『奄美世のごはん#016』

暑い夏がやっと過ぎて、朝夕の空気がひんやりしてきました。

陽が傾くのも早くなり、これから少しずつ夜が長くなっていきます。

暑さで低下していた消化器の調子ももどってきて、映画を観ながら、おしゃべりをしながら、ついつい食べ過ぎたり飲み過ぎたり。

気をつけて欲しいのはアルコール。
あまり認識されていないのが、膵臓への負担です。

へごの新芽とせみの抜け殻とコオロギ(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com膵臓は、インスリンを分泌して血糖値をコントロールしたり、また十二指腸に消化酵素を分泌して食べた物を分解します。
血糖値の上昇というと、甘い物と思われがちですが、アルコールは糖質の仲間ですから、砂糖を食べた時のように血糖値を上げてしまいます。
上がってしまった血糖値を下げるために、膵臓はインスリンを分泌しなければなりません。

血糖値の急激な上昇が頻繁に繰り返されると、の分泌と分解のバランスが崩れて、血糖値が下がり過ぎて低血糖を起こすこともあります。
疲れを感じたり、イライラしたり、不安になったり、甘いものやアルコールへの欲求が強くなったりと、さまざまな心身の症状が現れます。

慢性膵炎の原因は、なんと60%がアルコールの飲み過ぎ。
インスリン分泌に影響を及ぼして、糖尿病を併発する場合もあります。

ススキ1(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com膵炎の症状はみぞおちや背中の痛み、下痢や食欲不振。
消化酵素の産生が影響を受け、消化機能の低下が加わると栄養状態が悪化し、さまざまな症状や病気を引き起こします。

膵臓は血管や神経の分布が多い臓器なので、出血や痛みが起こりやすいのですが、痛みなどの症状がないまま膵炎が進行する場合もあるそうです。
毎日3合以上のアルコールを10年以上飲み続けている人は、発症の確率が高いという統計が出ています。

アルコールは、消化機能を低下させ栄養状態を悪化させるだけではなく、肝臓で分解されるときに身体に必須な栄養素を大量に消費します。
とくに不足が起こる栄養素が、ビタミンB群、ビタミンC、そして亜鉛です。

亜鉛は、身体のなかで多くの酵素を活性化させる働きを担っています。
DNAの分裂には欠くことのできないミネラルです。

ススキ2(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com影響はまず細胞の入れ代わりが早い組織に表れます。
味蕾は舌にある味覚を感じる感覚受容器で、亜鉛不足を早い時期に反映するので、味覚異常が亜鉛不足の指標にもなります。
亜鉛が不足すると細胞分裂が正常に進まないので、傷の治りが遅くなります。
またビタミンAの働きを助ける酵素の活性が低下するため、暗い所でものが見えにくくなることもあります。
前立腺の肥大も亜鉛不足が一因となります。

寒さでうまみを増す牡蠣は、亜鉛の摂取に最適です。
ただ、揚げ物にしてしまうと、膵臓に負担をかけてしまいますから、鍋ものや、炊き込みごはん、焼く、蒸すなど、調理方法を選びましょう。

他に亜鉛を多く含む食品は、精製度の低い穀物と豆類です。
このおなじみの伝統的な組み合わせは、アルコールの分解で大量に消費するビタミンB群も豊富に含みます。
みそ汁に入れる旬の野菜や芋類で、安定したビタミンCを補給することができます。
ごはんにかけるゴマには、亜鉛や他のミネラルも含まれています。

クロアゲハ(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.comベランダの鉢植えのみかんの木に、毎年アゲハが卵を生みつけにやってきます。
ところが、今年巣立ったアゲハは春先にたった1匹だけ。
放射能の影響だろうかとか、近所でネオニコチノイド系の殺虫剤でも撒かれたのだろうかとか、でも今、私には来年の春を待つことしかできない。
人間の力とはこんなものなのだろうかとか、考えるしかできない。

 

