Archives for 0

奄美世のごはん#041:歯茎の出血と貧血

冬至が近づき、空気が冷たく、きりっとしてくると遮るものが減って、星の光がきれいに届きます。

そろそろ貧血のおはなしを終わります。
最後に、二次的に引き起こされた貧血が、悪循環を起こしていた症例をお伝えしましょう。

 

歯肉からの出血は、多くの方が抱えている問題ですが、さしあたって食べることに支障がなければ、気にしつつも放置していることが多いようです。
貧血に結び付けることもほとんどありません。
歯医者さんで食事の指導をしてもらったという方にも、まだお逢いしたことがありません。

ベランダ農園(ミント)|奄美世のごはん by 古田朋子(ドクターズ・サジェスチョン)歯茎からの出血だけを取り上げると、歯肉のコラーゲン生成のためのたんぱく質不足や、ビタミンCの不足などが考えられます。
しかし、歯肉の組織の崩壊を予防または食い止めるには、食の全般を考えなければいけません。

 

肩凝りと頭痛の症状を訴えて、セサミにいらっしゃった患者さんの朝食をご紹介します。

彼女の歯茎は数年前から腫れていて、むずむずじくじくしていました。
フレンチトースト・カフェオレ・ヨーグルト・果物(オレンジやグレープフルーツ)。

食事の改善を始める前は、ほとんど一年を通してほぼ毎朝このようなメニューでした。
もちろん、ご本人なりに食べ物には気をつかっていらっしゃったのです。

例えば・・・

    • ベランダ農園(はんだま)|奄美世のごはん by 古田朋子(ドクターズ・サジェスチョン)トーストもカフェオレも甘くするのですが、いわゆる白砂糖ではなく有機栽培のてんさい糖(含蜜糖ではない)を使用。
    • 卵は平飼いの、抗生物質を使っていないもの。
    • ヨーグルトに入れるはちみつは国産。
    • オレンジやグレープフルーツは輸入したものですが、防カビ剤や抗菌剤などのポストハーベスト不使用のもの。
どれも素晴らしいこだわりなのですが、このメニューは食事というのには栄養価が低すぎます。
どの食品も嗜好品のグループに入れて欲しいものです。決して毎日の食事に位置付けられるものではありません。

少なめに見積もっても、甘味を出す調味料(砂糖・はちみつ)がティースプーン3杯。
これを代謝するだけのビタミンBはほとんど摂取できていません。
ベランダ農園(ゆきのした)|奄美世のごはん by 古田朋子(ドクターズ・サジェスチョン)せっかくの柑橘類のビタミンCも、甘いものが一緒だと細胞に入り込みにくくなります。

他のビタミン類は殆ど摂取できず、カルシウム以外のミネラルも十分ではありません。
また、ビタミンミネラルが不足していると、卵や乳製品のたんぱく質を分解し吸収したあと、体内で組み換えて利用する工程がスムーズにいきません。

歯茎の修復どころか、生命維持に手いっぱいといったところでしょう。

 

そして、どの食材も軟らかく、噛む必要のないものばかりです。
噛むという行為を行わないと、消化管における消化吸収能が低下することが判っています。

 

お聞きすると、もともと野菜は調理の手間がかかるのであまり食べていなかったそうです。
さらに、硬い物を食べると歯茎から出血するので、だんだんと硬い物といっしょに野菜を避けるようになったのだそうです。

 

ベランダ農園(小松菜)|奄美世のごはん by 古田朋子(ドクターズ・サジェスチョン)セサミでは、副腎と消化管の反応に対する治療をさせていただき、食の改善をお願いしました。

まず、がんばって頂いたのは、甘いものを摂らないこと。特に、食事には組み込まないこと。

そして粉食を避けること。
つまり主食になる穀類を粉にせず、粒状のまま食べること。
できるだけご飯を炊いてもらい、小麦やトウモロコシなどの穀物を粉にした食品を避けてもらいました。

そして、少しづつでも旬の野菜を食べること。

 

