古田朋子先生による栄養学講座『奄美世(あまんゆ)のごはん』を連載します。

■古田朋子プロフィール
1964年奄美生まれ。Holistic Nutrition(米国)学士・修士。創価大学(通信教育部)卒業。
PAAC(パシフィックアジアカイロプラクティック協会)付属ユニバーサルカイロプラクティックカレッジ卒業。
在学中よりセサミ・カイロプラクティックに勤務する。
PAAC認定・MCC(メディカルカイロプラクティックカレッジ)認定・米国SORS(Sacro Occipital Reserch Society International)認定のカイロプラクター。ハンズプラクティスカレッジ栄養学/婦人科学講師。
数多くのカイロプラクティック関連の訳本を手掛け、自らも業界専門誌「セサモイド・カイロプラクティック・ジャーナル」の編集に携わる。

奄美世のごはん#046:基本の5

忙しさに、見上げることを忘れていたら、とうとうこいのぼりを見損ねてしまいました。

 

さて、糖質の摂取で気になるのが血糖値。血糖値とは、血液中のぶどう糖の量を示す値です。
食べ方や生き方に合わせて、私たちのからだはこの血液中のぶどう糖の量を、さまざまな方法で一定に保とうとします。

 

まず、血糖値を下げる作用をもつのがインスリン。
インスリンは、血中にぶどう糖が増えると分泌されます。
そして、身体の中の細胞や組織に働きかけ、血液中のぶどう糖量を調節します。
肝臓はインスリンの作用で、運び込まれたぶどう糖を貯蓄型に変えて貯めておきます。

ぶどう糖の貯金が上限を越えてしまうと、残りのぶどう糖は脂肪に変えられ脂肪細胞に運びこまれます。
脂肪細胞では脂肪の蓄積が進み、分解は抑制されます。

インスリンが存在するうちは、貯蓄型ぶどう糖を転換して血中に放出し血糖値を上げないように、肝臓が抑制されます。

どれも血糖値を下げる効果を持ちます。

筋肉は、静止時や激しい運動をしていない時で、インスリン分泌がない時は、脂肪をエネルギー源として利用していますが、食後に血糖が増えインスリンが分泌されると、ぶどう糖の取り込みと利用を優先します。

必要以上のぶどう糖が運び込まれると、筋肉は肝臓と同様にぶどう糖を貯蓄型に変換して貯えます。

筋肉もインスリンの作用で、血中のぶどう糖量を少なくするよう働きます。

他のほとんどの組織も、インスリンの作用でぶどう糖を取り込みエネルギー産生に使って、血糖値を下げます。

 

反対に血糖値を上げる作用を持つ物質はいくつかあります。

その中のひとつ、副腎の皮質が分泌するコルチゾル(糖質コルチコイドの一種)というホルモンは、感染症や暑さ寒さ、過剰な運動などの身体的なストレスや、精神的ストレスに適応するために働きます。
身体の細胞がぶどう糖を利用するのを抑制して、血液中のぶどう糖を増やします。
ストレス下で、脳が他の組織と競合せずにぶどう糖を利用するためです。

脳は他の細胞組織と違い、インスリンの作用がなくても、血中のぶどう糖を取り込んで利用することができるのです。

コルチゾルの作用で、肝臓は貯蓄型のぶどう糖を転換して、血中にぶどう糖を放出します。

ほとんどの組織では、細胞内のぶどう糖の利用速度が低下し、代わりに脂肪組織が放出した脂肪や、たんぱく質を分解したアミノ酸の利用が促されます。

また筋肉は、コルチゾルによりたんぱく質の合成を抑えて、たんぱく質を分解してアミノ酸を放出します。他の組織でも同様にたんぱく質を分解し、アミノ酸を放出します。

たんぱく質の合成の抑制は、特にリンパ節や筋肉で起こります。増加した血中のアミノ酸は、組織によるエネルギー代謝と、肝臓の酵素に利用されます。

強いストレスが続くと、コルチゾルが分泌され続けます。

分泌され続けるコルチゾルの作用で、たんぱく質や脂肪が分解され利用されます。

血糖値の上昇には、インスリン分泌がなされ、血糖値を下げて一定に保つよう身体に働きかけます。

ストレスに対応するために血糖の増加が必要になれば、コルチゾルが血糖値の上昇に働きます。

 