友人に、「切株にできた小さな森」の写真をもらいました。

切り株の森(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com

自然はすごい、確実に生命をつないでいる。


『奄美世のごはん#015』

受精卵は、お母さんの卵子と、お父さんの精子が、今生でめぐり逢って誕生します。

受精卵となる、卵子と精子の幹の細胞は、お母さんとお父さんが、それぞれのお母さん(おばあちゃん)のお腹のなかにいた時に形作られました。
つまり、受精して子どもに成長する精子と卵子は、お母さんとお父さんが、おばあちゃんのお腹の中にいる時に、おばあちゃんが食べたり飲んだりしたもので作られているのです。

それぞれのおばあちゃんが食べたもので作られた、お母さんの卵子とお父さんの精子が出逢って、お母さんのお腹のなかで、子どもへと成長します。
その子どもたちの精子や卵子が、いつか誰かとめぐり逢って、受精卵となり、新しい生命となるのです。
双子誕生(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com四世代の生命が、物理的につながっているのです。

さて、8月のコラーゲンの話よりややこしくなりましたが、
いま、あなたは、この四世代のどこに当てはまりますか?

あなたの家族は、どうですか?
5年後、10年後はどうでしょうか?

 



食べ物やサプリメントの原材料を確認してみましょう。

例えば、原材料の枠の中に、ピーマンやレモンではなく、”ビタミンC”とか”L-アスコルビン酸”と記載されていた場合、たしかにそれはビタミンCとしての作用を持つのかもしれませんが、何を原料にしているのかがわかりませんよね。
L-アスコルビン酸の原料には、多くの場合コーンシロップが使われているそうです。
コーンシロップの分子構造の一部を化学的に作り変えて、L-アスコルビン酸、つまりビタミンCを合成します。
最近は石油由来のL-アスコルビン酸もあるそうです。

コーンは、日本の輸入穀物のなかで、小麦や大豆をはるかに上回る輸入量で、ダントツの1位。
ほとんどがアメリカ産。
そしてアメリカで栽培されるコーンの8割強が遺伝子組み換えコーンと言われています。

海雨荒波(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com遺伝子組み換え作物が、一般に出回るようになり、私たちが口にするようになってから、まだそれほど時間は経っていません。
遺伝子組み換えの作物で人間に健康被害が出たとする、確たるデータはまだありませんが、現状で気になるのは、遺伝子組み換え作物を栽培する際に大量に使われる、強力な農薬です。
これは、とてもとても長い年月、環境に残留します。
そして環境を介して、次世代に影響します。

私たちは、ひとりひとりが選択する自由を持っています。
でも、誕生して間もない生命や、まだ誕生していない生命は、選択するすべを持ち合わせていません。

同じものを食べても、楽しく食べたときと、怒りながら食べたときでは、消化吸収の率が違います。
身体のなかで作られるものも違います。

双子アイス(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com子どもたちは、おばあちゃんが食べたものだけではなく、おばあちゃんの心もいただいて、生命をつないでいます。
おじいちゃん、お父さん、家族や、友だちや、地球上のあらゆる人々の想いもいただいて、生命をつないでいます。

 

前述した四世代のどれにもあてはまらないという方も、もうお役目を終えたと思っている方も、森羅万象、必ずつながっています。

 

台風の倒木(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com今年の夏の台風で、奄美の原生林の木々がたくさん倒れてしまいました。
恐ろしい自然の猛威として、人間の目に映る倒木ですが、木は倒れることで、遮っていた陽の光を地表まで導き、新し生命の芽吹きを培うのだそうです。

 

 

 

このつながりは、奄美の美しい海に届いています。

大浜うめまこ(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com

『奄美世のごはん#014』

古田朋子:DoctorsSuggestion.com真夏の奄美の海は本当に素晴らしく、一日中でも眺めていたいのですが、太陽が昇りきる少し前から傾き始めるまでは、砂浜はとてつもなく熱くなります。
サンオイルを塗って肌を焼こうなんて、とんでもない行為です。