初めのうちは、思うようにいかなかったり、がまんできずに甘いものを食べてしまったりと、四苦八苦なさっていました。

ベランダ農園(大根葉)|奄美世のごはん by 古田朋子(ドクターズ・サジェスチョン)それでも、改善が歯茎の状態にすぐに反映されて不快感が減り、なにより睡眠の邪魔をしていた皮膚のところどころにあった発赤を伴ったかゆみが、あまり出なくなったので、ぐっすり眠れるようになり、翌朝の目覚めや日中の疲労感が減ったとのこと。
次第に出血もしづらくなりました。

 

歯茎からの出血が減ることで、血液の損失が減ります。

よく噛むことができるようになると、ビタミンミネラルが豊富な食材を、しっかりと噛んで食べることができるようになります。
十分な栄養の吸収がなされると、赤血球の生成が正常になり、不足していた赤血球の数と質を補います。

この方は、血液検査に大きな変化はまだ観られていませんが、身体症状が変わっていくことを感じ、自分の体を創り動かす食べ物を、とても大切なものだと実感できたと、話してくださいました。

 

甘いものが欲しくなったら、

かぼちゃやさつま芋を蒸しています。

りんごや柿をかじります。

ごはんとみそ汁

旬の野菜を毎日しっかり

栄養と日常生活#042:亜鉛

今回は亜鉛のお話しです。
意外に誤解されている部分(特に男性に)が多いので、他の必須ミネラルに優先してご紹介することにしました。

1食100円「病気にならない」食事 亜鉛は骨、爪、網膜、腎臓、前立腺、脾臓に多く含まれます。
体液としては精液に多く含まれるために、どうしても精力減退と亜鉛を結び付けてしまう傾向があるようです。

体内に含まれる16種類のミネラルの中で、亜鉛は鉄に次いで2番目に多い必須微量元素です。
必須微量元素であり、当然ながら体内で生産することは出来ませんので、全て食べ物から摂取する必要があります。

亜鉛は銅との拮抗作用があるので、銅の摂り過ぎは亜鉛の欠乏に繋がり、反対に亜鉛の大量摂取は、銅や鉄分の不足に繋がります。
亜鉛と銅のバランスは、亜鉛が10に対して、銅が1です。

 

まずは亜鉛の体に対する働きからご紹介します。

亜鉛は体内で製造されるスーパー・オキサイド・ジムスターゼ(SDO)と呼ばれる強力な抗酸化酵素の成分となります。
その他にも100種類以上の酵素の製造に関わっています。
これらの酵素の体内への生理的役割は、免疫機構の補助、創傷治癒、精子形成、味覚感知、幼児の成長など多岐にわたります。
病気にならない女性は「カタカナ食」を食べない 人生が好転し始める「1食100円」の美的メンテナンス48また鉛とカドミウムを取り除く際にも有効に働きます。

男性の体重70㎏の人には、約2~2.5gの亜鉛が含まれると言われています。
日本人の摂取基準量は、男性は1日に8~9mg、女性は6~77mg(上限30mg)です。

亜鉛の過剰な摂取は、前述したように銅や鉄分の欠乏を引き起こし、善玉コレステロールと呼ばれている血中HDL(高比重リポタンパク質)を低下させます。

反対に、欠乏すると、最初に胃腸機能や免疫機能の低下による下痢が見られ、活動力の低下、記憶力や注意力の低下、味覚の障害が見られると報告されています。

 

亜鉛欠乏による細胞分裂によって影響するとして発表されているのは;

  • 味覚障害
  • 口、目、肛門付近の湿疹
  • 水泡や膿を伴う皮膚炎
  • 脱毛
  • 傷の治りが遅い
  • 風邪を引きやすい
  • 食欲不振
  • 自閉症
  • 情緒不安定
  • 前立腺肥大
  • 動脈硬化
  • 性機能の低下
などがあります。
また、亜鉛はインスリンの構成要素でもあり、低血糖症の基本的要因であると言われています。
さらに、肉類を消化するアルカリフォスファターゼ(ALP)の働きも低下するとも言われています。

 

実践・50歳からの少食長寿法 男性にとって心配なのは、性欲減退や性機能低下、また前立腺肥大でしょう。
しかし前述の通り、大量摂取するのは危険です。
そこで簡単な検査方法がありますので、ご紹介しておきます。

