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『奄美世のごはん#012』

奄美では、海の恵みもカラフルです。

右下の写真の青い魚はエラブチといって、ブダイの仲間。
かわいらしいおちょぼ口ですが顎がとても強く、カニやエビを丸ごと噛みくだいてしまいます。

この強い顎はサンゴ礁も噛みくだいて、消化されないサンゴ礁の破片は吐き出されます。

エラブチが噛みくだいたサンゴ礁が、奄美の白い砂浜を作りあげるのだそうです。

えらぶち(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.comエラブチをはじめ海の幸は、奄美世の人々の良質なたんぱく源となっていました。
私たちの身体を造るたんぱく質は、アミノ酸がたくさんつながって出来ています。
私たちは必要に応じて約20種類のアミノ酸を入れ換え、作り変え、組み合わせを変えることで、成長し、病気を治し、ケガや組織の損傷を修復します。
また、アミノ酸はホルモンや酵素、免疫物質の成分にもなりますし、脳の働きを活性化させる働きも持ちます。
その時に必要な種類のアミノ酸が必要なだけ摂取され、プールされていることが大事です。
とくに身体のなかで合成することができない8種類(子どもは10種類)の必須アミノ酸は、1種類でも足りないと必要なたんぱく質を合成することができなくなります。

 

たんぱく質というとお肉や乳製品と思われがちですが、古くから日本人が食べ続けてきたお米は、主食となる穀物の中で最もアミノ酸バランスに優れています。
リジンという必須アミノ酸の含有量が少ないのですが、このリジンは豆類に豊富で、みそや豆腐、豆ご飯、納豆など、食事に豆を加えることで、充分に補うことができます。

またお米が、豆類に不足しがちなトリプトファンやメチオニンという必須アミノ酸を補ってくれるので、お米とお豆、ごはんとみそ汁という伝統的な組み合わせは、アミノ酸バランスの整った組み合わせとなります。
リジンはお魚にも多いので、今日のお昼に焼き魚定食はいかがでしょう。

主食となる他の穀物、小麦やとうもろこしは、トリプトファンという必須アミノ酸の含有量が少ないのです。
ですから、パンやパスタを主食にする欧米食に傾くと、トリプトファンの不足が起こりやすくなります。

トリプトファンは、脳内で神経から神経に情報を伝える神経伝達物質のセロトニンの材料となります。
ですから、トリプトファンの摂取不足はセロトニンの不足につながります。
またセロトニンは、松果体でメラトニンという睡眠を誘発する物質になります。
セロトニンが不足するとメラトニンの材料も足りなくなって眠れなくなります。

証明はなされていませんが、うつ病の原因にセロトニンの不足が考えられています(セロトニンの量ではなく、セロトニンに反応する神経が、もしくはセロトニンがシナプスで、機能していないとする考えもあります)。
もしこの説が真実なら、セロトニンが不足している原因を取り除くことこそが、根本的な治療となるはずです。

たとえば、トリプトファンの摂取不足。
摂取していても胃酸不足など消化器の機能低下によって消化吸収ができない、トリプトファンをセロトニンに変換する際に必要な栄養素が不足している、脳内でセロトニンを受けとめる神経受容器の数や質の異常、などなど。

カイロプラクティックでは、固有感覚情報やその他の感覚器官からの入力を介して、縫線核が存在する網様体賦活系への神経刺激の入出力や情報処理の偏りを整えます。
7つの縫線核はセロトニンを産生していると考えられている神経細胞の塊で、これらの核の神経細胞は上行にも下行にも広範囲にわたって線維を広げています。
そして、さまざまな内外の環境の必要性に応じて、常に脳の働きを調整する重要な役目を担っています。

原因を取り除くことができれば、落ち込みをむりやりカフェインや薬剤で持ち上げたりすることも、寝るために大量の睡眠薬を飲み続ける必要も、なくなるかもしれません。

残念ながら、一般に豆類ではこのトリプトファンを補いきれないので、主食をパンやパスタにすると、どうしても肉や乳製品など動物性の食品を摂取することにつながります。

たんぱく源としての肉や乳製品といった動物性食品は、調理することも食べることも手軽です。
どこででも売られていて、安価なものもたくさんあります。
ですが、家畜の体内で起こる有害な物質の生物濃縮、促成肥育や大量生産のために使われるホルモン剤や抗生物質、血液の粘度を高め流れを悪くする動物性の飽和脂肪酸などのデメリットを考えると、やはり肉や乳製品は、奄美世の頃のようにたまに食べるごちそうの食材という位置づけが適当だろうと思います。 奄美の海の色をしたエラブチは、田中一村の画によく描かれています。
一村は、奄美の自然に魅せられて、奄美に住みついた画家です。
海の生き物のほかに、アダン(左上)やクワズイモ(右上)などの植物、くちばしの紅いアカショウビン(左下)、そして島の自然(右下)を題材にしています。

アダン 砂浜(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com クワズイモ(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.comアカショウビン ペア(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com 海(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com

一村の描いた島の自然や生命を、ずっと、ずっと、先の世代までつないでいきたいと思います。 

 