亜熱帯の太陽の陽射しから身を守るために、植物はたくさんのビタミンや、フィトケミカル(植物栄養素)を創り出します。
なかでも、奄美で採れる果物には、ビタミンCがたっぷり含まれています。
特に、とけいそうとばんしろは、ビタミンCの含有率が高く、他の抗酸化物質もたくさん含んでいます。

島の畑にはとけいそう(パッション:↓)。庭木に、ばんしろ(グアバ)やパパイア、家の裏にはバナナが生っていたり・・・。

パッション(時計草)の青い実 パッション(時計草)の花

ニガウリそうですね、関東でいうなら庭先に柿が生っているような感覚でしょうか。

最近は、全国区になった緑のカーテンのにがうりも、ビタミンCの宝庫です。

 

 

 

 

パパイアの実パパイア(←)やパイナップルには、酵素も豊富に含まれています。
たんぱく質を分解してくれる酵素で、料理にも活用されます。

たとえば酢豚に入れるパイナップルは、豚肉を軟らかくするためのものです。
もちろん、加熱しますから、お腹の中に入ってからの酵素活性は期待できません。

パパイアは、熟したものもおいしいのですが、奄美では青いうちに野菜として調理することも一般的です。
生のまま漬け物にしたり、和え物にしたり。
生のままだと、酵素の働きが活発だからでしょうか、食べ過ぎないようにと言われます。

大根は、糖質を分解してくれる酵素を含む食材の代表格。
大根をおろしたものをお餅にからめて食べたことありますよね。
大根に含まれる酵素が、お餅の糖質の分解を助けてくれるので、胃もたれしないのです。

酵素が発見されるずっと前から、伝え行われてきたことです。
私たちの祖先が自ら感じとって、そして選んで来たことです。

 

酵素は、アミノ酸がつながって出来たたんぱく質ですから、加熱すると変性します。
また、腸の中で消化されて、アミノ酸に分解されてしまいます。
酵素の分子構造はとても大きいので、そのままの形で吸収されることはありませんし、腸壁や皮膚から血中やリンパ流に入ることはありません。

コラーゲンもアミノ酸がつながって出来たたんぱく質の仲間です。
私たちの身体の中で、3種類のアミノ酸を組み合わせて作られます。
身体の中でコラーゲンを作る時に、遺伝子情報を書き写すのですが、その時に材料のアミノ酸を少し作り変えます。
作り変えたアミノ酸でコラーゲンを合成するのです。
残念ながら、この作り変えてコラーゲンとなったアミノ酸は、分解してもコラーゲンの材料にはなりません。

ややこしいですね。

つまり、新たにコラーゲンを作る時は、アミノ酸を少し作り変えるという工程を経ないとならないのです。
すでにコラーゲンに含まれる、作り変えられてしまったアミノ酸は、その工程を通過してしまっているので、コラーゲンの材料にはならないのです。
ですから、コラーゲンを食べたり飲んだりしても、そのほとんどはコラーゲン合成には使われないというわけです。

コラーゲンは身体を支える支柱のような働きをします。
骨の強さも、肌の弾力も、コラーゲンのおかげです。
身体が必要とする、充分な量のコラーゲンを作り、補うには、材料となるアミノ酸をバランスよく摂取することです。
コラーゲンの合成に必要なアミノ酸は、リジン、グリシン、プロリン。
中でも、リジンは食べ物から取り入れないとならない必須アミノ酸です。

小麦はこの必須アミノ酸のリジンが少ないので、パスタやパンを主食にすると、豆類のたんぱく質では補いきれません。
ですから動物性のたんぱく質の摂取が必要となりますが、できれば、デメリットの多い肉や肉加工品ではなく、添加物の少ない卵や、汚染されていない魚介をおすすめします。

お米のリジン不足は比較的に少なく、豆類や大豆製品で充分に補うことができます。
そうです、ごはんとみそ汁です。

 