こころ や からだ をていねいに

上げすぎず 下げすぎず

良い加減に暮らすのは

なかなか ちょっと むずかしい

奄美世のごはん#045:基本の4

わかってるけど、止められないんですよね、甘いもの。

私たちは、美味しいものを食べると、とても幸せな気分になります。
なんだか、とても優しくなります。

どうしてでしょう?

私たちが、美味しいものを食べることで得る満足感は、2つの作用により作られるそうです。

1つめは味覚です。美味しいものを食べると、舌にある細胞が味を感じます。その味覚の情報が神経を通って、「美味しい食べ物が身体に入ってきた」と脳に伝えます。

もう1つは、食べた後に身体の中で、血糖や食べ物に含まれていた様々な栄養素が増えたことを、脳が感知します。

この2つの作用が統合されて、脳の中の報酬系という部位に伝達されると、神経伝達物質のドーパミンやエンドルフィンが分泌され、心地いい感情や、多幸感をもたらすと考えられています。

そんなわけで、私たちは、甘い物の誘惑にまどわされるのです。

 

さんのかぼちゃ|奄美世のごはん by 古田朋子(Doctors' Suggestion) 黒砂糖ラスク|奄美世のごはん by 古田朋子(Doctors' Suggestion) お芋焼き|奄美世のごはん by 古田朋子(Doctors' Suggestion)

 

2つの作用はまた、満腹中枢を活性化し、摂食中枢を抑制します。
お腹が満足して、食べるのを止めようとします。

fMRIの実験で、カロリーのある砂糖液と、カロリーのない合成甘味料液を摂取したときの、脳の反応を観察したら、こんな結果が出たそうです。

夏みかんピールの寒天|奄美世のごはん by 古田朋子(Doctors' Suggestion)砂糖やぶどう糖を摂取した時には、舌で甘味を感じ、さらに吸収した後に血糖値が上昇するので、脳内で摂食の信号が抑制され、食べる欲求が抑えられます。

しかし、アスパルテームやマルトデキストリンなどの、合成甘味料の摂取では、舌の細胞は味を感じますが、血糖値を上昇させないので、摂食の信号の抑制が観察されません。

血糖が増えないので2つめの作用が起こらず、報酬系の活性もなされませんから、ドーパミンやエンドルフィンは分泌されず、食後の満足感が低下します。
これはさらに食べものを欲するきっかけともなります。

合成甘味料はまた、砂糖(蔗糖)より強い甘味を持つため、自然な甘味では満足できなくなります。
甘味への依存が高まったり、血糖値を上げないから、低エネルギーだからと、過剰な摂取につながる危険性もあります。

しかし、血糖値のコントロールが必要な人には、便利な甘味料です。
ていねいに、過剰摂取にならないよう、上手に利用しましょう。

 

何を食べますか
誰と食べますか
どこで食べますか

食べるものに感謝して
食べる楽しみをじっくりと味わう

 

小豆ごはん|奄美世のごはん by 古田朋子(Doctors' Suggestion) フライパンクッキーよもぎ|奄美世のごはん by 古田朋子(Doctors' Suggestion) 梅ジャム|奄美世のごはん by 古田朋子(Doctors' Suggestion)

奄美世のごはん#044:基本の3

春分の日は、太陽が出ている時間と沈んでいる時間がそろいます。

その日、太陽は真東から昇って、真西に沈みます。

一気に階段を駆け上がるように、血糖値を急激に上げてばかりいると、私たちの身体は疲れきってしまいます。
血糖の急激な増加を、なるべく穏やかにする工夫をしましょう。

そのためにはまず、糖質の種類の選択です。

つながる数が少なければ少ないほど、消化吸収の速度は速く、血糖の増加も急激になります。
このような糖質を減らしてあげると、身体は階段を駆け上がる必要が減って、他に働く余裕ができます。