栄養と日常生活#012(仲井DC)

今回は炭水化物の仲間である食物繊維についてご紹介します。

食物繊維は糖質と同じ炭水化物ですが、人間の消化器には食物繊維を消化する酵素がありません。
ですので、食物繊維は糖質のように小腸から消化・吸収されることはありません。

そこに目をつけたのがダイエット食品メーカーです。
食物繊維はどれだけ食べても吸収できませんし、水分を吸収しやすいために胃の中で膨らみますから、膨満感が早く得られます。
つまりダイエットにもってこいの食材なのです。
今までに色々な食材が紹介されてきましたが、どれも簡単に安く手に入る食材ですから、ダイエット食品メーカーは、多大な営利を得ることができず、地団駄を踏んでいるようです。

しかし食物繊維はダイエットだけでなく、多くの恵みを私達の体にもたらしてくれます。

まず食物繊維は、水に溶け難い“難溶性の食物繊維(植物の細胞壁を作る成分で、セルロース、セミセルロース、リグニン等)”と、水に溶け易い“水溶性の食物繊維(柑橘類や豆類に含まれるペクチンや植物ガム等)”に分類されますが、両方の食物繊維を含む食物も沢山あるので、余りこだわる必要はありません。

 

さて食物繊維のダイエット以外の作用を説明します;

  • 作用1
    食物繊維は胆汁を吸収して、体外に排泄します。
    肝臓はコレステロールから新たな胆汁を生成しますので、結果として、コレステロールが減少すると考えられています。
  • 作用2
    食物繊維は消化を遅らせることでブドウ糖の分解を遅らせ、ブドウ糖を徐々に吸収するように働くため、膵臓から放出されるインスリンによる負担を減らします。
  • 作用3
    食物繊維はよく噛まないと飲み込めません。そのために顎の骨や筋肉の発達を助けます。
    また前述しましたが、摂取された食物繊維は胃の中で膨脹するので、満腹感を早くに感じさせます。
  • 作用4
    食物繊維は大腸に入ると、水溶性の食物繊維は腸内細菌によって発酵され、酢酸、プロピオン酸、酪酸、メタン、水素、炭素ガスに分解されます。
    酢酸、プロピオン酸、酪酸は短鎖脂肪酸または有機酸とも呼ばれ、大腸の善玉菌であるビフィズス菌のエネルギー源となります。
    そのため善玉菌が優性となり、悪玉菌が減ります。そして大腸内のpH(ペーハー)を弱酸性に保つことで腸内の腐敗を防ぎ、更に悪玉菌が繁殖し難い環境を作ります。
  • 作用5
    難溶性の食物繊維は、便を適度に水っぽい状態に保ち、大腸の蠕動運動を誘発して排便を助けます。
    また難溶性の食物繊維は腸内の掃除も行い、悪玉菌と一緒に排泄します。
    難溶性の食物繊維1グラムに対して、便は3~4グラム増えるのに対して、水溶性の食物繊維は1グラムに対して2グラムしか増えないとも報告されています。
どうでしょう?
食物繊維はこんなに色々な素晴らしい働きをして、私達の体を守ってくれているのです。食物繊維様・様と言っても過言ではありません。

しかし、これだけ私達の体に素晴らしい作用をもたらしている食物繊維を、わざわざ手間をかけて排除している人達がいます。
一番が今まで説明してきた“精製する”という作業です。
食物繊維が私達の体にもたらす恩恵は数知れないのに、わざわざ手間をかけて取り除いているのです。
これは驚きとしか表現できません。
ちなみに世間に出回っている「○○野菜ジュース」も実は食物繊維が省かれています。
ご参考までに。

 

最後に食物繊維を多く含む食品をご紹介します;
  • セルロース
    小麦全粒粉、ふすま、キャベツ、いんげん、さやえんどう、グリーンピース、豆類、ブロッコリー、芽キャベツ、キュウリの皮、ピーマン、リンゴ、ニンジン
  • へミセルロース
    ふすま、シリアル、無精製の穀類、芽キャベツ、ピーマン
  • 植物ガム
    オートミール、オート類、豆類
  • ペクチン
    リンゴ、柑橘類、ニンジン、カリフラワー、キャベツ、豆類、ジャガイモ、カボチャ、イチゴ
チアシード_1ちなみに以前ご紹介したチアシードにも水溶性と難溶性の両方の食物繊維が大量に含まれています。
どうしても食生活に偏りが生じるのであれば、外出先で購入したお惣菜やインスタント味噌汁に水で溶いたチアシードをティーカップ2~3杯入れてお召し上がり下さい。

チアシードは味がありませんので、抵抗なく召し上がることが出来ます。
またチアシードは脂肪で詳しく説明しますが、私達に不足している必須脂肪酸であるオメガ3と6を豊富に含んでいます。
アマニ油よりもオメガ3が多く、種自体に自然な防腐剤が含まれますので、持ち歩くのにも最適です。

aass_ca-02ch_12これからは、精製されていない炭水化物の摂取を心掛けたいものです。

 

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