コラーゲンを合成するには、アミノ酸の他にビタミンCが不可欠です。
海の恵みのたんぱく質と、果物や野菜のビタミンCは、奄美世の人々の健康の礎。

私たちは今生に、身体を持って生まれてきました。
たったひとつの身体です。
宇宙のどこを探しても、その身体ひとつっきりです。
心がおだやかでいられる身体、魂のいごこちがいい身体。
それを感じとることができるのは、自分自身だけ。

 

奄美の海の日没の瞬間海水浴は朝のうちか、午後の少し陽が傾く前から夕方がベスト。

海に沈んでいく夕陽もきれいですが、島に入っていく夕陽を、海の中から見るのもまた、いいですよ。

『奄美世のごはん#013』

我が家では初めて、実のなる野菜を育てています。

いつもは小松菜やねぎ、バジルといった葉物野菜をベランダの植木鉢やプランターに植えてあるのですが、それは根っこが付いた野菜を買ってきて、根っこの部分を長めに切って土に挿すという、なんとも手抜きな栽培方法なのです。
しかしもとの野菜が元気だとこれがなかなかしっかりと根付いてくれて、肥料もあげていないのに汁の実ぐらいには成長するんです。

 

小松菜プランター(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.comそんな調子でいたら、ピーマンに次々とつぼみがついて花が咲き始めたのです。
このままでは栄養の取りっこで全滅してしまうと思い、家庭菜園でおいしそうなトマトを鈴なりに育てている友人に尋ねてみたら、茎や葉に充分に栄養がいくように、一番花と二番花はつむのだと教えてくれました。

 

小松菜ざる(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com植物の世話が上手な人は緑の手をもっているのだそうです。
そういう人はきっと、言葉ではない、いろんなものを感じ取ることができるのではないかと思うのです。
根っこが苦しそうだとか、水を欲しがっているなとか、それは見たり触れたりすることだけではなく、植物を“感じている”のではないかと。

このように“感じる”ということは、生き物として基本的な判断力とでもいうのでしょうか。
本来は自然に持っているもの、たとえば風邪で具合が悪い時に揚げものを食べたくないと感じたり、二日酔いの朝はたくさん水を飲みたくなるとか・・・。

頭でこれこれこうと考え判断するだけではなく、自然と“感じて”その“感じたこと”に従う。
疲れてるな~と感じたら、がんばりすぎないこと、休んでみること。
困ったときは、助けてと言ってみること、誰かに手伝ってと言ってみること。

 

私たちは感じることをおろそかにしてきたのでしょうか、歳を重ねるとともに少しずつ忘れてしまっているように思います。
たとえば腐っていることが分からずに、お腹を壊してしまったり、身体からの信号や痛みに気付かずに、病気になってしまったり。

徳仁トマト(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com食べ物やサプリメントの摂り方も同じです。
外の環境だけではなく、自分自身の身体の中、心の中を確かめながら、考えたり、感じたり、してみてください。
健康に良いらしいというだけではなくて、どう良いのか、自分の身体が必要としているものなのか。
考えても分からない時は、専門の知識のある人に聞いてみたり、調べてみる。
そして感じてみる。

たとえばサプリメントや食べ物の原材料の欄に、カタカナの聞いたことも見たこともない化学物質が書いてあったら、なんとなくイヤだなと感じる。
遺伝子組み換え作物が使われていたら、やっぱりなんとなくイヤだなと感じる。
そして、どうしてイヤなんだろうと考えたり調べたりしてみる。

ひとつずつ、少しずつ、試しながら、確かめながら、習慣になるといい。

続けられる方法、自分に合った方法、自分の考え方や、感じ方や、暮らし方に合った方法があります。
それを探し出したり、創りあげるお手伝いをしていきたいと思います。



トマト(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com緑の手をした友人の子どもたちは、帰ってくるとこのトマトをぺろっとたいらげるのだそうです。

でもそれは、紫外線で消耗した皮膚のビタミンCや水分の補給、身体活動によって発生した活性酸素を中和するためのカロチンやリコピンの摂取、なんていうことを考えてではありません。