加工した食べ物や飲み物を購入する時には、原材料の表示を確認して、〇〇糖という表示がある物を避けるといいでしょう。
甘酢:奄美世のごはん by 古田朋子(Doctors' Suggestion)前回お伝えした、液体の異性化糖は身体にも環境にも負担をかけます。
調理をするときには、単糖類や2糖類など、精製された糖分を避けたり、使う量を減らしましょう。

オリゴ糖は消化吸収されにくいため、血糖の上昇を抑えるといわれます。
ところが、オリゴ糖使用をうたう商品の中には、オリゴ糖より蔗糖の割合が多かったり、スクラロースなどの合成甘味料を使用したものもあります。
原材料の表示を確認してみましょう。

お米やお芋のでんぷんは多糖類です。
糖がたくさんつながっている多糖類は、つながる糖が少ないものより消化に時間がかかるので、血糖を上げる速度は比較的遅くなります。
少ない糖より多糖類です。
加工の程度や精製度が低いと、各種の栄養素とともに食物繊維も一緒に摂ることができます。

 

大根葉:奄美世のごはん by 古田朋子(Doctors' Suggestion)糖質の種類の選択ができないときは、食べるタイミングを利用します。

糖質の多い食品より先に、食物繊維を多く含む食品を食べましょう。
食物繊維によって消化吸収の速度が落ちるので、糖質の血中への吸収が穏やかになります。

食べ初めに野菜や海草など繊維質を多く含む料理を、よく噛んでゆっくり食べましょう。
ゆっくり食べることで、糖が体内に入ってくる速度を抑えることができます。
良く噛むことが満腹中枢を刺激して、食べ過ぎを防ぐことにもつながります。

また、陽が傾く前、日中のほうが血糖値が上がりにくいとする研究もあります。

 

唐揚げランチ:奄美世のごはん by 古田朋子(Doctors' Suggestion)でもやはり、食べた分だけ血液中の糖は増えます。
精製度の低い多糖類を選んで、ゆっくり食べて、消化の速度を穏やかにしても、体内で使う先のない糖質は、一部を除いて脂肪に変換されて貯えられることになります。
この脂肪は、皮下にも臓器にも血管内にも蓄積します。

とはいえ糖質は食べる楽しみをもたらします。
無理な制限をするより、自分自身の良い加減を探してみてはいかがでしょうか。

血糖の恒常性維持において、食べることに加えて欲しいのは運動です。

運動をすると筋肉がエネルギー源として血中のぶどう糖を使います。
筋肉はインスリンの助けがないときでも、AMPキナーゼという酵素によって血中のぶどう糖を利用することができるのです。

 

ひとつ手前のバス停で降りる。
遠い方の改札を利用する。
出かける時に少しだけ遠回りをする。
駐車場の端っこを利用する。
片道だけ自転車を押して歩く。
階段の利用を増やす。

けっして激しい運動をする必要はありません。続けることが大切です。

 

そして・・・

一日を振り返る

一週間を振り返る

足りなかったものはありますか

食べ過ぎたものはなんでしょう

日没:奄美世のごはん by 古田朋子(Doctors' Suggestion)

奄美世のごはん#043:基本の2

立春に生まれた春が、あちらこちらに顔をのぞかせています。
花が咲き、新芽が出ます。

植物が陽の光を利用して創り出した炭水化物から、食物繊維を区別したものが糖質です。
糖質は、つながっている糖の数によって分類します。

糖ひとつが単糖類、ふたつが2糖類、オリゴ糖は学問的な定義はないようですが、一般に2~10個程度のものを指すようです。

そして、多糖類は糖が数十個から数百万個つながっています。

阿室の亀 | 奄美世のごはん by 古田朋子(DoctorsSuggestion)台所にある砂糖の主成分は“蔗糖”です。
ぶどう糖と果糖がひとつずつつながった2糖類の仲間で、化学名が“蔗糖”です。