まず、亜鉛のサプリメントを摂る時は、口の中で錠剤を噛み砕いてみて下さい。
もし味がしないようでしたら、亜鉛不足が疑われますので摂取して下さい。
しかし「オエッ」と不味い味がしたら、あなたの体内の亜鉛量は充分に満たされています。
吐き出して下さい。

このようにして口の中で噛み砕いて、味がするかどうかで亜鉛不足を検査することが出来ます。
特に50代から増え始め、80歳では男性の80%以上に認められる前立腺肥大症を予防するには、常に亜鉛不足に気を付けたいものです(自分を含めて)。

最後に亜鉛を多く含む食材をご紹介しておきます(カッコ内は100g中の含有量);
  • カキ(7mg)
  • レバー(6mg)
  • 牛肉(4mg)
  • チーズ(3,g)
  • エビ(2mg)
  • 卵(1mg)

栄養と日常生活#041:ナトリウムとカリウム

最近、訳あってリンパ循環の勉強をしています。
“リンパ ドレナージュ”って聞いたことがありますか?
“リンパマッサージ”と言えば、「アー、“むくみ”を減らして痩身するマッサージね!」と思い出す人も多いと思います。

“痩身”に興味があったのではなく、ある時「そう言えば、余りリンパ循環のことを理解していないなあ」と気付いたのです。

神経システムには気を払っていましたが、余り“血液循環”や“リンパ循環”には興味を持っていなかったのです。
確かに“血管反射点”とか、“リンパ反射点”というテクニックがありますし、使うこともあります。
が、単に反射点と受け止めており、“循環”としては考えていなかったことに気付いたのです。

リンパの解剖生理学そこで復習を兼ねて、“リンパ循環”の勉強を始めました。
すると“リンパ循環”を対象に書かれた本が少ないことに驚きました。
リンパ循環の異常となると、“リンパ浮腫”を思い浮かべる程度で、他の人たちも余り興味を持ってないのだろうかと考えました。
それでも何とか検索を続け、やっと5~6冊の本を読んでみました(まだまだ全然足りませんので、リンパ循環についての話しは、もう少しお待ちください)。

まだまだ少ない情報ですが、本を読んでみると、多くの女性が、“むくみ”に悩んでいることを知りました(やはり自分は女性を理解していないなあと痛感しました)。
「ヘエー、そうなんだあ」と深く反省した次第です。

そして出会った新鮮な情報として、“むくみ”の原因の一つに、塩分の摂り過ぎがあるという事実を知りました。
確かに塩分に含まれるナトリウムは体内に水分を溜め込む原因となります。
ナトリウムの摂り過ぎが高血圧と関係することは理解していましたが、塩分の摂り過ぎが“むくみ”の原因となるという発想は、今までありませんでした。

ナトリウムやカリウムは体内に必須となるミネラルです。
ナトリウムは主に細胞外に多く含まれ、細胞内に多く含まれるカリウムとで、細胞膜の内側と外側のバランスを保つ働きをしています。
ややこしい科学的内容は割愛しますが、まずは体内に必須となる、体内では作れないミネラルであるとご承知下さい。

次にナトリウムとカリウムのバランスは、カリウムを1とするとナトリウムは0.6です。
私たちの周りを見回してみると、このバランスが逆転しているように思えます。
加工食品などは、殆どはカリウムよりもナトリウムが多く含まれていることが分かります。

そこで新たに私たちの生活は、カリウムが不足していて、ナトリウムの摂取が多過ぎるという事実を理解し、これからの食生活を見直そうというのが、今回のテーマです。

まずはナトリウムが入った塩分が多い食品、又はなるべく避けるべき食品からご紹介します;

  • スナック菓子
  • アンチョビ
  • ベーコン
  • ハム、ソーセージ
  • サラミ
  • ナッツ類
  • スモークサーモン、スモークドミート
現代の私たちの生活では、ナトリウムの摂取が多くなり過ぎても、不足することは無さそうです。
では、私たちには1日にどの程度のカリウムが必要なのでしょうか?
調べてみますと、アメリカやイギリスでは男女共に1日に4,700mg(目安量)、または3,500mg(推奨量)とされています。
平均的な日本の食事1日分には、カリウムが1日に800~1,600mg含まれるとされていますから、倍以上の摂取が必要であることが分かります。
どうやら意識して、カリウムの摂取を心掛ける必要がありそうです。