子どもたちは必要なものを必要な分だけ取り入れます。そして、子どもたちのそれは、かなり確実な選択です。

そのトマトには化学的な栄養素だけではなく、心の栄養もたくさん入っていることをしっかりと感じ取っているのでしょう。

 

 

自分を感じることができると、人を感じることもできます。
人を思いやることもできます。

奄美の原生林のなかで生命の気配を感じるという友人がいます。彼の話を聞いていると、本来人間は、植物をも、動物をも、“感じる”ことができるのかもしれないと、そう思うのです。

ひかげへごと太陽(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com

『奄美世のごはん#012』

奄美では、海の恵みもカラフルです。

右下の写真の青い魚はエラブチといって、ブダイの仲間。
かわいらしいおちょぼ口ですが顎がとても強く、カニやエビを丸ごと噛みくだいてしまいます。

この強い顎はサンゴ礁も噛みくだいて、消化されないサンゴ礁の破片は吐き出されます。

エラブチが噛みくだいたサンゴ礁が、奄美の白い砂浜を作りあげるのだそうです。

えらぶち(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.comエラブチをはじめ海の幸は、奄美世の人々の良質なたんぱく源となっていました。
私たちの身体を造るたんぱく質は、アミノ酸がたくさんつながって出来ています。
私たちは必要に応じて約20種類のアミノ酸を入れ換え、作り変え、組み合わせを変えることで、成長し、病気を治し、ケガや組織の損傷を修復します。
また、アミノ酸はホルモンや酵素、免疫物質の成分にもなりますし、脳の働きを活性化させる働きも持ちます。
その時に必要な種類のアミノ酸が必要なだけ摂取され、プールされていることが大事です。
とくに身体のなかで合成することができない8種類(子どもは10種類)の必須アミノ酸は、1種類でも足りないと必要なたんぱく質を合成することができなくなります。

 

たんぱく質というとお肉や乳製品と思われがちですが、古くから日本人が食べ続けてきたお米は、主食となる穀物の中で最もアミノ酸バランスに優れています。
リジンという必須アミノ酸の含有量が少ないのですが、このリジンは豆類に豊富で、みそや豆腐、豆ご飯、納豆など、食事に豆を加えることで、充分に補うことができます。

またお米が、豆類に不足しがちなトリプトファンやメチオニンという必須アミノ酸を補ってくれるので、お米とお豆、ごはんとみそ汁という伝統的な組み合わせは、アミノ酸バランスの整った組み合わせとなります。
リジンはお魚にも多いので、今日のお昼に焼き魚定食はいかがでしょう。

主食となる他の穀物、小麦やとうもろこしは、トリプトファンという必須アミノ酸の含有量が少ないのです。
ですから、パンやパスタを主食にする欧米食に傾くと、トリプトファンの不足が起こりやすくなります。

トリプトファンは、脳内で神経から神経に情報を伝える神経伝達物質のセロトニンの材料となります。
ですから、トリプトファンの摂取不足はセロトニンの不足につながります。
またセロトニンは、松果体でメラトニンという睡眠を誘発する物質になります。
セロトニンが不足するとメラトニンの材料も足りなくなって眠れなくなります。

証明はなされていませんが、うつ病の原因にセロトニンの不足が考えられています(セロトニンの量ではなく、セロトニンに反応する神経が、もしくはセロトニンがシナプスで、機能していないとする考えもあります)。
もしこの説が真実なら、セロトニンが不足している原因を取り除くことこそが、根本的な治療となるはずです。

たとえば、トリプトファンの摂取不足。
摂取していても胃酸不足など消化器の機能低下によって消化吸収ができない、トリプトファンをセロトニンに変換する際に必要な栄養素が不足している、脳内でセロトニンを受けとめる神経受容器の数や質の異常、などなど。