砂糖のうち、蔗糖の含有量が95%を超えるものが、上白糖や三温糖。
高純度の糖液を結晶化させたグラニュー糖や氷砂糖は、99.9%が蔗糖です。
商品にもよりますが、てんさい糖は85%で黒砂糖は75~86%です。

蔗糖は、単糖類がふたつつながっただけですから、消化吸収が速く、血糖が急激に増えます。

砂糖の中でもっともミネラルの含有量が多い黒砂糖もやはり、その主成分の蔗糖が急激に血糖値を上げてしまいます。

 

シマの海 | 奄美世のごはん by 古田朋子(DoctorsSuggestion)血糖値とは、血液中のぶどう糖の量です。
果糖は、消化管もしくは肝臓でぶどう糖に変えられ血中に入りますから、やはり血糖の上昇につながります。

私たちが口に入れ消化吸収し身体に入ってくる糖質は、その量が同じであっても、ゆっくり入ってくるのと急に入ってくるのとでは、身体の対応の仕方がずいぶんと違います。

例えば、階段を2階まで昇るとします。
一段ずつゆっくり昇るのと、一気に駆けあがるのとでは、ぜんぜん違うでしょう。
血中の糖の量の増減も、その速さによって、身体の反応が違うのです。
急激な血糖の上昇は身体にひどく負担がかかるので、これを遅らせる工夫が必要となります。

摂取後に否応なく、駆け上がらなければならなくなるものが、“ぶどう糖果糖液糖”です。
トウモロコシのでんぷんを化学的に加工したコーンシロップから作られる、“異性化糖”のひとつです。

 

花富海岸 | 奄美世のごはん by 古田朋子(DoctorsSuggestion)多くのペットボトル飲料、スポーツドリンク、スタミナドリンクなどに使用されている、液体状の単糖類です。

液体ですから咀嚼の必要がありませんし、単糖なので消化の時間もかかりません。
酸味料や香料などで、飲みやすくなっているので、ごくごくと一度にたくさん飲めてしまいます。

砂糖よりも安価で、加工に手間がかからず、消費期限も長いので、あらゆるソフトドリンクに使われています。

この“ぶどう糖果糖液糖”の素、輸入コーンシロップの原料となるトウモロコシは、遺伝子組み換えトウモロコシがほとんどであり、栽培時に大量の農薬が使用されます。

つまり、この液体状の単糖類は、私たちの身体だけではなく、土地の状態も大きく変えてしまうものなのです。

 

選んでほしい食べものは、

身体が喜ぶ食べもの

心が喜ぶ食べもの

地球が喜ぶ食べもの

 

アカヒゲ | 奄美世のごはん by 古田朋子(DoctorsSuggestion)

奄美世のごはん#042:基本の1

奄美のヤマにも、春を告げる花が咲き始めました。
春がそこまで来ています。

仲井DC(ドクターオブカイロプラクティック)が、栄養素の解説をひとめぐりしたようですので、今度はあまんゆ風に、のんびりとこまごまと、栄養素をひも解いていきたいと思います。

 

私たちが、生きていくためのエネルギーの源となる栄養素は3つ。

脂肪 炭水化物 たんぱく質

この3つを3大栄養素といいます。

ヒカンザクラ|奄美世のごはん by 古田朋子(Doctors' Suggestion)エネルギーをつくるだけではありません。
身体を作る材料にもなりますし、神経情報を伝達したり、ホルモンバランスに関与したり、いろいろな働きを持っています。
どれも生命に不可欠な多量栄養素です。

この3つに、体内の化学変化にとても重要なビタミンとミネラルを加えると、5大栄養素となります。
ビタミンもミネラルも、そのほとんどが私たちの身体に不可欠な栄養素です。

 

食物繊維は炭水化物に含まれています。
その昔、食物繊維は消化できない成分で、私たちの身体には不必要なものだと考えられていました。
ところが、食物繊維の持つさまざまな働きが解ってきたので、最近は炭水化物をきちんと、糖質と食物繊維に区別して表現することも増えてきました。
ですから、食物繊維をひとつとカウントすると、6大栄養素となります。

