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奄美世のごはん#040:運動性無月経と貧血

 

女性アスリートの無月経に関する報道をご覧になった方も多いと思います。

運動性無月経とは、運動が原因と考えられる無月経のことです。
報道では、とくに第二次性徴のころ、思春期の過剰な運動が取り上げられていました。

無月経とは、月経が3ヵ月以上停止した状態をいいます。

フィギュアスケートや新体操などの種目では、身体の細さ美しさが求められるため、過激な減量を強いることによる栄養素欠損やエネルギー不足がおこります。
陸上やトライアスロンなど持久力系の競技では、消耗する栄養素やエネルギーを補いきれないこと、などが原因と考えられます。

定期的に起こるはずの月経が無かったり、その周期が安定しないということは、とても不健康な状態です。
しかしパフォーマンスの評価、点数、タイムのみが重要視され、運動をする本人が健康であるかどうかはなおざりにされがちです。

周囲の大人もそうですが、残念ながら本人にもその傾向が強くあります。

とくに学校や地域のスポーツ団など、組織の代表になっている場合や、複数の選手の評価の合計で争われる競技などは、個人は二の次です。

外傷、出血、発赤に腫脹、他人が目で見てわかるものや、痛みなどで本人がプレーできないと納得できる状態では、運動量を減らしたり、止めることもできます。ですが、そうでない場合、本人が「大丈夫」と言う場合、もしくは「大丈夫」と言わざるを得ない場合には、不調をおしてプレーを続けます。

一般に、そのような自己犠牲は高く評価されますが、ほとんどの場合、その子の健康、またはその子の将来の健康は、忘れ去られています。

見た目に認識しがたい無月経や貧血は、運動量の軽減やプレーの中断の理由にはなりにくいのですが、貧血も無月経も、一時的な問題ではなく、長期にわたって全身性に影響を及ぼす可能性があります。

思春期とは、生殖不能の子どもが生殖可能の大人へと変わっていく時期ですから、この時期の身体の状態が正常な完成に影響し、女性の生涯の健康を左右します。

身体が完成に向けて変化するのは、この時期だけです。やり直しはありません。

貧血は、血液の組成が充分ではない状態ですから、無月経と同様に栄養素欠損や栄養素の補給が間に合っていない状態です。とくに、鉄分は激しい運動をすると消耗します。
その時に血清鉄の値は下がりますが、通常は貯蔵鉄から補てんされて、その値はまた安定します。

 

 

 

血液データ

某大学で一月ごとに血液を検査している方にデータをいただきました。
観ると、他のミネラルと比較して鉄の値の上下幅が大きいことがわかります。
血清鉄は激しい運動をすると消耗し、数値が下がります。
基準値の上限を越えてしまったのが5月16日の273。
この方は、普段レバーを食べないのですが、検査値にどのくらい影響するかを試すために、検査の前日にレバーを食べてみたのだそうです。

血清鉄は運動による消耗も激しいのですが、貯蔵鉄がすぐにまかなってくれます。
ですが、ヘモグロビン値や血清鉄が正常範囲であっても、貯蔵鉄が減少していたり、激しいトレーニングが続くときは、鉄分をふくむミネラル全般の補給がとても大事です。

 

基本になるのは毎日の食事

ごはんは、白米を胚芽米や分づき米や玄米に

具だくさんのおみそ汁

旬の野菜

ごま と 豆

そして身体をしっかり休めること

寝顔13.3.7

栄養と日常生活#040:マグネシウム

前回までカルシウムの話しでした。

意外や意外、今でもカルシウムの摂取“神話”を信じる人が多いようです。
飲みたくもない牛乳を毎日飲み、好きでもない小魚を無理やり食べている人たちをよく見聞きします。

 

実際に自分も20年前までは、その一人でした。

「牛乳を飲まなければ大きくなれない!」、「カルシウムを摂らなければ、骨が弱くなって、歪んだ身体になる!」・・・等々と、周りの人に色々と忠告され、嫌な気持ちを抑えて一生懸命に牛乳を飲んだり、干した小魚を食べた経験があります。
しかし自分は牛乳を飲むとお腹を壊してしまうので、小学校、中学校の給食で出された牛乳は、何時も友人にあげていました(今では大正解!アンタは偉い!)。

じつは体に悪い19の食習慣 (ワニブックスPLUS新書)それでも175cmまで成長したのですが、「ひょっとしたら、牛乳を飲んでいたら、180cm以上に大きくなれたのかもなあ」と考えたことも何回もあります。

丈夫な体になるためには“カルシウム”が欠かせない、というのが過去半世紀の常識だったように思えます。

もちろん、カルシウムが重要なのは間違いない事実です。
カルシウムの摂取が重要であることは前回と前々回にご紹介しました。

ただ牛乳である必要はありません。

 

この数十年で分かってきた事実があります。
それはミネラルの相性とバランスです。

“偏り”という言葉がありますよね。
まさしくミネラルの摂取には、バランスが大切になります。
その中でカルシウムは、マグネシウムとのバランスが重要です。
実はカルシウムを摂取する際には、マグネシウムも摂取する必要があるのです(同時に摂取する必要はありません)。

マグネシウムは、正常な心臓と筋肉の機能、神経機能、脂肪の正常な代謝に必要であることが分かってきました。
しかし、まだまだマグネシウムの存在は、カルシウムよりも軽視されているように思えます。

“硬水”の時にもご紹介しましたが、マグネシウムはカルシウムと同様に、身体に必須なミネラルであることが実証されています。
以前はカルシウム”2”に対して、マグネシウム”1”のバランスと言われて来ましたが、今では”1対1”のバランスを提唱する人たちが増えています。

 

じつは危ない食べもの ~健康志向・安全志向の落とし穴~ (ワニブックスPLUS新書)マグネシウムは魚介類、大麦、ホウレン草などに多く含まれます。

マグネシウムはカルシウムと互いに協力し合い、また拮抗して働くことで、身体の機能を維持したり、調整することが分かってきました。
この2つのミネラルは、神経や筋肉に影響を与えています。

特に筋肉の収縮は筋内細胞の中にカルシウムが入り込むことで生じますが、マグネシウムは、その筋内細胞に入り込むカルシウムの量を調整しています。
この調整を行うマグネシウムが不足すると、筋肉の収縮がうまく行われずに、痙攣や震えの原因となることも判明しています。

またマグネシウムは、乳酸が溜まった状態での“こむら返り”の緩和などの効用があることは以前から報告されています。
糖尿病や、うつ病との関連性も多く報告されていますし、体内で起こる炎症反応もマグネシウムの摂取量で軽減すると言われています。
また、不整脈や高血圧、PMS(月経前症候群)、妊娠中毒症を減少させることも認められており、慢性疲労症候群や喘息にも効果があるとして処方されています。

成長期に必要とされるカルシウムは、12~14歳男性は1日に900mg、30~40歳では600mgですが、マグネシウムは成長期に240mgが必要とされます。
30~50歳では320mgが必要であると言われています。

ドクターズ540-3体重が70kgの人の体には約35gのマグネシウムが含まれます。
その内60~70%は骨組織に含まれ、残りの30%は血漿、赤血球、筋肉内にあります。
そして血清中のマグネシウムの約20%はタンパク質であるアルブミンと結合して存在しているのです。

アルブミンはリンパ液に多く含まれる少し分子量の大きいタンパク質です。
それは体内に含まれる毒素や老廃物を排除する重要な物質であり、浮腫である“ムクミ”や“セルライト”と深く関するリンパ循環や血液循環(特に静脈)との関係があると指摘されています。

何!ムッムッムッ!、と考えてしまいます。