カイロプラクティックでは、固有感覚情報やその他の感覚器官からの入力を介して、縫線核が存在する網様体賦活系への神経刺激の入出力や情報処理の偏りを整えます。
7つの縫線核はセロトニンを産生していると考えられている神経細胞の塊で、これらの核の神経細胞は上行にも下行にも広範囲にわたって線維を広げています。
そして、さまざまな内外の環境の必要性に応じて、常に脳の働きを調整する重要な役目を担っています。

原因を取り除くことができれば、落ち込みをむりやりカフェインや薬剤で持ち上げたりすることも、寝るために大量の睡眠薬を飲み続ける必要も、なくなるかもしれません。

残念ながら、一般に豆類ではこのトリプトファンを補いきれないので、主食をパンやパスタにすると、どうしても肉や乳製品など動物性の食品を摂取することにつながります。

たんぱく源としての肉や乳製品といった動物性食品は、調理することも食べることも手軽です。
どこででも売られていて、安価なものもたくさんあります。
ですが、家畜の体内で起こる有害な物質の生物濃縮、促成肥育や大量生産のために使われるホルモン剤や抗生物質、血液の粘度を高め流れを悪くする動物性の飽和脂肪酸などのデメリットを考えると、やはり肉や乳製品は、奄美世の頃のようにたまに食べるごちそうの食材という位置づけが適当だろうと思います。 奄美の海の色をしたエラブチは、田中一村の画によく描かれています。
一村は、奄美の自然に魅せられて、奄美に住みついた画家です。
海の生き物のほかに、アダン(左上)やクワズイモ(右上)などの植物、くちばしの紅いアカショウビン(左下)、そして島の自然(右下)を題材にしています。

アダン 砂浜(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com クワズイモ(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.comアカショウビン ペア(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com 海(奄美世のごはん)by DoctorsSuggestion.com

一村の描いた島の自然や生命を、ずっと、ずっと、先の世代までつないでいきたいと思います。 

 

『奄美世のごはん#011』

亜熱帯の奄美では、一年中色鮮やかな花々が咲いていますが、梅雨の頃には雨に洗われ鮮やかさを増します。
関東でもひどく暑くもならず、冷えこむこともないので、とても過ごしやすい季節なのですが、ご存じのとおり連休明けのこの時期には、どなたが名付けたのか5月病という“こころの病”が流行します。

そんな気分を一新するために、目覚めのために、気分をすっきりさせるために、私たちがよく利用するのがコーヒーです。

一日に10杯以上も飲んでいた方がいらっしゃいました。
デカンタにたっぷりコーヒーをおとし、マグカップを片手に飲みながら仕事をすることが習慣になっていたのです。

でも、子どもにコーヒーを無制限に飲ませる大人はいないようですが、なぜでしょう?
なんとなくコーヒーは身体に悪いものだと感じているのではないでしょうか?

なんと“カフェイン”は劇薬に指定されている物質なんです。

ブーゲンビリア | 奄美世のごはん(DoctorsSuggestion.com)劇薬というのは、つまり、毒薬の次に毒性が強いということになります。
この劇薬指定のカフェインが含まれている飲み物の代表格がコーヒーです。
でも劇薬が含まれているというのに、コーヒーを購入する時に身分証明はいりませんし、年齢制限もありません。
カフェインを含む飲み物や食べ物を購入して利用することも、子どもであっても違法ではありません。

カフェインは私たちの脳を興奮させるので、眠気が覚めたり、疲れを感じなくなります。
集中力もアップしますから、仕事もはかどるわけです。
この効果の適量はコーヒーの濃さにもよりますが、多くて数杯といったところでしょうか。
ですがカフェインに対する耐性には個人差がありますから、人によってはコーヒー1杯であっても、脳が興奮し続けて眠りが浅くなったり、寝つきが悪くなったりします。
尿の量も増えますから、一晩に何度もトイレに行かなければならないこともあります。
たった1杯しか飲んでいませんので、睡眠の問題や頻尿と、カフェインの作用が結び付いていないことがほとんどです。
カフェインの摂取で、みぞおちの少し右の肋骨にそって痛みや熱感が出たり、右の肩甲骨と背骨の間にコリや痛みを感じる方もいます。
このような場合は臓器に対する治療と、原因であるカフェインの制限が必要になります。
むやみに揉みつづけるだけでは、筋線維を傷めることにもなります。