 

サイヨウシャジン|奄美世のごはん by 古田朋子(Doctors' Suggestion)フィトケミカルは、植物に含まれる化学物質で、私たちの身体の調子を整えたり、機能の補助をするなど、さまざまな働きを持つ栄養素です。
6大栄養素に、次々と発見されるフィトケミカルを足すと、7大栄養素となります。

 

そして、8つめが水です。
まず炭水化物といきましょう。

私たちは、生命維持や活動に必要なエネルギーをつくる時、摂取した炭水化物中の糖質を、血液を介して身体のあちらこちらの組織に運び、細胞のエネルギー源として利用します。
身体の組織は、糖を優先的にエネルギー源として利用します。
血液中の糖が足りなくなると、肝臓が貯蓄していた貯蓄型の糖をもとの形に戻して、血液中に放出して、他の身体の組織に糖を提供します。

アリモリソウ|奄美世のごはん by 古田朋子(Doctors' Suggestion)貯蓄していた糖も足りなくなると、肝臓はたんぱく質を分解して糖をつくることで、他の組織に糖の供給を始めます。
身体は同時に脂肪もエネルギー源として使い始めますが、脂肪を燃やす過程には糖が必要となります。

また、脂肪をエネルギー源として代謝できない組織もあります。
その組織の細胞は、やはり糖質によるエネルギー産生が必要ですから、万が一にでも糖質の供給がストップしてしまったら、生命維持のエネルギー産生ができなくなってしまい、その細胞は死んでしまいます。
私たちの身体はさまざまな仕組みを駆使して、増やしたり減らしたり、血液中の糖の量を一定に保とうとするのです。

 

 

エゴノキ|奄美世のごはん by 古田朋子(Doctors' Suggestion)糖質が必要以上にある時、私たちの身体は糖を貯蓄タイプの形に変えて貯蓄します。
貯蓄の場所は肝臓と筋肉です。
肝臓は血液中の糖が足りなくなると、他の組織のために、貯蓄した糖をもとの形に戻して血液中に放出します。
筋肉は貯蓄タイプの糖の形をもとに戻す酵素をもたないので、血液中には放出できず、筋肉から他の組織への糖の供給はできません。
筋肉に貯蓄された糖は、その筋肉でエネルギー源として使用されます。

 

ヘツカリンドウ|奄美世のごはん by 古田朋子(Doctors' Suggestion)さて“光合成”覚えてますか?
植物は、お陽さまの光を浴びて光合成を行います。
そうです、思い出していただけたでしょか?

炭水化物は、植物が葉緑素で水と二酸化炭素から光のエネルギーを利用して創り出します。
植物がみずからのエネルギー源や構成成分としてつくり出した炭水化物を、私たちは分けてもらっているのです。

 

 

 

陽の恵み 土の恵み

自然の恵みを 大切にいただく

感謝して いただく

奄美世のごはん#041:歯茎の出血と貧血

冬至が近づき、空気が冷たく、きりっとしてくると遮るものが減って、星の光がきれいに届きます。

そろそろ貧血のおはなしを終わります。
最後に、二次的に引き起こされた貧血が、悪循環を起こしていた症例をお伝えしましょう。

 

歯肉からの出血は、多くの方が抱えている問題ですが、さしあたって食べることに支障がなければ、気にしつつも放置していることが多いようです。
貧血に結び付けることもほとんどありません。
歯医者さんで食事の指導をしてもらったという方にも、まだお逢いしたことがありません。

ベランダ農園(ミント)|奄美世のごはん by 古田朋子(ドクターズ・サジェスチョン)歯茎からの出血だけを取り上げると、歯肉のコラーゲン生成のためのたんぱく質不足や、ビタミンCの不足などが考えられます。
しかし、歯肉の組織の崩壊を予防または食い止めるには、食の全般を考えなければいけません。

 