ではカリウムが不足することで生じる低カリウム血症が引き起こす症状をご紹介します;
  • 筋力の低下
  • 腸閉塞
  • 心電図の異常
  • 反射機能の低下
(重度)
  • 呼吸困難
  • アルカローシス
  • 不整脈
最後にカリウムを多く含む食品をご紹介します;
  • コンブ
  • ワカメ
  • とろろコンブ
  • ひじき
  • あおさ
  • 焼きのり
どうもまた今回も、伝統的な日本食に軍配が上がりそうです。

奄美世のごはん#040:運動性無月経と貧血

 

女性アスリートの無月経に関する報道をご覧になった方も多いと思います。

運動性無月経とは、運動が原因と考えられる無月経のことです。
報道では、とくに第二次性徴のころ、思春期の過剰な運動が取り上げられていました。

無月経とは、月経が3ヵ月以上停止した状態をいいます。

フィギュアスケートや新体操などの種目では、身体の細さ美しさが求められるため、過激な減量を強いることによる栄養素欠損やエネルギー不足がおこります。
陸上やトライアスロンなど持久力系の競技では、消耗する栄養素やエネルギーを補いきれないこと、などが原因と考えられます。

定期的に起こるはずの月経が無かったり、その周期が安定しないということは、とても不健康な状態です。
しかしパフォーマンスの評価、点数、タイムのみが重要視され、運動をする本人が健康であるかどうかはなおざりにされがちです。

周囲の大人もそうですが、残念ながら本人にもその傾向が強くあります。

とくに学校や地域のスポーツ団など、組織の代表になっている場合や、複数の選手の評価の合計で争われる競技などは、個人は二の次です。

外傷、出血、発赤に腫脹、他人が目で見てわかるものや、痛みなどで本人がプレーできないと納得できる状態では、運動量を減らしたり、止めることもできます。ですが、そうでない場合、本人が「大丈夫」と言う場合、もしくは「大丈夫」と言わざるを得ない場合には、不調をおしてプレーを続けます。

一般に、そのような自己犠牲は高く評価されますが、ほとんどの場合、その子の健康、またはその子の将来の健康は、忘れ去られています。

見た目に認識しがたい無月経や貧血は、運動量の軽減やプレーの中断の理由にはなりにくいのですが、貧血も無月経も、一時的な問題ではなく、長期にわたって全身性に影響を及ぼす可能性があります。

思春期とは、生殖不能の子どもが生殖可能の大人へと変わっていく時期ですから、この時期の身体の状態が正常な完成に影響し、女性の生涯の健康を左右します。

身体が完成に向けて変化するのは、この時期だけです。やり直しはありません。

貧血は、血液の組成が充分ではない状態ですから、無月経と同様に栄養素欠損や栄養素の補給が間に合っていない状態です。とくに、鉄分は激しい運動をすると消耗します。
その時に血清鉄の値は下がりますが、通常は貯蔵鉄から補てんされて、その値はまた安定します。

 

 

 

血液データ

某大学で一月ごとに血液を検査している方にデータをいただきました。
観ると、他のミネラルと比較して鉄の値の上下幅が大きいことがわかります。
血清鉄は激しい運動をすると消耗し、数値が下がります。
基準値の上限を越えてしまったのが5月16日の273。
この方は、普段レバーを食べないのですが、検査値にどのくらい影響するかを試すために、検査の前日にレバーを食べてみたのだそうです。

血清鉄は運動による消耗も激しいのですが、貯蔵鉄がすぐにまかなってくれます。
ですが、ヘモグロビン値や血清鉄が正常範囲であっても、貯蔵鉄が減少していたり、激しいトレーニングが続くときは、鉄分をふくむミネラル全般の補給がとても大事です。

 

