・フードを摂り続けたドキュメンタリー映画を思い出します。
彼は30日間の実験予定でしたが、確か20日過ぎでドクター・ストップがかかり、実験は中止になったと聞いています。
著しい体重の増加と、血圧や体脂肪が異常に増えてしまったのを憶えています。

どうやら、砂糖は依存性に富んだ、“マイルド・ドラッグ”だと認識すべきです。

 

ちょっと疲れたら“チョコレート”や“甘い物”という考え方を変えませんか?
日本では隠れ糖尿病を入れると、2200万人以上の人が各当するそうです。

“日本人総砂糖依存症”にならないためにも・・・