肩凝りと頭痛の症状を訴えて、セサミにいらっしゃった患者さんの朝食をご紹介します。

彼女の歯茎は数年前から腫れていて、むずむずじくじくしていました。
フレンチトースト・カフェオレ・ヨーグルト・果物(オレンジやグレープフルーツ)。

食事の改善を始める前は、ほとんど一年を通してほぼ毎朝このようなメニューでした。
もちろん、ご本人なりに食べ物には気をつかっていらっしゃったのです。

例えば・・・

    • ベランダ農園(はんだま)|奄美世のごはん by 古田朋子(ドクターズ・サジェスチョン)トーストもカフェオレも甘くするのですが、いわゆる白砂糖ではなく有機栽培のてんさい糖(含蜜糖ではない)を使用。
    • 卵は平飼いの、抗生物質を使っていないもの。
    • ヨーグルトに入れるはちみつは国産。
    • オレンジやグレープフルーツは輸入したものですが、防カビ剤や抗菌剤などのポストハーベスト不使用のもの。
どれも素晴らしいこだわりなのですが、このメニューは食事というのには栄養価が低すぎます。
どの食品も嗜好品のグループに入れて欲しいものです。決して毎日の食事に位置付けられるものではありません。

少なめに見積もっても、甘味を出す調味料(砂糖・はちみつ)がティースプーン3杯。
これを代謝するだけのビタミンBはほとんど摂取できていません。
ベランダ農園(ゆきのした)|奄美世のごはん by 古田朋子(ドクターズ・サジェスチョン)せっかくの柑橘類のビタミンCも、甘いものが一緒だと細胞に入り込みにくくなります。

他のビタミン類は殆ど摂取できず、カルシウム以外のミネラルも十分ではありません。
また、ビタミンミネラルが不足していると、卵や乳製品のたんぱく質を分解し吸収したあと、体内で組み換えて利用する工程がスムーズにいきません。

歯茎の修復どころか、生命維持に手いっぱいといったところでしょう。

 

そして、どの食材も軟らかく、噛む必要のないものばかりです。
噛むという行為を行わないと、消化管における消化吸収能が低下することが判っています。

 

お聞きすると、もともと野菜は調理の手間がかかるのであまり食べていなかったそうです。
さらに、硬い物を食べると歯茎から出血するので、だんだんと硬い物といっしょに野菜を避けるようになったのだそうです。

 

ベランダ農園(小松菜)|奄美世のごはん by 古田朋子(ドクターズ・サジェスチョン)セサミでは、副腎と消化管の反応に対する治療をさせていただき、食の改善をお願いしました。

まず、がんばって頂いたのは、甘いものを摂らないこと。特に、食事には組み込まないこと。

そして粉食を避けること。
つまり主食になる穀類を粉にせず、粒状のまま食べること。
できるだけご飯を炊いてもらい、小麦やトウモロコシなどの穀物を粉にした食品を避けてもらいました。

そして、少しづつでも旬の野菜を食べること。

 

初めのうちは、思うようにいかなかったり、がまんできずに甘いものを食べてしまったりと、四苦八苦なさっていました。

ベランダ農園(大根葉)|奄美世のごはん by 古田朋子(ドクターズ・サジェスチョン)それでも、改善が歯茎の状態にすぐに反映されて不快感が減り、なにより睡眠の邪魔をしていた皮膚のところどころにあった発赤を伴ったかゆみが、あまり出なくなったので、ぐっすり眠れるようになり、翌朝の目覚めや日中の疲労感が減ったとのこと。
次第に出血もしづらくなりました。

 

歯茎からの出血が減ることで、血液の損失が減ります。

よく噛むことができるようになると、ビタミンミネラルが豊富な食材を、しっかりと噛んで食べることができるようになります。
十分な栄養の吸収がなされると、赤血球の生成が正常になり、不足していた赤血球の数と質を補います。

この方は、血液検査に大きな変化はまだ観られていませんが、身体症状が変わっていくことを感じ、自分の体を創り動かす食べ物を、とても大切なものだと実感できたと、話してくださいました。

 

甘いものが欲しくなったら、

かぼちゃやさつま芋を蒸しています。

りんごや柿をかじります。

ごはんとみそ汁

旬の野菜を毎日しっかり