基本になるのは毎日の食事

ごはんは、白米を胚芽米や分づき米や玄米に

具だくさんのおみそ汁

旬の野菜

ごま と 豆

そして身体をしっかり休めること

寝顔13.3.7

栄養と日常生活#040:マグネシウム

前回までカルシウムの話しでした。

意外や意外、今でもカルシウムの摂取“神話”を信じる人が多いようです。
飲みたくもない牛乳を毎日飲み、好きでもない小魚を無理やり食べている人たちをよく見聞きします。

 

実際に自分も20年前までは、その一人でした。

「牛乳を飲まなければ大きくなれない!」、「カルシウムを摂らなければ、骨が弱くなって、歪んだ身体になる!」・・・等々と、周りの人に色々と忠告され、嫌な気持ちを抑えて一生懸命に牛乳を飲んだり、干した小魚を食べた経験があります。
しかし自分は牛乳を飲むとお腹を壊してしまうので、小学校、中学校の給食で出された牛乳は、何時も友人にあげていました(今では大正解!アンタは偉い!)。

じつは体に悪い19の食習慣 (ワニブックスPLUS新書)それでも175cmまで成長したのですが、「ひょっとしたら、牛乳を飲んでいたら、180cm以上に大きくなれたのかもなあ」と考えたことも何回もあります。

丈夫な体になるためには“カルシウム”が欠かせない、というのが過去半世紀の常識だったように思えます。

もちろん、カルシウムが重要なのは間違いない事実です。
カルシウムの摂取が重要であることは前回と前々回にご紹介しました。

ただ牛乳である必要はありません。

 

この数十年で分かってきた事実があります。
それはミネラルの相性とバランスです。

“偏り”という言葉がありますよね。
まさしくミネラルの摂取には、バランスが大切になります。
その中でカルシウムは、マグネシウムとのバランスが重要です。
実はカルシウムを摂取する際には、マグネシウムも摂取する必要があるのです(同時に摂取する必要はありません)。

マグネシウムは、正常な心臓と筋肉の機能、神経機能、脂肪の正常な代謝に必要であることが分かってきました。
しかし、まだまだマグネシウムの存在は、カルシウムよりも軽視されているように思えます。

“硬水”の時にもご紹介しましたが、マグネシウムはカルシウムと同様に、身体に必須なミネラルであることが実証されています。
以前はカルシウム”2”に対して、マグネシウム”1”のバランスと言われて来ましたが、今では”1対1”のバランスを提唱する人たちが増えています。

 

じつは危ない食べもの ~健康志向・安全志向の落とし穴~ (ワニブックスPLUS新書)マグネシウムは魚介類、大麦、ホウレン草などに多く含まれます。

マグネシウムはカルシウムと互いに協力し合い、また拮抗して働くことで、身体の機能を維持したり、調整することが分かってきました。
この2つのミネラルは、神経や筋肉に影響を与えています。

特に筋肉の収縮は筋内細胞の中にカルシウムが入り込むことで生じますが、マグネシウムは、その筋内細胞に入り込むカルシウムの量を調整しています。
この調整を行うマグネシウムが不足すると、筋肉の収縮がうまく行われずに、痙攣や震えの原因となることも判明しています。

またマグネシウムは、乳酸が溜まった状態での“こむら返り”の緩和などの効用があることは以前から報告されています。
糖尿病や、うつ病との関連性も多く報告されていますし、体内で起こる炎症反応もマグネシウムの摂取量で軽減すると言われています。
また、不整脈や高血圧、PMS(月経前症候群)、妊娠中毒症を減少させることも認められており、慢性疲労症候群や喘息にも効果があるとして処方されています。

成長期に必要とされるカルシウムは、12~14歳男性は1日に900mg、30~40歳では600mgですが、マグネシウムは成長期に240mgが必要とされます。
30~50歳では320mgが必要であると言われています。

ドクターズ540-3体重が70kgの人の体には約35gのマグネシウムが含まれます。
その内60~70%は骨組織に含まれ、残りの30%は血漿、赤血球、筋肉内にあります。
そして血清中のマグネシウムの約20%はタンパク質であるアルブミンと結合して存在しているのです。

アルブミンはリンパ液に多く含まれる少し分子量の大きいタンパク質です。
それは体内に含まれる毒素や老廃物を排除する重要な物質であり、浮腫である“ムクミ”や“セルライト”と深く関するリンパ循環や血液循環(特に静脈)との関係があると指摘されています。