諸鈍でいご並木 | 奄美世のごはん(DoctorsSuggestion.com)コーヒーを飲み続けると、カフェインに対する耐性ができてきます。
すると同じすっきり効果を得るためには、飲む量を増やさなければならなくなります。
カフェインの量が増え過ぎると、アドレナリンなどの興奮性の物質が分泌されて、脳だけではなく全身の興奮が起こります。
心拍が増え血圧が上がるので、心臓に負担がかかります。
筋肉が興奮しすぎると痙攣などが起こります。
疲労物質もたまります。
カフェインは胃酸の分泌を刺激するので、胸やけや炎症、不快感の原因にもなります。
イライラしたり、不安を感じることもあります。

夜の睡眠の質が悪くなると、朝の目覚めが悪くなったり、昼間に眠気や疲労を感じますから、またカフェインの作用が必要になります。

摂取したカフェインの分解解毒は肝臓で行われます。
たばこに含まれる化学物質も、アルコールのアセトアルデヒドも、肝臓が分解してくれます。
筋肉に発生する乳酸の代謝とリサイクルも肝臓の役目です。
肝臓の仕事が多いとカフェインの分解にも時間がかかります。
分解の時にビタミンCなどが必要ですから、栄養素の不足があると分解は進みません。
正常で4~6時間といわれますが、肝臓の健康状態と仕事の量と質によっては、12時間も24時間もかかるようです。

夜間の睡眠の状態や、トイレに行く回数などで、コーヒーの量を加減してみて下さい。
分解に要する時間を考慮して、コーヒーを飲む時間帯は午前中から遅くても午後3時ぐらいをおすすめしています。
睡眠障害と夜間の頻尿を訴えて治療にいらっしゃった患者さんで、カイロプラクティックの施術と、コーヒーの量と時間のコントロールで、日中の尿漏れが治まった方もいらっしゃいます。
分解産物は尿として身体の外に排泄しなければならないので、水を飲むのを止めるのはおすすめできません。

カフェインの許容量は、トータルの摂取量を把握しなければならないのですが、やっかいなことに気付かずカフェインを摂取していることも多いのです。
お茶やコーラ類、ココア、チョコレートなどはご存じのことと思いますが、風邪薬、鎮痛剤、解熱剤、睡眠抑制剤などにもたくさん含まれます。
もちろん子ども用にもカフェインは使われています。
ドリンク剤にも強いカフェインが入っています。
一時的に元気になりますから、疲れた時や眠気覚ましに常飲している方も多いようです。
このようなドリンク剤は、スポーツドリンクとともに子どものクラブ活動や試合に、差し入れとして届くことがあります。
カフェインも運動による疲労物質も肝臓で分解しなければなりません。
筋組織を修復する成長ホルモンは肝臓で活性化されて始めて働きます。
パフォーマンスの安定には、目の前の一時的なパワーアップより、基本的な健康管理のほうが確実です。

三色ふだん草 | 奄美世のごはん(DoctorsSuggestion.com)さて、奄美で鮮やかなのは花々だけではありません。
写真(→)は3色のふだん草。

色合いから想像するにビタミンやミネラルに加えフィトケミカルもたっぷり含まれているでしょう。

 

 

にんにく | 奄美世のごはん(DoctorsSuggestion.com)つやつやの紫色をしたものはフルンガブ(にんにく)です。

この紫色で小ぶりのにんにくは奄美の在来種で、とても良い香がします。
島では塩漬けやしょう油漬け、黒糖漬けにしてよく食べます。

 

 

 

 

梅雨の晴れ間の海も、またひと味ちがった味わいです。
朋子26 | 奄美世のごはん(DoctorsSuggestion.com)