何!ムッムッムッ!、と考えてしまいます。

奄美世のごはん#039:思春期の貧血(2)

思春期とは、生殖不能の子どもが、生殖可能の大人へと変わっていく時期をいいます。

それは単一の出来事ではなく、成長と発達の数年間にわたる過程をいいます。

第2次性徴が初めてあらわれた時が思春期の始まりで、充分に生殖能力を持つようになると終了します。

通常、女性は12~15歳、男性は13~16歳といわれます。
この時、身体の中では大きな変化が起こっています。

変化や成長が目に見える場合もありますが、見えないところでも、すさまじく変化し成長しています。

_thumb33この頃の栄養とエネルギーの必要量は、成人と比較すると体重あたり50%も多いのです。

ミネラルでは、特に、鉄、亜鉛、カルシウムの必要量が増加します。
どれも肉体の成長、つまり大きさや量の増加に重要なミネラルです。

そしてこれらはまた、脳の働きにも不可欠な栄養素です。
_thumb29身体のすべての組織が適切に機能するためには、脳が正常に機能しなければなりません。
記憶力、思考力、認識力といった能力も、脳が安定して働いてこそ発揮できるのです。

私たちが摂り入れた鉄は、赤血球のヘモグロビンに組み込まれ、脳に酸素を供給する働きを担います。

思春期に増加する鉄の需要を充分に補わないと、身体が必要とする鉄が不足して、赤血球の機能が低下したり、赤血球の数が減ってしまいます。
鉄欠乏性の貧血です。

32赤血球が運ぶ酸素量が減り、脳は様々な栄養の不足を伴って酸欠におちいります。
脳の機能は低下して、身体活動のコントロールだけではなく、精神的な制御にも混乱をきたします。

同じころに反抗期も訪れます。
発達心理学にはいろいろな考え方があって、提唱者によってとらえ方が違うのですが、反抗期は一般に、社会的発達、自我の発達の過程に、否定的また反抗的な態度が強くあらわれる時期をいうようです。

 

「鉄剤で、反抗期が終わっちゃいました」と、前回ご紹介した女の子のお母さん
「反抗期っていうのは、乱暴な言動をするものだと思い込んでいました。でも、貧血がよくなったら、乱暴ではなくなったんですよ。」

もちろん、親の言うことにすべてイエスというわけではなく、意見が食い違うことばかりなのだそうです。
でも、お子さんが言葉足らずではあっても、自分の考えや思いを伝えてくれるようになったので、お母さんも声を荒げることが減ったそうです。

_thumb6朝の目覚めがよくなり、お腹が空いていて朝ごはんをしっかり食べる。

ごろごろと横になることがなくなり、テレビを観るときも座っている。

よくしゃべる。
よく動く。
機嫌が良い。

 

小児科で鉄剤の処方を受け、数日もすると本人は身体の変化に気がついたそうです。

なにより運動時の身体の軽さを実感しているようで、「部活のあとの疲れがぜんぜん違う」、何度聞いても理解できなかった数学が、「なんでって思うくらい簡単だったよ」と。

そして、「食べものって、すっごいんだね」と。

 

貧血の徴候には、青白さ・衰弱・疲労・浅い(早い)呼吸・イライラ・じっとしていられない・集中力の欠如・感染症にかかりやすい・寒さに弱い・便秘・脱毛・かゆみなどがあげられます。

_thumb7また、血中のフェリチン値は、初期の貧血の指標になります。

フェリチンの値は、鉄の貯蔵量を表します。

血清鉄は減少するとすぐに貯蔵鉄から補充されますから、なかなか低下しませんが、フェリチン値は鉄分の摂取が足りないと低下していきます。

この状態が続くと血中への鉄分の補充ができなくなり、初めて血清鉄の値が低下し始めます。

血清鉄やヘモグロビン値が基準範囲内でも、フェリチンが低下している場合は、貧血の対策を始めましょう。

 

私たちの身体は、食べたもので創られます。
そして、どのように考え、行動し、学ぶかも、食べたものに影響されます。

ずっとずっと昔から食べ継がれてきた食


その地で採れるもの

その時に採れるもの